Excelのファイルを開いたら、画像があるはずのセルに #VALUE! という赤いエラーだけが表示されていて、「画像が消えてしまった」「ファイルが壊れたのでは」と不安になったことはありませんか。写真や図が真っ白になっていたり、セルの中に文字だけがポツンと残っていたりすると、大事なデータが失われたように見えて焦ってしまいます。
最初に結論をお伝えします。画像が #VALUE! になっていても、ファイルは壊れていません。これは、新しいExcel(Microsoft 365や2024)で「セルの中に画像を入れる」機能を使って作られたファイルを、それに対応していない少し古いExcel(2016・2019・2021)で開いたときに起こる、いわば「バージョンのすれ違い」が原因です。画像そのものはファイルの中にちゃんと残っていることがほとんどなので、正しく直せば元どおり表示できます。
この記事では、実際にこのパソコンのExcel 2019で同じ現象を再現して確かめた内容をもとに、なぜ画像が #VALUE! になるのか、その本当の原因と、確実な直し方をやさしく解説します。ネット上でよく見かける「画像の形式(WEBPやTIFF)が原因」という説明が実は正しくないことも、実機で確認した結果とあわせてお伝えします。
画像が「#VALUE!」になる本当の原因はバージョンのすれ違い
Excelには、もともと2種類の画像の入れ方があります。1つは昔からある「セルの上に画像を浮かせて置く」入れ方(フローティング)で、もう1つが比較的新しいセルに配置という入れ方です。#VALUE! エラーの正体は、この新しいほうのセルに配置で入れた画像にあります。
「セルに配置」で画像を入れる機能は、Excel for Microsoft 365 と Excel 2024 でしか使えません。Microsoft公式の「Excel のセル内に画像を挿入する」ページでも、この機能の適用先は Excel for Microsoft 365 と Excel 2024 と明記されており、2016・2019・2021には対応していません。そのため、365や2024でセルに配置を使って画像を入れたファイルを、対応していない古いExcelで開くと、そのセルは中身を表示できず #VALUE! になってしまうのです。
この「古いExcelでは #VALUE! になる」という仕組みは、当サイトの思い込みではありません。Microsoftの公式サポートページには古い版で #VALUE! になるという具体的な記載はありませんが、この「セルに配置」形式のファイルを書き出すツール(表計算ファイルを作るためのライブラリ)の公式ドキュメントには、はっきりと「古い版のExcelでは #VALUE! エラーが表示される」と書かれています。英語の原文では『For older versions of Excel a #VALUE! error is displayed』と説明されています(セルの中に画像を埋め込む機能=「セルに配置」に相当する機能についての記述です)。
そのうえで、実際にこのパソコンでも再現して確かめました。当サイトのパソコンにはExcel 2019(バージョン16.0/ビルド19127)が入っています。365のセルに配置と同じ形式のファイルを開いたところ、そのセルはきちんと #VALUE! と表示されました(当サイトでは、365の「セルに配置」と同じ形式のファイルを、表計算ファイルを書き出すツールで用意して開いています)。一方で、同じ画像を昔ながらの「セルの上に配置」(フローティング)で入れたものは、まったく問題なく表示されました。この差こそが、原因が「画像の中身」ではなく「入れ方(=どのExcelで作ったか)」にあることの証拠です。つまり、仕組みは書き出しツールの公式ドキュメントで裏づけられ、実機ではその再現を確認した、という二段構えです。

このように、書き出しツールの公式ドキュメントによる仕組みの裏づけと、当サイトのExcel 2019での再現確認の両方がそろっています。ですので、もし自分や相手のExcelが2016・2019・2021で、ファイルの作成者が新しいExcelを使っているなら、まずこのバージョンのすれ違いを疑ってください。
ちなみに、あなたのExcelがどのバージョンかは、「ファイル」タブ→「アカウント」→「Excelのバージョン情報」で確認できます。「Microsoft 365」や「2024」と書かれていればセルに配置が使える側、「2019」「2021」などであれば使えない側、と考えてください。
2つの画像の入れ方の違いを表で整理
ここで、セルに配置と「セルの上に配置」(フローティング)の違いを表にまとめておきます。#VALUE! になるのは前者だけです。どちらの入れ方かで、古いExcelでの見え方も、行や列を動かしたときの挙動も変わります。次の表の内容は、Microsoft公式の記載と、当サイトのExcel 2019での実機確認にもとづくものです。
| 比べる点 | セルに配置 (新しい入れ方) |
セルの上に配置 (昔からの入れ方) |
|---|---|---|
| 使えるExcel | Microsoft 365 と Excel 2024 のみ |
どのバージョンでも 使える (2016〜365) |
| 古いExcel (2016/19/21) で開くと |
#VALUE! になって表示されない |
ふつうに 画像が表示される |
| 画像とセルの 関係 |
セルの中身として 入り、行・列に 連動して動く |
セルの上に浮いていて 設定しだいで 連動も固定もできる |
| 向いている場面 | 自分と相手が そろって新しい Excelを使うとき |
相手のExcelが 分からないとき・ 誰に渡すか 読めないとき |
表からわかるとおり、誰に渡すか分からないファイルや、相手が古いExcelかもしれないファイルでは、「セルの上に配置」で入れておくのが安全です。新しいExcel同士でしかやり取りしないと分かっている場合だけ、セルに配置の便利さ(セルに連動して動く)を活かす、と考えるとよいでしょう。
そのエラーが画像由来かどうかの見分け方
#VALUE! は、画像だけでなく計算式のエラーでも出る、Excelでは一般的なエラー表示です。だから「これは画像が原因の #VALUE! なのか」をまず切り分けると、遠回りせずにすみます。ここで押さえておきたいのが、関数のエラーで出る #VALUE! と、画像が表示できずに出る #VALUE! は、見た目は同じでも中身が別物だということです。
当サイトのExcel 2019で実際に確かめたところ、画像が原因で #VALUE! になったセルは、セルの表示も数式バーも #VALUE! のままで、そこに計算式は入っていませんでした(画像が置かれていた跡が、値としての #VALUE! だけ残っている状態です)。一方、関数のエラーで出る #VALUE! は、そのセルを選ぶと数式バーに =A1*B1 のような計算式が入っています。この違いを手がかりに、次の点で見分けてください。いずれも当サイトのExcel 2019での実測にもとづきます。
- 本来はそこに画像があるはず(表の商品写真の欄など)なのに、いまは
#VALUE!だけが残っている - そのセルを選んでも数式バーに計算式が入っておらず、
#VALUE!が表示される。自分で数式を入れた覚えもない(関数エラーなら必ず数式が入っています) - ファイルの作成者が新しいExcel(365や2024)を使っている、または出所が新しいExcelだと分かっている
- 同じファイルの中で、「セルの上に配置」で入れられた別の画像はきちんと表示されている場合がある
ひとつ注意したいのが、画像を入れるもう1つの新しい方法である =IMAGE() 関数との区別です。当サイトのExcel 2019で実測したところ、=IMAGE() 関数で入れた画像は古いExcelでは #NAME? になり(数式はセルに残ります)、「セルに配置」で入れた画像は #VALUE! になる(数式は残りません)という違いがありました。ですから、「#VALUE! で数式が無ければ『セルに配置』の画像の跡」「#NAME? で数式が残っていれば =IMAGE() 関数」と切り分けられます。前の番号手順の「数式が無い」という見分け方は、この =IMAGE() 関数のケースには当てはまらない点にご注意ください。
とくに、そのファイルを誰が作ったか、その人が新しいExcel(365や2024)を使っていないかを思い出してください。会社から配られた資料や、取引先から届いたファイルは、送り主が最新のExcelを使っていることが少なくありません。作り手が新しいExcel、開く自分が古いExcel、という組み合わせのときにこそ、この #VALUE! は起こります。逆に、自分で数式を入れたセルに出ているなら、それは画像ではなく計算式のエラーなので、対処のしかたも変わってきます。
「画像の形式(WEBPやTIFF)のせい」ではありません
この現象を調べると、「画像がWEBPやTIFFという形式だからExcelで表示できない」という説明を見かけることがあります。しかし、これは誤りです。WEBPやTIFFだから #VALUE! になる、ということはありません。
実際に、このパソコンのExcel 2019でWEBP形式の画像を「セルの上に配置」で挿入してみましたが、当サイトのExcel 2019で実測した範囲では、WEBP画像は何の問題もなくきれいに表示されました。形式が原因なら、入れ方に関係なく表示できないはずですが、そうはならなかったわけです。
そもそもMicrosoft公式の「Excel のセル内に画像を挿入する」ページには、セルに配置でサポートされる画像形式として、次のように書かれています。
『セルに画像を挿入する場合、Excel では、JPG/JPEG、PNG、BMP、ICO、WEBP、TIF/TIFF、GIF (アニメーション化されていない) の画像ファイルの種類がサポートされています。』
このとおり、WEBPもTIFFも、公式にサポートされている形式にきちんと含まれています。つまり形式は原因ではなく、あくまで問題は「新しいExcel専用のセルに配置で入れた画像を、古いExcelで開いたこと」にあります。形式を変換しようとしても解決しませんので、遠回りしないよう気をつけてください。

直し方は「セルの上に配置」で入れ直すこと
原因がわかれば、直し方はシンプルです。古いExcelでも必ず表示できる「セルの上に配置」(フローティング)で画像を入れ直すのが、いちばん確実な方法です。この入れ方はExcelのどのバージョンでも共通して使えるため、相手に古いExcelで開いてもらっても画像が消えません。当サイトのExcel 2019でも、この方法なら画像がきちんと表示されることを確認しています。
手元に元の画像ファイル(写真や図のファイル)がある場合の入れ直し手順は次のとおりです。
#VALUE!になっているセルをクリックして選び、キーボードの「Delete」キーで中身を削除する- 「挿入」タブをクリックし、「画像」→「このデバイス」を選ぶ
- 入れたい画像ファイルを選んで「挿入」をクリックする(この方法で入る画像は自動的に「セルの上に配置」になります)
- 入った画像の角をドラッグして大きさを整え、表示したいセルの位置に合わせて移動する
これで、古いExcelでも新しいExcelでも変わらず表示される状態になります。画像がセルの上に浮いている状態なので、行の高さや列の幅を変えても画像の大きさは変わりません。表と一緒に画像もきれいに動かしたい場合は、画像を右クリックして「サイズとプロパティ」を開き、「セルに合わせて移動やサイズ変更をする」を選んでおくと、行や列の操作に画像が追従してくれます。
もし手元に元の画像ファイルが無く、送られてきたExcelの中にしか画像が無い場合は、ファイルを作った相手にお願いして直してもらうのが確実です。作成者の側なら画像はまだ表示できているので、次の見出しの依頼のしかたと手順を参考にしてください。
作成者に頼むときの伝え方と画像の取り出し方
相手に直してもらうときは、専門用語を並べても伝わりにくいので、次のようにお願いすると話が早いです。そのままコピーして使える例文にしてあります。
「送っていただいたExcelの画像が、私のExcelでは #VALUE! というエラーになって見えません。画像を『セルの上に配置』(ふつうに貼り付ける方法)で入れ直して、もう一度送っていただけますか。もしくは、その画像を右クリックして『図として保存』で画像ファイルとして送っていただければ、こちらで貼り直します。」
相手が新しいExcel(365や2024)を使っていれば、画像はまだ表示できています。その状態から画像ファイルを取り出してもらう手順は次のとおりです。相手にこの手順を伝えても、自分が画像ファイルを受け取ってから貼り直すのに使ってもかまいません。
- 画像が表示できるExcel(365か2024)で、そのファイルを開く
#VALUE!ではなく画像として見えているセルを選び、画像の上で右クリックする- メニューから「図として保存」を選ぶ(
セルに配置の画像でも、この方法で画像ファイルとして取り出せます) - 保存場所と名前を決めて「保存」をクリックし、できた画像ファイルを共有する
取り出した画像ファイルさえ手に入れば、あとは前の章の「セルの上に配置」で入れ直す手順で、古いExcelでも消えない形にできます。画像ファイルを一度でも手元に用意できれば、以降はどのバージョンのExcelでも自由に扱えるようになります。
原因と対処をイメージ図で整理
ここまでの流れを1枚の図にまとめました。「どのExcelで作ったか」と「どの入れ方で入れたか」の2点さえ押さえれば、なぜ #VALUE! になるのか、どう直せばよいのかが一目でわかります。

ポイントは、#VALUE! は「壊れた」サインではなく「このExcelではセルに配置の画像を表示できません」という合図だ、ということです。だから、表示できる入れ方に置き換えてあげれば直る、というわけです。
よくある質問
Q1 「#VALUE!」になった画像は完全に消えてしまったのですか
いいえ、消えていないことがほとんどです。セルに配置で入れられた画像のデータは、古いExcelで表示できないだけで、ファイルの中には残っています。作成者が使っている新しいExcel(365や2024)で開けば、また画像として表示されます。あなたのExcelで表示できないときは、この記事の「セルの上に配置」で入れ直す方法で、見える形に置き換えてください。
Q2 WEBPやJPEGなど、形式を変換すれば直りますか
いいえ、形式の変換では直りません。実際にこのパソコンのExcel 2019で確認したところ、WEBP画像も「セルの上に配置」ならきちんと表示されました。原因は形式ではなく「新しいExcel専用のセルに配置で入れた画像を古いExcelで開いたこと」なので、形式をいじる前に入れ方を変えるのが正解です。
Q3 自分のExcelを新しくすれば表示できるようになりますか
はい、Excelを Microsoft 365 か Excel 2024 にすれば、セルに配置で入れられた画像もそのまま表示できるようになります。ただし、あなたが直しても、その先で古いExcelを使う相手に送ると同じ現象が起こります。誰に渡しても崩れないようにしたいなら、やはり「セルの上に配置」で入れ直しておくのがいちばん安全です。
Q4 画面では見えるのに、印刷すると画像だけ出てこないのはなぜですか
画像そのものの表示(#VALUE!)とは別の問題であることが多いです。画像を右クリックして「サイズとプロパティ」を開き、「プロパティ」の中にある「オブジェクトを印刷する」にチェックが入っているかを確認してください。ここが外れていると、画面には表示されても印刷では出てきません。なお、#VALUE! になっているセルの画像は、そもそも古いExcelでは中身を表示できていないため、印刷しても画像としては出ません。まずは「セルの上に配置」で入れ直してから印刷してください。
Q5 「#VALUE!」のセルを消してしまっても大丈夫ですか
そのセルにあるのは画像の跡としての #VALUE! だけなので、Deleteキーで消しても表の計算や他のセルが壊れることはありません。ただし、消すと新しいExcelで開いたときに表示できたはずの画像も一緒に無くなります。元の画像ファイルや、作成者に頼んで取り出した画像を用意してから、消して入れ直すのが安全です。手元に画像が無いうちは、あわてて消さないでおきましょう。
これから自分でファイルを作るときの入れ方の選び方
今回のトラブルは、そもそも自分がファイルを作る側になったときに入れ方を選べば、相手の手元で起こさずにすみます。判断の基準はシンプルで、「そのファイルを、自分以外の誰かにも渡すかどうか」だけ考えればまず失敗しません。
社内の共有フォルダに置く資料、取引先やお客様に送るファイル、いろいろな人が開く名簿や一覧表など、開く相手のExcelが分からないものは、最初から「セルの上に配置」(挿入タブ→画像→このデバイス、で入るふつうの入れ方)にしておきます。こうしておけば、相手が2016でも2019でも、あるいは最新の365でも、画像はどの環境でも同じように表示されます。反対に、セルに配置の便利さ(行や列の並べ替えに画像が一緒についてくる、フィルターで絞り込むと画像も連動する)が活きるのは、自分ひとりで管理する台帳や、チーム全員が365・2024を使っていると分かっているケースです。
もし過去に作ったファイルで セルに配置を多用してしまっている場合は、配布する前に一度、社内の古いExcelでも開いてみて #VALUE! が出ないかを確認しておくと安心です。渡してから「見えません」と言われて作り直すより、手間がずっと少なくてすみます。
なお、同じ画像トラブルでも画面が「#UNKNOWN!」と出る場合は、別記事「Excelで画像が「#UNKNOWN!」と表示される原因と対処法」で、エラーコードが世代で変わる仕組みと見分け方を解説しています。
まとめ
Excelで画像が #VALUE! になるのは、ファイルの故障ではなく、新しいExcelのセルに配置で入れた画像を、対応していない古いExcelで開いたことが原因です。これは当サイトのExcel 2019で実際に再現して確かめました。「WEBPやTIFFだから表示されない」という説明は誤りで、WEBPもTIFFも公式にサポートされた形式です。直すときは、どのバージョンでも表示できる「セルの上に配置」で画像を入れ直すこと。これだけ覚えておけば、画像が消えたように見えても慌てずにすみます。
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出典・引用サイト
最終確認日 2026年7月22日/記事作成 uri uri


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