皆さん、こんにちは。「大事な書類が入ったフォルダに、パソコンで簡単にパスワードをかけたい」と思ったことはありませんか。ネット上には「フォルダを右クリックしてプロパティからパスワードを設定する」といった解説が今でも多く見られますが、まずは大切な事実からお伝えします。
Windowsに「フォルダだけにパスワード」をかける標準機能はありません
最初にはっきりさせておきます。Windows 11・Windows 10には、フォルダを1つだけ選んでパスワードをかける標準機能は用意されていません。エクスプローラーでフォルダを右クリックしても、「パスワードを設定する」という項目はどこにも出てきません。

そのため、「フォルダを右クリック→プロパティ→パスワード設定」という手順を紹介している記事は、実在しない操作を書いていることになります。実際にやってみると、そのような画面は表示されません。この記事では、Windowsで本当に使える正しい方法だけを、エディション(HomeとPro)ごとの違いも含めて整理します。
- フォルダの中身を守る、Windowsで実際に使える3つの方法(ZIP・EFS・BitLocker)
- お使いのWindowsがHomeかProかで、使える手段がどう変わるか
まずは自分のWindowsのエディションを確認する
これから手動で設定するEFSやBitLockerは、Windows 11 Pro以上でしか使えない機能です。ご自分のパソコンがHomeかProかで選ぶべき方法が変わるので、先に確認しておきましょう。
- 「スタート」ボタンを右クリックし、「設定」を開きます。
- 左側の「システム」を選び、いちばん下の「バージョン情報」をクリックします。
- 「Windowsの仕様」の「エディション」欄を見ます。「Windows 11 Home」か「Windows 11 Pro」などと表示されています。

方法1 ZIPにパスワードをかけて守る(HomeでもProでも使える)
いちばん手軽で、Home・Proのどちらでも使えるのがZIP圧縮+パスワードの方法です。守りたいファイルをまとめて1つのZIPファイルにし、そのZIPにパスワードをかけます。
ただし注意点があります。Windows標準のZIP機能(右クリックの「ZIPファイルに圧縮する」)には、パスワードをかける機能がありません。パスワード付きZIPを作るには、7-Zipなどの無料ソフトを使います。ここでは、その最小の手順を紹介します。
- 7-Zipを公式サイト(7-zip.org)からダウンロードしてインストールします。無料で使えるオープンソースの定番ソフトです。
- パスワードをかけたいフォルダーを右クリックし、メニューの「7-Zip」から「アーカイブに追加」を選びます。
- 「書庫形式(アーカイブ形式)」でzipを選び、右下の「暗号化」欄にパスワードを入力します。方式で
AES-256を選べればより安全です。 - 「OK」を押すと、パスワード付きのZIPファイルが作られます。次からは開くときにパスワードの入力を求められます。

これで、Homeエディションの方でも今日からフォルダの中身をパスワードで守れます。画面付きのくわしい手順や、うまくいかないときの対処は、別記事でさらにていねいに解説しています。
方法2 EFSでフォルダを暗号化する(Windows 11 Proの機能)
Windows 11 Pro以上には、EFS(暗号化ファイルシステム)という標準機能があります。フォルダーに暗号化属性を付けると、その中のファイルが暗号化されて保護されます。
先に確認してください。EFSはWindows 11 Pro以上の機能です。Homeの方はこの手順を試しても暗号化のチェックが有効になりませんので、方法1のZIPをご利用ください。
- 暗号化したいフォルダを右クリックし、「プロパティ」を開きます。
- 「全般」タブの右下にある「詳細設定」をクリックします。
- 「属性の詳細」画面で「内容を暗号化してデータをセキュリティで保護する」にチェックを入れ、「OK」を押します。
- 確認画面が出たら「このフォルダー、サブフォルダーおよびファイルに変更を適用する」を選びます。

ここで正しく理解しておきたいのが、EFSはパスワードを入力して開くタイプの暗号化ではないという点です。EFSは今サインインしているWindowsのユーザーアカウントに暗号化のカギを結び付けます。そのため、同じパソコンでも別のユーザーアカウントからは中身を開けないという守り方になります。逆に言えば、あなた自身がサインインしていれば、パスワードを聞かれることなくそのまま開けます。
なお、暗号化に使うカギ(証明書)を失うと、暗号化したファイルは二度と開けなくなります。EFSを使う場合は、必ず暗号化証明書のバックアップを取っておいてください。Windows 11 HomeではEFSは利用できません。
方法3 BitLocker/BitLocker To Goでドライブごと守る(Windows 11 Proの機能)
BitLockerは、フォルダ単位ではなくドライブ全体を暗号化する機能です。パソコン本体のドライブだけでなく、USBメモリや外付けドライブを暗号化するBitLocker To Goもあります。持ち出すUSBメモリを丸ごと守りたいときに向いています。
エディションについては、Microsoftの公式ページに次のように明記されています。
『BitLocker ドライブ暗号化は、Windows Pro、Enterprise、または Education エディションを実行しているデバイスでのみ使用できます。 BitLocker は Windows Home エディションでは利用できません。』(Microsoft サポート「BitLocker ドライブ暗号化」より)
有効化は、タスクバーの検索ボックスに「BitLockerの管理」と入力して開き、対象のドライブで「BitLockerを有効にする」を選んで画面の指示に従います。このとき回復キーを必ず保存してください。回復キーを失うと、暗号化したドライブを開けなくなる場合があります。Microsoftアカウントへの保存や、ファイル・印刷での保管ができます。
Windows 11 Homeエディションでできること
Homeエディションでは、EFSもBitLockerも使えません。では守れないのかというと、そうではありません。
まず前述のとおり、Homeでの現実的な方法はZIP+パスワード(7-Zip)です。加えて、一部の対応PCでは「デバイスの暗号化」という機能がHomeでも使えます。これはBitLockerの技術を使った簡易版で、条件を満たすと自動で有効になる仕組みです。公式ページには次のように書かれています。
『Device Encryption は、Windows Home を実行するデバイスを含む幅広いデバイスで使用できます。』(Microsoft サポート「Windows でのデバイス暗号化」より)
ただし「デバイスの暗号化」が守るのはドライブ全体であって、フォルダー単位ではありません。またMicrosoftアカウントでのサインインなどの条件があります。同じパソコンにサインインすれば中身はそのまま見えるため、「家族の別アカウントからフォルダ1つを隠す」用途には向かない点に注意してください。手動で設定するBitLockerドライブ暗号化(Pro以上)とは、対象範囲や利用条件が異なります。
エディション別・使える手段の早見表
ここまでの内容を、HomeとProで使える手段として表にまとめます。ご自分の環境に合う方法を選ぶ参考にしてください。

| 手段 | 守る単位 | Windows 11 Home | Windows 11 Pro | パスワード入力式か |
|---|---|---|---|---|
| ZIP+パスワード(7-Zip) | ファイル・フォルダをまとめたZIP | ○ 使える | ○ 使える | はい(開くときに入力) |
| EFS(暗号化属性) | フォルダ・ファイル | × 使えない | ○ 使える | いいえ(アカウントに紐づく) |
| BitLocker/To Go | ドライブ・USB全体 | × 使えない | ○ 使える | 回復キー等で保護 |
| デバイスの暗号化(BitLockerの簡易版) | ドライブ全体(フォルダー単位は不可) | △ 対応PCで可 | ○ 使える | いいえ |
隠しフォルダーはセキュリティになりません
「フォルダを隠す(隠し属性にする)」方法を紹介する情報も見かけますが、隠しフォルダーはセキュリティ対策にはなりません。エクスプローラーの表示設定で「隠しファイル」を表示に切り替えれば、誰でもすぐに見えてしまうからです。中身を本当に守りたいときは、隠すのではなく、この記事で紹介した暗号化やパスワードZIPを使ってください。
サードパーティ製フォルダロックソフトを使う場合の注意
「フォルダにパスワードをかける」とうたう有料・無料のソフトも存在します。使うこと自体は選択肢の1つですが、どのソフトが安全かを断定することはできません。提供元がはっきりしないソフトや、極端に多機能をうたうものは慎重に判断してください。まずはWindows標準のEFSやBitLocker、定番の7-Zipなど、素性のわかる方法から検討することをおすすめします。
よくある質問や疑問
Q1 結局、初心者にいちばんおすすめの方法はどれですか
HomeでもProでも使えるZIP+パスワード(7-Zip)がもっとも手軽です。開くときにパスワードを入力する、わかりやすい仕組みだからです。7-Zipはオープンソースで長年使われている定番ソフトのため、安心して使えます。
Q2 EFSで暗号化すると、パスワードを聞かれるようになりますか
いいえ。EFSはサインイン中のユーザーアカウントにカギを結び付ける仕組みで、あなた自身がサインインしていればパスワードなしで開けます。守れるのは「別のアカウントからの閲覧」です。
Q3 自分のパソコンがHomeでした。フォルダは守れないのでしょうか
守れます。ZIP+パスワード(7-Zip)を使えば、Homeでもファイルをまとめてパスワードで保護できます。EFSやBitLockerが使えないだけです。
大切なデータの守り方は、お使いのWindowsがHomeかProかで変わります。「自分の場合はどの方法が合っているのか分からない」「設定の途中でつまずいてしまった」というときは、無理に一人で進めず、下のLINEから気軽にご相談ください。画面を一緒に確認しながら、あなたの環境に合った安全な守り方を一緒に見つけていきます。


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