新しいAndroidスマホに買い替えるとき、多くの人が「データを移したい」と「古い端末を初期化したい」の二つを同時に考えます。ところが、この二つを正しい順番で行わないと、写真や連絡先が片方にしか残らなかったり、初期化した古い端末が次の人に渡せない「文鎮」になってしまうことがあります。このページでは、Android同士の機種変更で「移行 → 確認 → 初期化」を安全に進める順序と、コピーだけでは移らないデータの扱いを整理します。
結論:作業の順番を間違えないことが最重要
データ移行と初期化は、必ず次の順番で進めてください。順番が前後すると、取り返しのつかないデータ消失につながります。
- 新端末へデータを移行する(古い端末はまだ初期化しない)
- 移行できたかを新端末で実際に確認する(写真・連絡先・必要なアプリが開けるか)
- コピーでは移らないデータを個別に引き継ぐ(LINE・おサイフケータイ・認証アプリなど)
- 古い端末からGoogleアカウントを削除する
- 古い端末を出荷時リセット(初期化)する
とくに見落とされがちなのが手順4です。多くの解説記事は「初期化すればOK」で終わりますが、Googleアカウントを削除せずに初期化すると、Androidのデバイス保護機能(Factory Reset Protection/FRP)が働き、再起動後に元の持ち主のアカウント入力を求められて先に進めなくなります。下取りや売却の前にこれをやると、受け取った相手が端末を使えません(参考:Android ヘルプ「新しい Android デバイスに切り替える」)。
手順1:新しい端末へデータを移行する
Android同士のデータ移行は、新しい端末の初回セットアップ(電源を初めて入れたとき)に行うのが基本です。すでにセットアップを終えてしまった場合は、初期化してからやり直すか、後述のクラウド復元を使います。
ケーブルで直接コピーする(最も確実)
新旧2台をUSB Type-Cケーブルでつなぐ方法です。Wi-Fiより速く、写真や動画が多い人に向いています。
- 新しい端末の電源を入れ、言語とWi-Fiを設定して「アプリとデータのコピー」(または「コピー」)の画面まで進めます。
- 画面の案内に従い、古い端末と新しい端末をUSBケーブルで接続します(変換アダプターが必要な場合があります)。
- 古い端末で「コピー」をタップし、移したいデータの種類を選んで再度「コピー」をタップします。
- 新しい端末に「コピーが完了しました」と表示されるまで、ケーブルを抜かずに待ちます。
ケーブルがないときはWi-Fiで移す
ケーブルが用意できない場合は、コピー画面で「ケーブルがない場合」を選ぶとWi-Fi経由で移行できます。古い端末側でGoogle アプリから「デバイスをセットアップ」を開き、両方の画面に出る図形と番号が一致することを確認してから進めます(参考:Android ヘルプ「アプリとデータをコピーする」)。
古い端末が手元にない・壊れているとき
古い端末が使えない場合は、事前に取っていたGoogleアカウントのバックアップから復元します。日頃からバックアップしておくと安心です。
- 古い端末で「設定」→「Google」→「バックアップ」を開き、「今すぐバックアップ」を実行しておきます(写真・動画はGoogleフォト、アプリや設定はGoogle Oneの保存領域を使います)。
- 新しい端末のセットアップで同じGoogleアカウントにログインすると、バックアップしたアプリや設定、連絡先が復元されます。
手順2:移行できたかを必ず確認する
初期化する前に、新しい端末で次の項目が移っているかを目で確認してください。ここを飛ばして古い端末を初期化すると、抜けに気づいたときには手遅れになります。
| 確認する項目 | 確認のしかた |
|---|---|
| 写真・動画 | Googleフォトや「ギャラリー」を開いて枚数を見比べる |
| 連絡先 | 電話帳の件数を確認する(Google同期分は自動で入る) |
| 必要なアプリ | アプリ一覧にあるか、開いてログイン状態かを確認する |
| SDカード内のデータ | SDカードは物理的に新端末へ差し替えるか、別途コピーする |
手順3:コピーだけでは移らない「要注意データ」を引き継ぐ
ケーブルやクラウドの一括コピーで移るのは、写真・連絡先・アプリ本体・端末設定などです。一方で、セキュリティの仕組み上、自動コピーでは移らない・移してはいけないデータがあります。これらは個別の引き継ぎが必要です。
- LINEのトーク履歴:古い端末で「設定」→「トーク」→「トーク履歴のバックアップ」からGoogleドライブへバックアップし、バックアップ用PINを控えてから、新端末で同じアカウントにログインして復元します。バックアップを取らずにアカウントだけ引き継ぐと、トーク履歴は戻りません(参考:LINEみんなの使い方ガイド)。
- おサイフケータイ(モバイルSuica・楽天Edy・nanaco等):各サービスのアプリで「機種変更」「預ける/サーバー退避」の操作を古い端末で行い、新端末で受け取ります。残高がある電子マネーは、初期化前に必ずこの処理を済ませます。
このほか、Google認証システムなどの二段階認証アプリは、新端末への移行手続き(QRコードでの転送など)をしてから古い端末を消すこと、有料アプリや課金データは同じGoogleアカウントでログインし直す必要があること、ダウンロードしたPDF・Google Play以外から入れたアプリ・着信音は一括コピーの対象外であることも、Googleの公式説明で示されています。心当たりがあるものは、初期化の前に手動で移してください。
手順4:古い端末からGoogleアカウントを削除する
移行と要注意データの引き継ぎが終わったら、初期化の前に古い端末からGoogleアカウントを外します。「ログアウト」ではなく「アカウントを削除」を選ぶ点が重要です。これを省くと前述のFRPロックが働きます。
- 古い端末で「設定」→「パスワードとアカウント」(機種により「アカウント」)を開きます。
- 削除するGoogleアカウントをタップします。
- 「アカウントを削除」をタップし、確認画面で再度「アカウントを削除」を選びます。
手順5:古い端末を出荷時リセット(初期化)する
アカウントを削除したら、いよいよ初期化です。下取り・売却・譲渡の前は、個人情報を残さないために必ず実行します。
- 「設定」→「システム」を開きます。
- 「リセット オプション」(機種により「リセット」「バックアップとリセット」)をタップします。
- 「すべてのデータを消去(出荷時リセット)」を選びます。
- 画面の案内に従い、ロック解除のパターンやPINを入力して実行します。完了すると「ようこそ」画面に戻ります。
メーカー(機種)によって違うところ
Androidは作っているメーカーごとに独自の移行ツールが用意されており、メニュー名も少しずつ異なります。Googleの標準コピーでうまくいかないときは、下記のメーカー純正ツールを試すと、独自アプリの設定なども移しやすくなります。
Galaxy(サムスン)
純正の「Smart Switch」を使います。ケーブル接続・Wi-Fiの両方に対応し、他社のAndroidやiPhoneからの移行にも使えます(参考:Samsung 公式 Smart Switch)。
Xperia(ソニー)
かつての専用アプリ「Xperia Transfer 2」は提供が終了しており、現在は初回セットアップ画面でのデータ移行(Googleの標準コピー)が基本です(参考:Xperia 公式「のりかえ」)。
AQUOS(シャープ)
「かんたんデータコピー」アプリが用意されており、USBケーブル接続でAndroid・iPhoneの両方からデータを移せます(参考:SHARP かんたんデータコピー)。
ドコモ・au・ソフトバンクの端末
キャリアの「データコピー」アプリ(例:ドコモデータコピー)が入っている機種もあります。メーカー純正ツールとどちらを使ってもかまいませんが、同じ移行を二重に行うと連絡先などが重複登録されることがあるため、どれか一つの方法に絞るのが安全です。
うまくいかないときの分岐
「別のケーブルを試してください」と表示される
ケーブルが奥まで挿さっているか、端子にほこりがないかを確認します。充電専用ケーブルではデータ通信ができないことがあるため、データ通信に対応したUSBケーブルに替えて試してください。改善しなければWi-Fiでの移行に切り替えます。
初期化後に「前の持ち主のアカウントを入力」と出て進めない
これがFRPロックです。そのGoogleアカウントとパスワードを入力すれば解除できます。自分の端末なら問題なく進めます。中古で買った端末でこの画面が出る場合は、前の持ち主にアカウント削除をしてもらう必要があります。
新端末でアプリが入っているのにログインされていない
アプリ本体はコピーされても、ログイン情報やアプリ内データは引き継がれないことがあります。各アプリで改めてログインし、LINEやおサイフケータイなどは前述の専用手順で引き継いでください。
まとめ:順番と「削除」がカギ
Android同士の機種変更でつまずく原因の多くは、作業の順番にあります。「新端末へ移す → 移行を確認する → LINEやおサイフケータイを個別に引き継ぐ → 古い端末のGoogleアカウントを削除する → 初期化する」の流れを守れば、データ消失もFRPロックも避けられます。とくに「ログアウトではなくアカウントの削除」「初期化は移行確認のあと」の二点を覚えておけば、下取りや売却まで安全に進められます。
運営者:uri uri
最終確認日:2026年6月


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