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Windows 11のリカバリーディスク作成方法|回復ドライブとの違いを実機で解説

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「そろそろリカバリーディスクを作っておいたほうがいいよ」と言われて調べ始めた方が、最初につまずくところがあります。じつは「リカバリーディスク」という名前の機能は、Windows 11には存在しません。

存在しないのに、みんなが当たり前のように使っている言葉です。だから検索しても、ある記事はUSBメモリの話をしていて、別の記事はCDやDVDの話をしていて、さらに別の記事はメーカーのアプリの話をしている。読んでいるうちに「結局どれをやればいいの」と分からなくなります。この記事では、まず正体を切り分けたうえで、いま自分のPCで作れるものはどれか、そもそも作る必要があるのかを順番に決められるようにします。

手元のWindows 11 Homeで実際に画面を開いて確かめました。コントロールパネルの本当の表記、設定画面に並ぶ項目、そしてそのPCで「デバイスの暗号化」がオンになっていたことまで、見たものだけを書きます。見ていない画面は「見ていない」と書きます。ここが、この手のページで一番ごまかされやすいところだからです。

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  1. リカバリーディスクと呼ばれている3つの別物を切り分ける
    1. 回復ドライブはWindows 11の標準機能でUSBメモリに作る
    2. システム修復ディスクはCDやDVDに焼く旧来の機能
    3. メーカー製リカバリメディアはWindowsの機能ではない
  2. 回復ドライブを作る前に必ず確認したい条件
    1. 回復ドライブの作成には管理者権限が必要
    2. USBメモリの中身は作成の途中で全部消える
    3. 必要なUSBメモリの容量は公式の8GBを鵜呑みにしない
  3. Windows 11で回復ドライブを作成する手順
    1. システムファイルのチェックは外さない
  4. 回復ドライブの作成にかかる時間と、失敗しやすい原因
  5. USBメモリが無い、回復ドライブが作れないときの代わりの手
    1. リセットの前に「システムの復元」が使えないか見る
    2. デバイスの暗号化がオンなら先にBitLocker回復キーを用意する
    3. 回復キーは壊れたPC以外からでも確認できる
    4. 設定からPCのリセットを実行する手順
    5. リセット中に画面が真っ黒になっても電源ボタンを押さない
  6. 作った回復ドライブから起動する方法
    1. 作ったUSBが本当に起動するかを確かめる
  7. 回復ドライブについて多い誤解と、やっておきたいこと
    1. 回復ドライブはバックアップではない
    2. 回復ドライブは毎年作り直す
  8. よくある質問
    1. リカバリーディスクは絶対に作らないといけないものですか
    2. USBメモリは何GBを買えばいいですか
    3. 回復ドライブを作ったUSBメモリは、普通のUSBとして使えますか
    4. 他のパソコンで作った回復ドライブを使えますか
    5. 管理者アカウントのパスワードが分からない場合はどうすればいいですか
    6. PCが起動しなくなりました。回復キーはもう確認できませんか
  9. まとめ
  10. 出典・引用サイト

リカバリーディスクと呼ばれている3つの別物を切り分ける

検索で「リカバリーディスク」にたどり着く人が探しているものは、実際には次のどれかです。名前が似ているせいで混ざりますが、使う媒体も、できることも、作れるPCかどうかも違います。

回復ドライブとシステム修復ディスクとメーカー製リカバリメディアの違いの図
同じ「リカバリー」でも中身は別物です。Windows標準で作れるのはUSBの「回復ドライブ」です(当サイトによる図解)。
呼ばれ方 正式な名前
使う媒体
できること いまのPCで作れるか
リカバリーディスク
リカバリーメディア
回復ドライブ
USBメモリ
PCが起動しなくなったときに
USBから起動して修復する。
Windows本体を入れ直すこともできる
◎ Windows 11の標準機能。
USBメモリがあれば作れる
修復ディスク
回復ディスク
システム修復ディスク
CD または DVD
USBから起動できないPCのために、
ディスクから修復画面を呼び出す
△ 光学ドライブが必要。
いまのノートPCの多くには付いていない
リカバリーディスク
再セットアップメディア
メーカー製リカバリメディア
USBメモリ または DVD
そのメーカーの工場出荷状態に戻す。
プリインストールアプリごと復元される
△ メーカー独自の機能。
有無はメーカー次第
(媒体なし) 回復パーティション
PC内蔵のストレージ
PC内蔵の修復環境(Windows RE)を
呼び出すための領域。
Windows本体の再インストール用
データそのものではない
◎ 最初からPCの中にある。
作る作業そのものが不要

回復ドライブはWindows 11の標準機能でUSBメモリに作る

いまWindows 11で「リカバリーディスクを作る」と言ったら、まずこれです。公式ページは回復ドライブについて『リカバリ メディアには、組み込みの Windows ファイル、メディア作成時にインストールされた更新プログラム、PC 製造元からのカスタマイズが含まれており、ベアメタル回復シナリオに対する信頼性の高いバックアップ ソリューションが保証されます。』と説明しています。要するに「Windowsごと入れ直せる材料をUSBに詰めておく」機能です。

大事な前提が1つ。公式は『このメディアは、作成されたデバイス上のベアメタル回復に使用でき、スムーズで効率的な復元処理を保証します。』とも書いています。作ったPC専用という意味です。家族のPCで作った回復ドライブを自分のPCの修復に使う、という発想は捨ててください。

システム修復ディスクはCDやDVDに焼く旧来の機能

公式の回復オプションのページには『[コントロール パネル > バックアップと復元 > システム修復ディスクの作成に移動します』という案内が残っています。ところが、この案内どおりに探しても見つからない人が出ます。Windows 11のコントロールパネルに実際に並んでいる項目名は「バックアップと復元 (Windows 7)」だからです。手元のWindows 11 Homeで開いたところ、ウィンドウのタイトルもアドレスバーも「(Windows 7)」付きでした。古い名前が残っているだけなので、これで合っています。

ただしこれは光学ドライブに書き込む機能です。CD/DVDドライブが付いていないPCでは作れません。「リカバリーディスク」という言葉自体が、この光学ディスク時代の名残です。言葉だけが生き残って、中身がUSBに置き換わった。混乱の原因はここにあります。

メーカー製リカバリメディアはWindowsの機能ではない

Dynabook、富士通、NEC、VAIOなどのPCには、メーカー独自の「再セットアップメディア作成ツール」が入っていることがあります。買ったときのまっさらな状態(メーカーのアプリまで含めた状態)に戻せるものです。ただしWindowsの機能ではないため、ツール名も手順も、用意されているかどうかもメーカーごとに違います。「メーカー名 再セットアップメディア 作成」で検索し、メーカーのサポートページの案内に従ってください。

メーカーのツールが見つからない場合でも、この先で説明するWindows標準の回復ドライブは、どのメーカーのPCでも作れます。工場出荷状態までは戻りませんが、Windowsを入れ直して立ち上がる状態に持っていく目的なら十分です。この記事で扱うのは、こちらです。

回復ドライブを作る前に必ず確認したい条件

先に確認したいこと

  • いま使っているアカウントは管理者か(管理者のパスワードが分からないと、この先には進めません)
  • USBメモリは空か(中身は消えます。写真や書類が入っているものは絶対に使わない)

回復ドライブの作成には管理者権限が必要

回復ドライブの作成は、管理者の確認を通らないと始めることすらできません。

作成ツールの本体は RecoveryDrive.exe というプログラムで、どの入り口から起動してもユーザーアカウント制御(UAC)の確認画面が出ます。管理者アカウントなら「はい」で進めますが、標準ユーザーだと管理者のユーザー名とパスワードを求められ、それが分からなければウィザードは1画面も表示されません。同じことが、システム修復ディスク側の sdclt.exe(バックアップと復元 (Windows 7))でも起きます。

やっかいなのは、画面そのものは開けてしまうことです。実機で確かめたところ、コントロールパネルの「回復」の画面は管理者の確認なしで表示されました。開けるので「いけそう」と思ってしまう。ところが中の「回復ドライブの作成」「システムの復元を開く」「システムの復元の構成」には盾のアイコンが付いていて、押した瞬間にUACが出ます。盾は「ここから先は管理者の確認が要る」という印です。

コントロールパネルの回復画面。回復ドライブの作成に盾アイコンが付いている
当サイトの実機です。「回復ドライブの作成」には盾のマークが付いています。これは管理者の権限が必要という印です。
操作 プログラム 実際に起きること
回復ドライブの作成 RecoveryDrive.exe 必ずUACが出る。
管理者なら「はい」で進む。
標準ユーザーなら管理者のパスワードが要る
システム修復ディスクの作成
(バックアップと復元 (Windows 7))
sdclt.exe 同じく管理者の確認が必要
コントロールパネル > 回復 コントロールパネル 画面は開く。
ただし項目に盾アイコンが付き、
クリックするとUACが出る
設定 > システム > 回復 設定アプリ 画面は開く。
「この PC をリセット」などが見られるが、
実行しようとするとUACが出る

USBメモリの中身は作成の途中で全部消える

回復ドライブを作ると、そのUSBメモリに入っていたデータは全部消えます。公式にも『このプロセスではドライブに既に保存されているデータが消去されるため、空の USB ドライブを使用します。』と警告があります。あとから戻せません。回復ドライブ用のUSBメモリは、これ専用に1本用意して、作ったら他の用途に使わない。これが一番安全です。

必要なUSBメモリの容量は公式の8GBを鵜呑みにしない

ここは他の記事と食い違うので、出どころから正確に書きます。公式ページ(Windowsの回復オプション)のよくある質問に『回復メディアを作成するには、少なくとも 8 GB の空き領域を備えた USB ドライブが必要です。』という一文があります。公式が示す最低ラインは8GBです。

それでもネット上の記事の多くが「16GB以上」「32GB推奨」と書くのは、先ほど引用した中身の説明に理由があります。回復ドライブに入るのは、Windowsのファイル、そのときまでに当たっていた更新プログラム、メーカーが加えたカスタマイズです。だから必要な容量はPCによって変わります。容量が足りなければ、そのUSBはウィザードの一覧に出てきません。8GBちょうどを買うのが一番危ないということです。16GB以上、迷うなら32GBを選び、規格はUSB 3.0以上にしてください。

Windows 11で回復ドライブを作成する手順

回復ドライブを作る手順のステップ図
作業は4ステップです。USBの中身はすべて消えるので、空のものを用意します(当サイトによる図解)。
  1. USBメモリはまだ差さずに、スタートボタンの横の検索ボックスに「回復ドライブ」と入力し、「回復ドライブの作成」を選びます(コントロールパネルの「回復」からも同じものが開きます)。
  2. ユーザーアカウント制御の確認が出ます。管理者アカウントなら「はい」を選びます。標準ユーザーなら管理者のユーザー名とパスワードを入力します。ここを通れなければ先には進めません。
  3. 公式の手順は、ここから先をこう案内しています。『ツールが開いたら、[ システム ファイルを回復ドライブにバックアップする ] が選択されていることを確認してから、[ 次へ ] を選択します』。チェックは外さないでください(理由は次の見出しで説明します)。
  4. 公式は続けて『USB ドライブを PC に接続して選択し、[ 次へ ] を選択します』としています。容量が足りないUSBは一覧に出てきません。
  5. 最後に『[作成] を選択します』。ここでUSBの中身が消えるので、選んでいるドライブが本当にその1本か、押す前に確かめてください。
  6. 公式は『多くのファイルをリカバリ メディアにコピーする必要があるため、これには時間がかかる場合があります』としています。終わったという表示が出るまで、USBは絶対に抜かないでください。

なお、この先のウィザードの画面については、当サイトでは実機のスクリーンショットを載せていません。回復ドライブの作成ツールは管理者の確認を通らないと1画面も表示されない仕組みで、その画面を安全に撮影できなかったためです。見ていない画面を「こう出ます」と書くことはしません。上の手順は、すべてMicrosoftの公式ページに書かれている流れをそのままなぞったものです。

Microsoft公式の回復ドライブを作成するページ
出典=Microsoftサポート「回復ドライブ」。作成ウィザードは管理者権限が必要なため、当サイトでは撮影せず公式の手順を参照しています。画像をクリックすると公式ページが開きます。

システムファイルのチェックは外さない

ここが、この作業で一番大事な分岐です。まず正直なところを書きます。チェックを外すと具体的に何ができなくなるのか、Microsoftの公式ページには明確な記述が見当たりませんでした。ですから「外すと再インストールできなくなる」と断定はしません。公式が言っていないことを、公式が言っているかのように書くのは、この記事がやってはいけないことだと考えています。

そのうえで、当サイトの推奨は「外さない」です。理由は2つ。公式が回復ドライブの中身を『リカバリ メディアには、組み込みの Windows ファイル、メディア作成時にインストールされた更新プログラム、PC 製造元からのカスタマイズが含まれており』と説明していること。そして公式が回復ドライブの使い道として、そこから起動して[ドライブから回復する]を選びWindowsを入れ直す流れを案内していること。Windowsを入れ直すのが回復ドライブの本来の役目であり、その材料はシステムファイルの側にあります。容量を節約したくなっても、ここは触らないのが無難です。

回復ドライブの作成にかかる時間と、失敗しやすい原因

時間の目安を示している公式情報は見当たりません。公式も『多くのファイルをリカバリ メディアにコピーする必要があるため、これには時間がかかる場合があります』とだけ書いています。当サイトも根拠のない数字は出しません。数十分で終わることもあれば、数時間かかることもあると考え、時間に余裕がある日に、電源に繋いだまま実行してください。「遅いから失敗した」と思ってUSBを抜いてしまうのが、いちばん多い失敗です。

起きること 本当の原因 どうするか
UACで止まって
ウィザードが開かない
標準ユーザーで実行している 管理者アカウントでサインインし直すか、
管理者のパスワードを用意する
USBメモリが一覧に出てこない 容量不足。
またはUSBハブ経由で認識が不安定
16GB以上(迷うなら32GB)に替える。
PC本体のポートに直接差す
途中でエラーになって止まる 作成中にスリープに入った。
USBが古い、または劣化している
電源に繋ぎ、スリープしない設定にしてから
始める
作成できたはずなのに
起動に使えない
作成が終わる前にUSBを抜いた 終わったという表示が出るまで抜かない。
抜いてしまったら作り直す
そもそも項目が見当たらない 探しているのがCD/DVD向けの
「システム修復ディスク」のほう
USBに作るなら「回復ドライブ」。
名前で切り分ける

USBメモリが無い、回復ドライブが作れないときの代わりの手

USBメモリが無くても、打てる手はまだあります。ただし、その手はどれも「押したら戻せない」ものを含みます。順番を間違えないように整理します。

USBが無いときや回復ドライブが作れないときの判断フロー図
USBが用意できないときは、「この PC をリセット」で足りることが多いです(当サイトによる図解)。

先に、多くの記事が混同している点を正しておきます。Windows 11の「PCのリセット」は、USBメモリが無くても実行できます。その材料はいまPCに入っているWindowsのファイル、またはインターネットからダウンロードしたWindowsです。公式もローカル再インストールについて『このオプションでは、PC に既にインストールされているファイルを使用して Windows を再インストールします。』と説明しています。

よく「回復パーティションがあるからリセットできる」と説明されますが、これは正確ではありません。回復パーティションに入っているのはWindows RE(修復環境)、つまり修復メニューを呼び出すための仕組みであって、Windows本体の再インストール用データそのものではありません(メーカーPCには、これとは別に工場出荷イメージを持つ独自の領域があることもあります)。回復パーティションが効くのは「Windowsが起動しなくなって、修復メニューを呼び出したいとき」です。

リセットの前に「システムの復元」が使えないか見る

いきなりリセット(アプリが全部消える)に飛びつく前に、確認したい選択肢があります。公式の回復オプションのページは、「PCが正常に動作しない」うえに「最近アプリをインストールした」という状況の答えとしてシステムの復元を案内しています。アプリや設定を過去の時点に巻き戻すもので、リセットより被害がずっと小さい方法です。

コントロールパネルの「回復」にある「システムの復元を開く」(盾アイコン付き)を開いて、戻れる日付の候補が並んでいれば、その時点に巻き戻せます。候補が何も出てこなければ、この手は使えません。その場合は同じ画面の「システムの復元の構成」から、これから先の備えとして有効にしておくと将来の選択肢が増えます。なお設定 > システム > 回復 の側にも「復元」という項目がありますが、当サイトのWindows 11 Homeでは「このオプションはこの PC では利用できなくなりました」と表示され、選べない状態でした。ここは環境によって変わるので、ご自身の画面で確かめてください。

デバイスの暗号化がオンなら先にBitLocker回復キーを用意する

ここが、この記事で一番お伝えしたいところです。デバイスの暗号化がオンのPCでは、リセットや回復の途中でBitLocker回復キーの入力を求められることがあります。鍵を持っていないと、そこで完全に手が止まります。

公式の「PC を初期状態に戻す」には、「PC をリセットする前に」としてたった2つのことが書かれています。1つが『開始する前に重要なファイルをバックアップします。』、もう1つが『デバイスが暗号化されている場合は、 BitLocker 回復キー があることを確認します。』です。回復環境からリセットする場合についても、公式は『デバイスを暗号化した場合、このタスクを完了するには BitLocker キーが必要です。』と明記しています。

「うちは普通のWindows 11 Homeだから、BitLockerなんて使っていない」と思う方が多いところです。ところが当サイトの撮影用PC(Windows 11 Home)で 設定 > プライバシーとセキュリティ > デバイスの暗号化 を開いたところ、「デバイスの暗号化」はオンになっていました。同じ画面には「BitLocker 回復キーの検索」というリンクも並んでいます。特別な設定は何もしていません。

Windows 11 Homeでデバイスの暗号化がオンになっている実機画面
当サイトの実機(Windows 11 Home)です。デバイスの暗号化がオンになっています。この状態でPCをリセットするとBitLocker回復キーを求められることがあるので、先に控えておきます。

つまり「自分は関係ない」と思い込んでいる人ほど危ないということです。回復ドライブを作って安心した数か月後、いざPCが起動しなくなってUSBから立ち上げたら、見たこともない長い数字の列を求められて詰む。これが最悪のパターンです。回復キーは多くの場合、Microsoftアカウントに保存されています。

回復キーは壊れたPC以外からでも確認できる

ここが、この記事でいちばん役に立つところかもしれません。回復キーを本当に必要とするのは「PCが起動しなくなった後」です。目の前のPCは動かないのに、そのPCで鍵を調べろと言われても無理な話です。ところが公式の「BitLocker 回復キーの検索」は、探し方の1つとしてこう案内しています。『別のデバイスから Web ブラウザーを開き、』『Microsoft アカウントでサインインし、キー ID を見つけます。』。回復キーは、スマホや別のパソコンからでも確認できます。アドレスは aka.ms/myrecoverykey です。ここを開いて、そのPCを登録しているMicrosoftアカウントでサインインすれば、鍵が表示されます。

とはいえ、いざというときにスマホで慌てて操作するのは大変です。PCが元気なうちに、いちど別のデバイスで開いて、鍵を紙に書き写しておく。これが一番確実です。なお、設定 > プライバシーとセキュリティ に「デバイスの暗号化」という項目そのものが見当たらないPCもあります。その場合は暗号化されていないので、この心配は要りません。

リセットの前に必ず確認する2つ

  • 大事なファイルを外付けHDDやOneDriveに先にコピーしたか
  • BitLocker 回復キーを控えたか(Windows 11 Homeでも「デバイスの暗号化」がオンのPCがあります。鍵が無いと途中で先に進めなくなります)

設定からPCのリセットを実行する手順

設定 > システム > 回復 は、管理者の確認なしで開けます。当サイトのWindows 11 Homeで並んでいたのは、「PC をリセットせずに問題を解決」「Windows Update で問題を解決する」「この PC をリセット」「復元」「PC の起動をカスタマイズする」「クイック マシン リカバリー」でした。

設定のシステムの回復画面。このPCをリセットとPCの起動をカスタマイズする
当サイトの実機です。USBが無くても設定→システム→回復→この PC をリセットから初期状態に戻せます。
  1. 設定を開き、[システム] > [回復] を選びます。
  2. 「この PC をリセット」から [PC をリセットする] を選びます。ここでユーザーアカウント制御の確認が出ます。管理者の確認を通れなければ、先には進めません。
  3. 「個人用ファイルを保持する」か「すべて削除する」かを選びます。どちらを選んでも、インストール済みのアプリはすべて消えます。この一点だけは、選ぶ前に頭に入れておいてください。
  4. Windowsをどこから持ってくるか(クラウドダウンロード または ローカル再インストール)を選びます。
  5. 画面の指示に従って進めます。電源に繋いだまま、完了まで待ちます。
選択肢 公式の説明 こういう人向け
ファイルを保持する 『[更新] とも呼ばれるこの
オプションは、個人用ファイルを
そのまま保持したまま Windows を
再インストールします。』
『アプリと設定は削除されますが、
ドキュメント、写真、その他の
個人データは保持されます。』
不調を直したい。
データは残したい
(アプリは消えます)
すべて削除する 『Windows を再インストールし、
個人用ファイル、アプリ、設定を
すべて削除します。』
PCを売る、譲る、
まっさらにしたい
クラウドダウンロード 『このオプションは、クラウドから
Windows の新しいコピーを
ダウンロードし、すべての更新
プログラムで最新バージョンを
取得できるようにします。』
回線が速い。
PC内のファイルが壊れている
可能性がある
ローカル再インストール 『このオプションでは、PC に既に
インストールされているファイルを
使用して Windows を
再インストールします。』
回線が遅い、または
ネットに繋がらない

リセット中に画面が真っ黒になっても電源ボタンを押さない

公式が名指しで警告していて、しかもほとんどの記事が書いていないところです。リセット中に画面が真っ黒になっても、絶対に電源ボタンを押さないでください。公式にはこうあります。『リセット プロセス中に、画面が長時間 (場合によっては 15 分以上) 黒になる可能性があり、デバイスが再起動を試みる可能性があります。 このプロセス中にデバイスを手動で再起動しようとすると、リセットが失敗する可能性があります。』

15分の沈黙は、待っている側からすると「フリーズした」としか思えない長さです。ここで電源を長押ししてWindowsが起動しなくなるのは、企業のPC運用でも典型的なトラブルです。公式は回復にかかる時間を『通常、方法に応じて30分〜2時間。』としています。半日つぶすつもりで、電源に繋いで放っておくのが正解です。

PCを人に譲るときの注意も1つ。「すべて削除する」で消したデータについて、公式は『データ消去機能はコンシューマーを対象としており、政府および業界のデータ消去基準を満たしていません。』と明記しています。普通の譲渡なら十分ですが、機密性の高いデータを扱っていたPCなら、ストレージの物理的な処分まで考えたほうがいいということです。

作った回復ドライブから起動する方法

回復ドライブは作って終わりではなく、いざというときにそこから起動できて初めて意味があります。ただ、ここは正直に書きます。起動の手順はPCメーカーごとに違います。公式も『USB ドライブから起動する処理は製造元によって異なる場合があるため、必要に応じてデバイスのマニュアルを参照してください』と書いていて、統一された手順を示していません。これが唯一の正直な答えです。

では、どこを見ればいいのか。お使いのPCのマニュアル、またはメーカーのサポートページで「起動デバイスの変更」「ブートメニュー」「Boot Menu」という項目を探してください。そこに、そのPCで電源投入直後に押すべきキーが書かれています。「メーカー名 ブートメニュー」で検索しても出てきます。当サイトが特定のキーを名指ししないのは、機種によって違うからです。

公式の流れとしては、回復ドライブから起動して修復環境(Windows RE)が読み込まれたら[ドライブから回復する]を選び、[ファイルの削除のみ行う]か[ドライブを完全にクリーンアップする]を選んで[回復]に進む、という順序になります。

作ったUSBが本当に起動するかを確かめる

ここからは公式の案内ではなく、当サイトのおすすめです。引き出しにしまってあるUSBは「あるつもり」になっているだけかもしれません。作った日のうちに、一度だけ確かめておくことをおすすめします。

確かめるのは1点だけです。回復ドライブのUSBを差した状態で電源を入れ、上で調べたキーでブートメニューを呼び出し、その一覧にUSBが表示されるかどうか。表示されれば、いざというときに使える見込みが立ちます。一覧に出てくることを目で確認したら、そのまま電源を切って構いません。回復メニューの先に進んで[ドライブから回復する]を選ぶ必要はありません。押せばPCの中身が消えてしまいます。

ここでも鍵の話が効いてきます。暗号化が有効なPCでは、回復ドライブから起動したあとにBitLocker回復キーの入力を求められることがあります。USBを用意しても、鍵が無ければその先には進めません。回復ドライブを作る日と、回復キーを控える日は、必ずセットにしてください。

なお、設定 > システム > 回復 には「PC の起動をカスタマイズする」という項目もあります。ただしこれを押すとPCが再起動してしまうため、当サイトではその先の画面を検証していません。検証していない画面の手順は書きません。

回復ドライブについて多い誤解と、やっておきたいこと

回復ドライブはバックアップではない

回復ドライブには、あなたの写真も書類も1つも入りません。公式にも『リカバリ メディアには個人用ファイルが含まれていないことに注意してください。』とはっきり書かれています。「回復ドライブを作ったから、もうバックアップは大丈夫」と思い込んでいる方が本当に多いです。回復ドライブが守るのは「Windowsが動く状態」であって、「あなたのデータ」ではありません。データはOneDriveや外付けHDDに、別途コピーしておく必要があります。

回復ドライブは毎年作り直す

公式は『最新の Windows 更新プログラムと機能強化を含めるために、リカバリ メディアを毎年作成し直すことをお勧めします。』と、年1回の作り直しを勧めています。

そして2024年以降、ここにもう一段ややこしい事情が加わりました。公式の回復ドライブのページには『2024 年 4 月 9 日のセキュリティ更新プログラムと失効ポリシーが適用されたマシンで作成されて使用されている回復ドライブが影響を受ける可能性があります。』という注記があります。セキュアブートの証明書の失効(KB5025885)に関わる話です。

「古いものだけが危ない、作り直せば必ず安心」という単純な話ではありません。Microsoftは KB5025885 の中で『軽減策が適用されたデバイスで動作するように、回復メディアまたはインストール メディアを更新する必要があります。』と説明しています。公式が言っているのはここまでで、「どう作れば絶対に大丈夫か」を保証してはいません。

公式が言っているのはここまでです。ですので、ここから先は当サイトのおすすめとして書きます。公式が保証していない部分は、自分の手で埋めておきましょう、という話です。年に1回作り直す。そして作ったら、そのUSBから実際に起動できるかを一度だけ確かめておく。確かめ方は、ひとつ前の「作ったUSBが本当に起動するかを確かめる」で説明したとおりです。作って、確かめるところまでを1セットにしてください。

よくある質問

リカバリーディスクは絶対に作らないといけないものですか

必須ではありません。Windowsが起動する状態なら、USBが無くても設定から「PCのリセット」で入れ直せます。Windowsが起動しなくなった場合でも、多くのPCではまず内蔵の修復環境(Windows RE)が立ち上がり、そこからスタートアップ修復・システムの復元・この PC をリセットを試せます。回復ドライブが本当に効いてくるのは、その内蔵の修復環境が起動しない、あるいは試しても直らないときや、ストレージそのものを交換して中身が空になったときです。めったに来ない場面ですが、来たときには他に手がありません。だから「保険」なのです。

USBメモリは何GBを買えばいいですか

16GB以上、迷うなら32GBです。理由は本文の「必要なUSBメモリの容量は公式の8GBを鵜呑みにしない」をご覧ください。

回復ドライブを作ったUSBメモリは、普通のUSBとして使えますか

使わないでください。フォーマットし直せば使えますが、そうすると回復ドライブとしては機能しなくなります。専用の1本として、封筒にでも入れてしまっておくのが安全です。

他のパソコンで作った回復ドライブを使えますか

使えないと考えてください。公式は回復ドライブを『このメディアは、作成されたデバイス上のベアメタル回復に使用でき、スムーズで効率的な復元処理を保証します。』と説明しています。メーカーやWindowsの版が違えば、なおさら期待どおりには動きません。同じPCをWindows 10からWindows 11にアップグレードした場合も、古いUSBの中身は作成した時点のままです。いまのPCのいまの状態で作り直してください。

管理者アカウントのパスワードが分からない場合はどうすればいいですか

回復ドライブの作成はできません。そして「PCのリセット」も、実行しようとすると管理者の確認(UAC)が出るため、同じく進められません。回復まわりの操作は、ほぼすべて管理者権限が前提です。「リセットなら別の入り口から行ける」というのは誤りです。まずはそのPCの管理者アカウント(家族が設定している場合はその方のアカウント)でサインインできる状態を作るのが先決です。

PCが起動しなくなりました。回復キーはもう確認できませんか

確認できます。回復キーはMicrosoftアカウント側に保存されているので、スマホや別のパソコンで aka.ms/myrecoverykey を開き、そのPCを登録しているMicrosoftアカウントでサインインすれば表示されます。壊れたPCの前で固まる必要はありません。

まとめ

「リカバリーディスク」でつまずいたら、まず切り分けてください。USBに作るWindows標準の回復ドライブ、CD/DVDに焼くシステム修復ディスク、メーカー独自のリカバリメディア。いま作るべきものは、ほとんどの場合いちばん上の回復ドライブです。

始める前に、管理者の確認を通せること、空の16GB以上(迷うなら32GB)のUSBメモリがあること、そしてデバイスの暗号化がオンならBitLocker回復キーを控えてあることを確認する。作成中はシステムファイルのチェックを外さない。終わったという表示が出るまでUSBを抜かない。作ったら、ブートメニューにそのUSBが出てくるかを一度だけ確かめておく。回復ドライブはバックアップではないので、大事なデータは別に保存しておく。USBが用意できないなら、無理に作らなくて構いません。ただし設定画面に並ぶボタンの多くは「押したら戻せない」ものです。焦って押す前に、一度手を止めるのが正解です。

ここまで読んでも、「自分のPCはどれに当てはまるんだろう」「盾のアイコンが出たけれど、このまま進めていいのか」「暗号化がオンだったけれど回復キーが見つからない」と手が止まってしまうことはあると思います。回復まわりの操作は、一度押すと戻せないものが混ざっているので、慎重になるのは正しい反応です。「なんかよくわからないなぁ…。」と感じたら、そこで止めてから声をかけてください。

出典・引用サイト

最終確認日 2026年7月13日
執筆 uri uri(元情報システム部門 実務経験10年以上)

この記事を書いた人
この記事を書いた人

企業の情報システム部門で10年以上、PC・アカウント・社内ネットワーク・Microsoft 365/Google Workspace運用を担当。年間数百件の問い合わせ対応(PC不調、メール送受信、Excel/Word資料、Teams会議、スマホ連携など)を通じて、初心者がつまずくポイントを「再現→原因切り分け→最短解決」の手順に落とし込んできました

現場や身近で実際に起きたトラブルをベースに、手順だけでなく「なぜそうなるか」「失敗しやすい落とし穴」「安全な設定(セキュリティ)」まで含めて解説します。

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