「大事な写真をプリントしたいのに、JPEG画像だけ印刷できない」。Windowsのサポートをしていると、これはよくいただくご質問です。文書は印刷できるのに写真だけ出ない、あるいはフォトアプリで印刷ボタンを押しても何も起きない…。ここで多くの人がプリンターの故障を疑って買い替えを考えてしまうのですが、JPEGが印刷できない原因の多くは、写真アプリ側の不具合か、印刷の順番待ち(キュー詰まり)で、数分で直ることがほとんどです。この記事では、原因を最短で見つけるための切り分けから、Microsoft公式の手順にそった直し方までを、初心者の方にもわかるように順番に説明します。遠回りせず、軽い確認から順に試せるように並べました。
まず「どこがおかしいのか」を切り分ける
いきなりドライバーの再インストールに手を出す前に、原因のあたりをつけるのが結局いちばん早道です。JPEGが印刷できないとき、犯人はだいたい次の4つのどれかに絞れます。下の質問に上から答えていくと、自分がどのケースかがわかります。
- ほかの写真(別のJPEG)は印刷できる? できないのが1枚だけなら画像ファイル側の問題
- ペイントやブラウザなど別のアプリからは印刷できる? フォトアプリだけならアプリ側の問題
- 「Microsoft Print to PDF」には出力できる? できるならプリンター本体かドライバー側の問題
- そもそも印刷ボタンを押しても無反応? 印刷キューが詰まっている可能性
「このJPEGだけか・このアプリだけか・このプリンターだけか」のどれに当てはまるかを先に見分けるのが、直すまでの最短ルートです。この後の章は、この4つの切り分けに対応した順番で並べてあります。

フォトアプリだけで印刷できないときは修復・リセットする
別のアプリからは印刷できるのに、Windows標準の「フォト」アプリだけで印刷できない場合、アプリの設定が壊れているのが原因です。この場合はアプリを入れ直さなくても、Windowsに用意された修復とリセットで直せることが多いです。Microsoftも公式に、アプリが正常に動かないときはこの操作を案内しています。
- 「設定」を開き、「アプリ」→「インストールされているアプリ」と進みます。
- 一覧から「フォト」を探し、右側の「…」(その他)から「詳細オプション」を開きます。
- 下のほうにある「修復」をクリックします。データは消えません。
- それでも直らなければ、その下の「リセット」をクリックします(アプリの設定が初期状態に戻ります)。
まず「修復」を試し、直らないときだけ「リセット」に進むのが安全な順番です。リセットしても写真そのものが消えることはありません。

別のアプリやペイントで開いて印刷して確認する
フォトアプリを直しても出ない、あるいは原因がアプリ側かどうかをはっきりさせたいときは、別のアプリで同じ写真を印刷してみます。Microsoft公式でも、印刷トラブルの切り分けとしてメモ帳やペイントなど別のアプリから印刷してみる方法が案内されています。
- スタートメニューから「ペイント」を開きます。
- 「ファイル」→「開く」で、印刷したいJPEG画像を選びます。
- 「ファイル」→「印刷」で印刷を試します。
ペイントやブラウザ(EdgeなどでJPEGを開いて印刷)で問題なく出るなら、原因は最初のアプリ側にあると判断できます。逆にどのアプリで開いても印刷できないなら、原因はアプリではなくプリンターやドライバー、印刷の仕組み側にあると絞り込めます。

Microsoft Print to PDFに出力できるか試す
物理プリンターが手元になくても、Windowsに最初から入っている「Microsoft Print to PDF」を使うと、印刷経路のどこで止まっているのかを切り分けられます。これはパソコン内でPDFファイルとして「印刷」する機能で、実際の紙は使いません。
- JPEGを開き、印刷画面を出します(フォトなら印刷アイコン、ペイントなら「ファイル」→「印刷」)。
- プリンターの選択欄で「Microsoft Print to PDF」を選びます。
- 「印刷」を押し、保存先とファイル名を決めてPDFとして保存します。
PDFへは正常に出力できるのに紙のプリンターだけ出ないなら、原因はアプリや画像ではなく、プリンター側にある可能性が高いと絞り込めます。この切り分けができたら、次はいきなりドライバーを入れ直すのではなく、まず接続・電源・インク・用紙といった身近なところから確認するのが近道です。

プリンター側の身近な原因を先に確認する
PDFには出せるのに紙が出ないとき、原因はドライバーより先に、もっと身近なところにあることがよくあります。ドライバーの入れ直しは手間がかかるので、その前に次を確認します。
- プリンターの電源が入っていて、エラーランプが点いていないか見ます。
- USBケーブルやWi-Fiがつながっているか、接続を確認します。
- 設定>Bluetoothとデバイス>プリンターとスキャナーで、プリンターが「オフライン」になっていないか確認します。オフラインなら電源と接続を入れ直します。
- インクやトナー、用紙が切れていないか確認します。
「PDFには出せるのに紙が出ない」ときも、その多くは接続・電源・オフライン・インク切れなど身近な原因で、ドライバーの入れ直しが必要なことはむしろ少数です。ここまでで直らないときだけ、次のドライバーの入れ直しに進みます。
特定のJPEG1枚だけ印刷できないとき
ほかの写真は印刷できるのに、ある1枚だけ出ない場合は、その画像ファイル自体に問題があることがほとんどです。同じ画像を別のアプリで開こうとしても表示できない、あるいは表示が崩れるなら、ダウンロードやコピーの途中でファイルが壊れた可能性が高いです。この場合はプリンターをいくらいじっても直りません。
- 画像を別のアプリで開けるか確認する。開けないならファイルが破損している
- 元データ(カメラ・スマホ・送信元)からもう一度取り込み直す
- ペイントで開いて「名前を付けて保存」から作り直すと印刷できることがある
スマホから送った写真が印刷できないときは、送る途中で画質が落ちたり壊れたりしていることもあります。1枚だけ印刷できないなら、プリンターやWindowsより先に、まずその画像ファイルを疑います。ただし、別のアプリでは普通に開けるのに印刷だけできない場合は、破損ではなく用紙設定やアプリ側が原因のこともあります。また写真の解像度が極端に大きいと、印刷時にメモリが足りず失敗することもあるため、その場合はペイントなどでサイズを小さくしてから印刷すると出ることがあります。
印刷キューが詰まっているときは印刷スプーラーをリセットする
印刷ボタンを押しても無反応、印刷待ちの一覧に古いジョブが残って動かない…これは「印刷スプーラー」という、印刷の順番を管理する仕組みが詰まっている状態です。設定画面からジョブを削除しても消えないときは、スプーラーそのものをリセットします。Microsoft公式も、この手順を印刷トラブルの対処として案内しています。
まずは軽い方法として、印刷スプーラーサービスの再起動を試します。
- キーボードのWindowsキーを押しながらRを押し、出てきた欄に
services.mscと入力してEnterを押します。 - 一覧から「Print Spooler(印刷スプーラー)」を探します。
- 右クリックして「再起動」を選びます。サービスの停止・開始・再起動には管理者権限が必要で、確認画面が出たら「はい」で許可します。
それでも詰まったジョブが消えないときは、スプーラーをいったん止めてから溜まったファイルを削除し、もう一度動かします。削除するファイルが入っているのは次のフォルダです。
%WINDIR%\System32\spool\PRINTERS
手順は「①スプーラーを停止 → ②このフォルダの中のファイルをすべて削除 → ③スプーラーを開始」の3ステップです。初心者の方には、削除をエクスプローラーで行う下の方法をおすすめします。
- 先ほどのservices.mscで「Print Spooler(印刷スプーラー)」を右クリックし「停止」を選びます。
- エクスプローラーのアドレス欄に
%WINDIR%\System32\spool\PRINTERSと入力してEnterで開き、中のファイルをすべて削除します(管理者の確認が出たら許可します)。 - services.mscに戻り、同じ「Print Spooler」を右クリックして「開始」を選びます。
コマンドに慣れている方は、「管理者として実行」したコマンドプロンプトで、停止と開始を次のコマンドで行えます(あいだのファイル削除は上記②を実施してから開始します)。
net stop spooler
(ここで %WINDIR%\System32\spool\PRINTERS の中のファイルを削除する)
net start spooler
この削除を行うと、詰まったジョブだけでなく現在の印刷待ちがすべて取り消されます。必要な印刷は、スプーラーを開始し直してからやり直してください。共有プリンターで他の人のジョブが混ざっている環境では特に注意します。「キューを削除しても消えない」ときは、スプーラーの再起動、それでも消えなければ停止→ファイル削除→開始、の順で詰まりが取れます。操作に自信がないときは、無理をせず後述の公式トラブルシューティングツールに任せるのが安全です。

プリンタードライバーを入れ直す
PDFには出せるのに紙のプリンターだけ出ない、と切り分けられたときは、プリンターのドライバー(Windowsとプリンターをつなぐソフト)が古いか壊れている可能性が高いです。Microsoftもほとんどのプリンターは最新のドライバーがないと正常に動作しないと明記しています。まずはWindows Updateで更新を確認し、それでも直らなければメーカー公式サイトから入れ直します。
- 「設定」→「Windows Update」→「詳細オプション」→「オプションの更新プログラム」でドライバー更新がないか確認します。
- 更新がない・直らない場合は、使っているプリンターの型番でメーカー公式サイトから最新ドライバーを入手します。
- 古いドライバーを一度削除してから新しいものを入れると、破損した設定がリセットされます。
ドライバーはCanon・EPSON・ブラザーなど各メーカーの公式配布ページから型番で探すのが確実です。「ドライバー ○○(型番)」で検索して、必ずメーカー公式サイトからダウンロードしてください。非公式サイトのドライバーは不具合やセキュリティの危険があるため避けます。
用紙サイズや用紙の種類が合っているか確認する
意外な盲点が印刷設定です。印刷ダイアログで指定した用紙サイズ・用紙の種類・フチなしの設定が、実際にセットした用紙やプリンターの対応と食い違っていると、印刷が始まらなかったり白紙で出たりします。見直したいのは次の3点です。用紙サイズが実際にセットした用紙(L判・A4など)と一致しているか、用紙の種類が「写真用紙」など実際の用紙と合っているか、そしてフチなし対応していないプリンターでフチなしを選んでいないか。写真プリントでは特に、L判・はがき・A4といった用紙サイズの選び間違いが起きやすい部分です。印刷ダイアログの設定を、いったん標準的な「A4・普通紙・フチあり」に戻して試すと、設定が原因かどうかを切り分けられます。
症状別の原因と対処 早見表
ここまでの内容を、症状から逆引きできる表にまとめました。まず自分がどの行かを見つけてください。
| 症状・サイン | 疑う原因 | 確認する場所 | 対処 |
|---|---|---|---|
| フォトだけ 印刷できない |
フォトアプリの 不具合 |
設定>アプリ> フォト>詳細オプション |
修復→ リセット |
| どのアプリでも 印刷できない |
プリンター/ ドライバー側 |
接続・電源・ オフライン確認 |
直らなければ ドライバー入れ直し |
| 1枚だけ 出ない |
画像ファイルの 破損 |
別アプリで 開けるか |
取り込み 直す |
| 押しても 無反応・詰まる |
印刷キューの 詰まり |
services.msc Print Spooler |
スプーラー 再起動 |
| 白紙で 出る/始まらない |
用紙設定の 不一致 |
印刷ダイアログの 用紙設定 |
A4普通紙に 戻して試す |
| 原因が わからない |
複合的な 不具合 |
ヘルプの取得 アプリ |
自動トラブル シューティング |
どうしても原因が絞れないときは、Windows標準の自動診断に任せる手もあります。Microsoft公式は、Windows 11では「ヘルプの取得」アプリの自動プリンタートラブルシューティングツールを使うと、診断が自動で実行されほとんどのプリンター問題の解決が試みられると案内しています。
出典
本記事は次のMicrosoft公式サポートページで内容を確認して作成しています。
Microsoft サポート「Windows でのプリンター接続と印刷の問題を修正する」/Microsoft サポート「Word、Excel、またはその他のアプリでの印刷の問題を修正する」/Microsoft サポート「Windows でアプリとプログラムを修復する」

よくある質問
Q1 文書は印刷できるのにJPEG画像だけ印刷できないのはなぜですか
多くは写真を開いているアプリ側の不具合です。まずフォトアプリを修復・リセットし、それでも出ないときはペイントなど別のアプリで印刷して切り分けてください。どのアプリでも出ないなら、プリンターかドライバー側の問題です。
Q2 印刷ボタンを押しても何も反応しません
印刷キューが詰まっている可能性が高いです。services.mscを開いて「Print Spooler(印刷スプーラー)」を再起動し、それでも待ち行列が消えなければスプールファイルを削除してからサービスを開始し直します。
Q3 プリンターがなくても印刷できるか確認する方法はありますか
Windowsに最初から入っている「Microsoft Print to PDF」を選んで印刷すると、紙を使わずPDFとして出力できます。PDFには出せるのに紙のプリンターだけ出ない場合は、原因がプリンター本体かドライバーにあると切り分けられます。
最終確認日 2026年7月6日 / 文責 uri uri


コメント