Windows 11で「高パフォーマンス」にしようとコントロールパネルを開いたのに、電源プランの一覧が見当たらない…。最近そういう声をよく聞きます。実はこれ、故障でも設定ミスでもありません。Windows 11 24H2あたりから、Modern Standby(最新スタンバイ)対応のノートパソコンでは従来の「電源プラン」が画面に出なくなり、代わりに「電源モード」という別の場所で切り替える形に変わったためです。
ですので、やみくもにコントロールパネルを探す前に、まず自分のパソコンが「電源モード」型なのか「電源プラン」型なのかを見分けるのが近道です。このページではその見分け方から始めて、それぞれの設定手順、さらに「究極のパフォーマンス」の追加方法と、「設定を上げたのに思ったほど速くならない」ときに本当に見るべきポイントまでまとめました。
お使いのWindows 11が電源モード型か電源プラン型かを最初に見分ける
Windows 11では、パソコンの設計(ハードウェア構成)によって、パフォーマンスを切り替える場所が2通りに分かれます。ここを先に確かめておかないと、「画面に項目が出てこない」とつまずく原因になります。タイプは次の2つです。
- 電源モード型…Modern Standby対応のノートパソコンに多いタイプ。コントロールパネルに電源プランが出てこないことがあり、設定アプリの「電源モード」で切り替えます。
- 電源プラン型…従来型のデスクトップや一部のノートパソコン。コントロールパネルに「バランス」「高パフォーマンス」などのプランが並びます(電源モードと両方ある機種もあります)。
一番確実なのは、実際の画面を見て判断する方法です。設定 > システム > 電源とバッテリーを開いて「電源モード」という項目があるか、またはコントロールパネル > ハードウェアとサウンド > 電源オプションにプランが複数並んでいるかを確かめてください。下の表を目安にすると分かりやすいです。
| 確認した状態 | あなたのPCのタイプ | 設定する場所 |
|---|---|---|
| 「電源モード」項目がある/電源プランの一覧が出ない | 電源モード型(Modern Standby機) | 設定 > システム > 電源とバッテリー |
| 電源オプションにプランが複数並ぶ | 電源プラン型(従来型) | コントロールパネル > 電源オプション |
| 両方ある | 併存型 | どちらでも設定可(ふだんは電源モードでOK) |
念のための補助確認として、コマンドで調べる手もあります。タスクバーの検索ボックスに「cmd」と入力してコマンドプロンプトを開き(管理者権限はいりません)、次のコマンドを実行します。
powercfg /a
これは、そのパソコンで使えるスリープの種類を表示するコマンドです。結果に「スタンバイ (S0 低電力アイドル)」とあればModern Standby機=電源モード型のことが多く、「スタンバイ (S3)」だけなら従来型で電源プランが使えることが多い、という見当がつきます。ただしデスクトップでもS0と出る機種があるなど例外もあるので、最終的には上の表のとおり実際の設定画面の見え方で判断してください。
電源モードで「最高のパフォーマンス」に設定する手順(24H2の標準)
電源モード型のパソコン(24H2以降の多くのノート)は、設定アプリから切り替えます。電源モードには「最適な電力効率」「バランス」「最高のパフォーマンス」の3つがあり、性能を優先したいなら「最高のパフォーマンス」を選びます。
- 設定を開く…スタートボタンを右クリックして「設定」を選ぶか、キーボードで「Windowsキー + I」を押します。
- 電源とバッテリーを開く…左側の「システム」を選び、「電源とバッテリー」をクリックします。
- 電源モードを選ぶ…「電源モード」の右側にあるメニューから「最高のパフォーマンス」を選びます。

ノートパソコンの場合、機種によってはバッテリー駆動のときと、電源アダプターをつないでいるときとで、別々に電源モードを設定できます。外に持ち出すときはバッテリーを長持ちさせ、自宅で充電しながら使うときだけ性能を上げる、といった使い分けができて便利です。さっと切り替えたいときは、タスクバー右下のバッテリーのアイコンをクリックして出てくるスライダーを動かす方法もあります(対応している機種のみ)。
電源プランで「高パフォーマンス」に切り替える手順(従来型・デスクトップ向け)
電源プラン型のパソコン(従来型のデスクトップなど)は、コントロールパネルから「高パフォーマンス」プランに切り替えます。
- コントロールパネルを開く…タスクバーの検索ボックスに「コントロールパネル」と入力し、出てきた結果を選びます。
- 電源オプションを開く…「ハードウェアとサウンド」をクリックし、その中の「電源オプション」を選びます。
- 高パフォーマンスを選ぶ…プランの一覧で「高パフォーマンス」を選びます。見当たらないときは「追加プランの表示」をクリックすると出てくることがあります。

それでも一覧に「高パフォーマンス」がない場合は、コマンドで追加できます。コマンドプロンプトを管理者として実行し(検索で「cmd」と入力し、右クリックから「管理者として実行」を選ぶ)、次のコマンドを入力してEnterキーを押します。
powercfg -duplicatescheme 8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c
末尾の「8c5e7fda-e8bf-4a96-9a85-a6e23a8c635c」は、高パフォーマンスプランを指す決まった番号です。実行すると、電源オプションの一覧に「高パフォーマンス」が追加されます。これはもともと用意されているプランの定義を呼び出して表示させるだけで、CPUを無理に速く回す(オーバークロックする)ものではありません。
ひとつ注意したいのは、セクション1で「電源モード型(Modern Standby機)」だと分かったパソコンの場合です。このタイプではコマンドを打っても高パフォーマンスプランが一覧に出てこない、あるいは選んでも効かないことがあります。そのときはコマンドにこだわらず、セクション2の「電源モード」で「最高のパフォーマンス」を選んでください。それがそのパソコンにとっての高パフォーマンス設定です。
「究極のパフォーマンス」を追加する方法と使うときの注意点
高パフォーマンスのさらに上に、「究極のパフォーマンス(Ultimate Performance)」というプランもあります。これは最初は一覧に出ていないので、コマンドで追加します。管理者として開いたコマンドプロンプトに、次を入力してEnterキーを押します。
powercfg -duplicatescheme e9a42b02-d5df-448d-aa00-03f14749eb61
実行すると「電源スキームの GUID: ……(究極のパフォーマンス)」と表示され、電源オプションの一覧に加わります。こちらも電源モード型のパソコンでは追加されないことがあり、その場合は電源モードの「最高のパフォーマンス」が上限と考えてください。
なお、究極のパフォーマンスはもともと、動画編集や3D制作などをこなす高性能なワークステーション向けに用意されたものです。そのぶん消費電力と発熱は大きくなります。バッテリーで動かすノートパソコンだと持ち時間がぐっと減るので、ふだん使いには向きません。元に戻したいときは、電源オプションで「バランス」を選び直せば標準の状態に戻ります。
高パフォーマンスにしても速く感じないのはなぜ?
電源設定が効くのはおもにCPUやファンの動かし方の部分で、遅さの原因がそれ以外にある場合は、設定を上げても体感はあまり変わりません。順に見ていきましょう。
「最高のパフォーマンス」や「高パフォーマンス」にしたのに思ったほど速くならない、ということはよくあります。設定の仕方が間違っているわけではなく、たいていは動作が重い原因がCPUの電源まわり以外にあるからです。よくあるのは次のようなケースです。
- ストレージが遅い…HDDを積んだパソコンの起動や読み込みの遅さは、電源設定では速くなりません。SSDに替えると大きく改善することが多いです。
- メモリが足りない…積んでいるメモリが少ないと、アプリをたくさん開いたときにデータがディスクへ退避され(仮想メモリ)、そこで一気に重くなります。
このほか、長く高い負荷をかけて温度が上がると、サーマルスロットリングという、熱から守るために自動で性能を落とす仕組みが働き、電源設定に関係なく速度が下がります。パソコンを起動するたびに立ち上がる常駐アプリが多い、ウイルス対策ソフトがスキャン中、Windows Updateを当てている最中、といったときも重く感じる定番のパターンです。
逆に、むやみに高パフォーマンス系へ固定しっぱなしにする弊害もあります。ノートパソコンでは発熱が増えてファンが回り続け、バッテリーの減りが速くなり、長い目で見るとバッテリーの劣化(寿命の縮み)にもつながります。速度は変わらないのに電力だけ食う、というのはもったいない状態です。まずは何が足を引っ張っているのかを見極めて、必要な場面でだけ性能を上げるのがおすすめです。
デスクトップとノートパソコンでの使い分け
ちょうどいい設定は、デスクトップとノートで変わってきます。常にコンセントにつながっているデスクトップは、消費電力よりも性能を優先しやすく、高パフォーマンス系のプランをそのまま使い続けても困ることは少ないです。
一方、ノートパソコンはバッテリーと発熱の制約が大きいので、ふだんはバランス(または最適な電力効率)にしておき、重い作業のときだけ最高のパフォーマンスに上げる、という切り替え方が向いています。先に書いたとおり、24H2のノートではバッテリー駆動時と充電中とで別々に設定できる機種があるので、その機能を使うと無理なく両立できます。
Windows 11の高パフォーマンス設定でよくある質問
コントロールパネルに「高パフォーマンス」が表示されないのはなぜ?
故障ではありません。Windows 11 24H2以降のModern Standby対応ノートでは、電源プランの一覧が省かれ、設定 > システム > 電源とバッテリーの「電源モード」で切り替える仕組みになっています。まずはセクション1の見分け方で、お使いのパソコンのタイプを確認してください。
「電源モード」の項目そのものが見当たりません
電源モードはどのパソコンでも使えるわけではなく、ハードウェアやメーカーの仕様によって表示されないことがあります。その場合はコントロールパネルの電源オプション側を見て、プランで設定してください。
電源モードと電源プランはどちらを使えばいいですか?
両方ある併存型なら、ふだんは電源モードで問題ありません。コマンドで細かく電源プランをいじりたい上級者でなければ、画面から選べる電源モードのほうが手軽です。片方しか出ないパソコンは、出ているほうで設定すればOKです。
設定を変えてもゲームや動画が速くならないのはなぜ?
動作が遅い原因が、CPUの電源まわり以外にある可能性が高いです。ストレージ(HDDかSSDか)、メモリの容量、発熱によるサーマルスロットリング、常駐アプリの多さなどを確認してみてください。詳しくはセクション5で解説しています。
「究極のパフォーマンス」は普通のノートで使うべき?
基本的にはおすすめしません。ワークステーション向けに作られたプランで、発熱と消費電力が大きく、ノートパソコンだとバッテリーが急に減ります。戻すときは電源オプションで「バランス」を選び直してください。
自分のパソコンに合った高パフォーマンス設定の選び方
Windows 11で高パフォーマンスにする方法は、パソコンのタイプによって場所が変わります。まずはセクション1の表で「電源モード型」か「電源プラン型」かを見分け、電源モード型なら設定 > システム > 電源とバッテリーで「最高のパフォーマンス」、電源プラン型ならコントロールパネルの電源オプションで「高パフォーマンス」を選ぶ、という流れです。一覧に出ないときはコマンドで追加できます。
そのうえで、設定を上げても体感が変わらないときは、原因がストレージやメモリ、発熱のほうにあることがほとんどです。発熱やバッテリーの劣化といった弊害も頭に置きつつ、必要なときだけ性能を上げる。これが結局、パソコンを長く気持ちよく使うコツだと思います。
最終確認日: 2026年6月
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