昨日まで開けていた共有フォルダーが急に開けない、新しいパソコンから他のパソコンのフォルダーにアクセスできない、NASの中身が見えなくなった。Windows 11の共有フォルダーのトラブルは、原因がいくつもあるため「どこから手を付ければいいのか」で止まってしまいがちです。
このページでは、運営者(元情シスとして社内のファイル共有トラブル対応を長く担当)の切り分け手順をもとに、原因を「ネットワーク接続」「共有の設定」「資格情報」「共有側の権限」「24H2の仕様変更」の5つに分けて、上から順に確認するだけで特定できるように整理しました。家庭や小さなオフィスで、専門知識がなくても進められる順番にしています。
最初に全体像をつかむ 原因は大きく5つ
共有フォルダーにアクセスできない原因は、経験上ほぼ次の5つのどれかに当てはまります。やみくもに設定をいじる前に、まず自分がどのパターンに近いかを見てください。

| 症状・表示の傾向 | 疑う原因 | 読む場所 |
|---|---|---|
| 相手のパソコンがそもそも見つからない 「ネットワーク パスが見つかりません」 (エラー コード 0x80070035 など) |
ネットワーク接続 探索・共有の設定 |
手順1・手順2 |
| ユーザー名とパスワードを聞かれて先に進めない 「アクセスが拒否されました」 |
資格情報 | 手順3 |
| フォルダーは見えるのに開けない アクセス許可がない旨の表示 |
共有側の権限設定 | 手順4 |
| Windows 11 24H2に更新した直後から NASや古い機器につながらない |
24H2の仕様変更 (ゲストアクセス・SMB署名) |
手順5 |
| とても古いNAS・複合機だけつながらない 「安全ではない」旨の表示 |
SMB1という古い方式 | 手順6 |
エラーメッセージの文言は、原因を絞り込む一番のヒントです。表示が出たら閉じる前に、文言を控えておくかスマホで撮影しておくと、この後の切り分けが一気に楽になります。
手順1 同じネットワークにつながっているかを確認する
共有フォルダーは、原則として同じルーター(同じネットワーク)につながっているパソコン同士でしか使えません。基本の確認ですが、実際の相談ではここが原因のケースが少なくありません。
- 両方のパソコンで、画面右下のネットワークアイコンから同じWi-Fi(または同じルーターの有線LAN)につながっているかを確認します。
- Wi-Fiルーターに「ゲスト用」「ゲストポート」などの別のネットワークがある場合、そちらにつながっていると隔離されて相手が見えません。必ず同じ名前のネットワークに揃えます。
- 「設定」→「ネットワークとインターネット」で今の接続を開き、ネットワーク プロファイルが「プライベート ネットワーク」になっているかを確認します。「パブリック」のままだと、共有は基本的にブロックされます。
プロファイルの「プライベート」は、自宅や職場など信頼できるネットワークでだけ選んでください。外出先のフリーWi-Fiでは「パブリック」のままが安全です。
手順2 ネットワーク探索とファイル共有の設定をオンにする
次に、Windows 11側の共有機能そのものが有効かを確認します。ここでオンにする「ネットワーク探索」と「ファイルとプリンターの共有」は、Microsoft公式サポート「File sharing over a network in Windows」で案内されている設定項目です。画面上の場所は、運営者がWindows 11 25H2の実機で確認した次の経路で開けます。

- スタートボタンを右クリックし、「設定」を開きます。
- 「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの詳細設定」と進みます。
- 「共有の詳細設定」をクリックします。
- 「プライベート ネットワーク」の欄で、「ネットワーク探索」と「ファイルとプリンターの共有」を両方オンにします。
ここで大事なのは、この設定を「共有フォルダーを開く側」と「共有している側」の両方のパソコンで確認することです。片方だけオンにして「直らない」と悩んでいる相談がとても多い部分です。
設定を確認したら、エクスプローラーのアドレス欄に \\相手のコンピューター名(例 \\DESKTOP-PC1)と直接入力して開けるかも試してください。一覧に表示されないだけで、直接指定なら開けるケースもあります。
手順3 資格情報(ユーザー名とパスワード)を確認する
共有フォルダーを開こうとしたときに「ネットワーク資格情報の入力」という画面が出て、何を入れてもはじかれる。これも定番のつまずきです。

ここで入力するのは、自分のパソコンではなく「共有している側」のパソコンのサインインに使うユーザー名とパスワードです。ふだんのサインインにPIN(4桁などの暗証番号)を使っている場合でも、この画面ではPINではなくアカウントのパスワードのほうを入力します。
なお、共有している側がMicrosoftアカウントでサインインしている場合は、この入力がうまく通らないことがあります。その場合は、共有する側のパソコンに共有専用のローカルアカウント(ユーザー名とパスワードの組)を用意して、それを入力して接続する方法が確実なやり方として知られています。
以前は開けていたのに急にパスワードを聞かれるようになった場合は、古い資格情報が残って悪さをしていることがあります。コントロールパネル→「ユーザーアカウント」→「資格情報マネージャー」→「Windows資格情報」を開き、相手のパソコン名やNAS名の項目があれば削除してから、あらためて接続し直すと入力画面が出直します。
手順4 共有している側の権限設定を確認する
「フォルダーは見えるのに、開こうとするとアクセス許可がないと言われる」場合は、共有している側の設定が原因です。共有元のパソコンで次を確認します。
- 共有したいフォルダーを右クリックして「プロパティ」を開き、共有に関するタブへ進みます。
- 画面の案内に沿って、使わせたい相手のユーザーが共有相手に含まれているかを確認します。いなければ追加します。
- あわせてアクセス許可のレベルも確認します。開いて見るだけにするか、保存や編集まで許可するかを相手ごとに選べます。
また、手順2と同じ「共有の詳細設定」の「すべてのネットワーク」欄には「パスワード保護共有」という項目があります。オンの場合、共有側にアカウントのあるユーザーしか開けません。Microsoft公式の手順ではこれをオフにする方法も案内されていますが、オフにするとネットワーク内の誰でもアクセスできる状態になるため、家庭内でも基本はオンのまま、手順3の資格情報で入る方法をおすすめします。
手順5 Windows 11 24H2で急につながらなくなった場合
大型更新Windows 11 24H2への更新を境に、それまで開けていたNASや共有フォルダーにつながらなくなった、という相談が寄せられることがあります。Microsoft Learnの文書によると、24H2ではSMB署名(通信の改ざん防止の仕組み)が既定で必須になりました。また同じ文書には、Windows 11の新しいビルド(build 25267以降)では「ゲスト資格情報」を使った共有への接続が既定でブロックされる、と記載されています。パスワードなしのゲスト接続で運用してきた古いNASほど、この変更の影響を受けます。
Microsoftはゲスト接続の再有効化について、公式文書で『We recommend that you don’t enable insecure guest logons.』(安全でないゲスト ログオンを有効にしないことを推奨します)と明記しています。グループポリシーやレジストリで緩和する方法は存在しますが、なりすましサーバーへの接続やマルウェア実行の危険が公式に警告されている上級者向けの操作のため、本記事では手順を扱いません。まずはNAS側でユーザー名とパスワードを設定して「ゲストではない接続」に切り替えるのが、公式推奨に沿った安全な解決策です。
24H2でのゲストアクセスブロックの詳しい背景と対処の選択肢は、別記事 Windows 11 24H2で「共有フォルダにアクセスできない」問題を完全解決する方法 で掘り下げていますので、24H2更新直後に発生した方はそちらへ進んでください。
手順6 とても古いNAS・機器だけつながらない場合
10年近く前のNASや複合機だけがつながらず、「安全ではないため、ファイル共有には接続できません」といった趣旨の表示が出る場合は、機器側がSMB1という古い通信方式しか対応していないことが原因です。Microsoft Learnの文書のとおり、Windows 11にはSMB1が最初から搭載されていません(原文 『Windows 11 doesn’t contain the SMBv1 server or client by default after a clean installation.』)。
SMB1は後からインストールし直すこともできますが、同じ公式文書で『We strongly recommend that you don’t reinstall SMBv1.』(SMBv1を再インストールしないことを強く推奨します)と警告されており、ランサムウェアなどの既知の危険があります。正しい対処は、機器メーカーのファームウェア更新でSMB2以降に対応させるか、対応していなければ機器の買い替えを検討することです。
ここまでで直らないときの追加チェック
- 両方のパソコンとルーターを再起動する。ネットワークの一時的な不調はこれで解消することがあります。
- Windows Updateを最新にする。共有まわりの不具合が更新プログラムで修正されている場合があります。
- セキュリティソフトのファイアウォールを一時的に確認する。市販のセキュリティソフトが共有をブロックしていることがあります(確認後は必ず保護を戻してください)。
- 相手のパソコンがスリープ中だと開けません。共有元の電源とスリープ設定も確認を。
参照した公式情報

本記事の仕様の説明と設定項目は、Microsoft公式サポート「File sharing over a network in Windows」、Microsoft Learn「Enable insecure guest logons in SMB2 and SMB3」、および「SMBv1 Not Installed by Default in Windows Server and Windows」を一次情報として確認しています(いずれも英語ページ。仕様の根拠として参照してください)。設定画面までの経路や画面上の文言は、公式ページの記載ではなく、運営者がWindows 11 25H2の実機で確認したものです。
共有フォルダーのトラブルで迷ったら
共有フォルダーのトラブルは、「開く側」と「共有する側」のどちらに原因があるかの切り分けが最大の難所です。画面に出ているエラーメッセージの文言と、パソコンが2台ともWindows 11かどうか、24H2への更新が最近なかったかを教えていただければ、この記事のどの手順から確認すべきかを運営者が一緒に整理します。設定を変えすぎて戻れなくなる前に、お気軽にどうぞ。
よくある質問
片方がWindows 10でももう片方がWindows 11でも共有できますか
できます。この記事の手順1〜4はWindows 10でもほぼ同じ考え方です(設定画面の場所は多少異なります)。ただしWindows 11 24H2側から古い機器へ接続する場合は、手順5の仕様変更の影響を受けることがあります。
「ネットワーク」の一覧に相手のパソコンが表示されません
一覧への表示と、共有フォルダーを開けるかは別問題です。まずエクスプローラーのアドレス欄に \\相手のコンピューター名 を直接入力して開けるか試してください。開けるなら実用上は問題ありません。
資格情報のパスワード入力を毎回求められるのが面倒です
入力画面の「資格情報を記憶する」にチェックを入れて接続すると、次回から省略できます。記憶した内容は資格情報マネージャーの「Windows資格情報」からいつでも削除できます。
パスワード保護共有をオフにすれば手っ取り早いのでは
Microsoft公式の手順にもオフにする方法は載っていますが、同じネットワーク上の誰でもアクセスできる状態になります。来客がWi-Fiを使う可能性がある環境では特におすすめしません。手順3の資格情報方式が安全です。
まとめ
Windows 11で共有フォルダーにアクセスできないときは、①同じネットワークか ②探索と共有の設定 ③資格情報 ④共有側の権限 ⑤24H2の仕様変更、の順に確認するのが最短ルートです。⑤まで確認しても直らないとても古い機器は、手順6のSMB1の可能性も疑ってください。特に「両方のパソコンで設定を確認する」「PINではなくパスワードを入れる」の2点だけで解決する相談が目立ちます。24H2更新直後に発生した場合は、ゲストアクセスの仕様変更を解説した別記事もあわせて確認してください。
この記事は uri uri が、Windows 11の実機画面とMicrosoft公式情報(Microsoft Support/Microsoft Learn)をもとに確認して作成しました。最終確認日 2026年7月10日。


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