iPhone14 Proシリーズに搭載されるかもしれないと噂されているベイパーチャンバーサーマルシステムってなに？
何が便利で、どんな時に使われているのかなど、専門的な用語を少な目にして、わかりやすく解説します。
専門家じゃなくても、本記事を読めばベイパーチャンバーサーマルシステムが何なのか大体理解できます。
また、iPhone14が発売される前のイマにiPhone13シリーズを購入しようか迷っている人向けに、別の記事でiPhone13を購入しない方がメリットがあることを解説しています。興味があればぜひ下記リンクからご覧ください。
ベイパーチャンバーサーマルシステムとは？
ベイパーチャンバーサーマルシステムのイメージ図
ベイパーチャンバーサーマルシステムとは、機器が高熱になってパフォーマンスの低下や故障などの不具合を減らすために、瞬時に熱を移動・拡散させ冷却する仕組みのことです。
「熱拡散装置」とか「金属製放熱材」などとも呼ばれている超薄型放熱部品「べーパーチャンバー」を使った熱の貯蔵と伝達を行うシステムを、ベイパーチャンバーサーマルシステムと呼ばれています。
ベイパーチャンバーサーマルシステムは、何が便利なのかというと、シンプルに熱による機器の機能低下を防ぐことが最大の利点です。
熱は、電子機器にとって最大の敵でもあります。
例えば、iPhoneは一定以上の高温になると熱による故障を防ぐために「高温注意」の表示がされ、一時的にほぼすべての操作が強制的にできなくなるように設計されています。もし、料理系YoutuberがiPhoneを使って撮影していた場合、コンロや鍋の真上の画角で長時間撮影しようとしても、iPhoneが高熱になってしまって、強制的にカメラの撮影が停止してしまって満足に撮影することもできないでしょう。
昨今のスマホやタブレットなど、本体の中にたくさんの電子精密部品が、小さな本体に詰め込まれており、毎日多くの作業を内部で行っている高機能な電子機器は発熱しやすいです。そのため、冷却装置の能力が高くないと、本体が故障したり、バッテリーに悪影響を及ぼすことになります。
もちろん、今後5G回線が普及していけば、大容量・高速通信によるデータ処理量の増加が当たり前の世の中になれば、多くの処理をするために、それ相応の発熱対策をスマホやタブレット自体にも機能として持たせておかないと、満足に5G回線の強みを生かすことができません。高性能化と同時に電力消費量、発熱量がともに増大しているのが逆に難点になっています。
なので、機能がどんどん凄くなって、パソコン並みにできることが多くなったスマホやタブレットは、それ相応の冷却機能がないとスペックをフルに使うことができません。高性能な機器の小型化と発熱性能が、現代人のニーズとして電子機器に求められているので、より小さくて高機能な冷却装置も同時に求められているということになります。
その点で、ベイパーチャンバーサーマルシステムは、従来の銅製の冷却装置（ヒートパイプ）よりも、高い冷却機能があり、今までよりも多くの熱を発生させる高スペックな機器であっても、パフォーマンスを低下させず、不具合も発生しにくくなる利点があります。
また、スマホに負荷がかかりやすいゴリゴリにグラフィックを使うゲームやアプリを長時間使用している場合は、高温になってしまい満足に操作ができなくなる不具合が発生する場合があります。ベイパーチャンバーサーマルシステムを使えば、今までよりも高温になりづらいので、よりゲームやアプリを楽しむことができる利点があります。他にも4K画質や8K画質の映画もスマホが高温になりづらいので、快適に見ることができるようになります。
ベイパーチャンバーサーマルシステムの具体的な仕組みとしては、「内部の液体を蒸発させて気化する」＞「水蒸気で熱を拡散する」＞「冷却されて再度液体へ」＞「冷却された液体が元の場所へ戻る」というサイクルを繰り返します。
従来の銅やアルミなど熱伝導率が高い金属などで作ったヒートパイプの場合も似たような仕組みですが、ベイパーチャンバーとの大きな違いが熱の拡散方向が違います。
ヒートパイプは、熱を一方向に伸びる長さだけがあり、1次元的に熱を拡散しますが、熱の拡散に限界があります。
しかし、ベイパーチャンバーは2次元的に熱を拡散できるので、ヒートパイプよりも平面的に熱を伝達することが可能です。イメージとしては、ヒートパイプは縦か横しか行けないのに対し、ベイパーチャンバーは縦にも横にも行ける！そんなイメージですかね。
つまり、ベイパーチャンバーは、従来のヒートパイプよりもより高い熱拡散をすることが可能になります。
そして、ベイパーチャンバーは形状も薄くでき、小型なスマホやタブレットの大きさに合わせて多様な形に変形させることが可能です。
ここまで、聞くとすごく便利な新しい技術だと思いますよね？
ですが、ベイパーチャンバーにも欠点があります。それはコストが掛かることです。
製品を購入する私たち消費者の目線で言うと、便利なものは欲しいけど、できるだけ安く欲しいのが本音ですよね。
しかし、ベイパーチャンバーサーマルシステムは、従来の冷却装置よりも高度な技術が必要になってきます。そのため、コストが高くなり、製品自体の値段が上がってしまう傾向にあるのがデメリットです。
なんでiPhone14Proシリーズに搭載されるって噂されてるの？
実は、iPhone12シリーズやiPhone13シリーズが発売される前にも、ベイパーチャンバーサーマルシステムが新型iPhoneに搭載されるかもしれないことを、海外メディアや著名な TF International Securities のアナリスト Ming-Chi Kuo氏は示唆していました。
ベイパーチャンバーを搭載しているスマートフォンは、すでに登場しています。
すでに「ARROWS 5G」「ROG Phone II」「HUAWEI Mate 20 X」「Galaxy S22 Ultra」などではベイパーチャンバーが搭載されています。
「HUAWEI Mate 20 X」は2018年11月15日に発売された機種なので、製品自体としては新しい機種ではありません。
Appleとしても数年前から他社スマホが搭載している最新技術を今後搭載しないわけがありません。いずれ、iPhoneにもベイパーチャンバーサーマルシステムは搭載されるでしょう。
もちろん、新型iPhoneにベイパーチャンバーサーマルシステムを搭載することは、以前からも噂されていたのもあって、2022年9月に発売がされるであろうiPhone14シリーズに搭載される可能性は高いです。
iPhone13シリーズから、リフレッシュレートを最大120Hzに対応させたのもあり、高リフレッシュレートを使ったものをユーザーに快適に体験させるためには、ベイパーチャンバーサーマルシステムの導入は、必要不可欠になってくると考えられます。
しかし、ベイパーチャンバーはコストがかかります。
ただでさえ、半導体不足で製品が高コスト化している現在の状況を考えると、iPhone14シリーズすべてに導入されるということは、製品の価格自体が高くなってしまう可能性があります。
だからこそ、通常のiPhone14シリーズではなく、高品質なiPhone14 Proシリーズであれば搭載される可能性は高いと考えられます。
iPhone14シリーズでは、iPhone13シリーズよりも新しいCPUチップが搭載されることが予測されます。
新しくなったCPUなどを高スペックのまま維持させるためには、それ相応の冷却機能が必要になってきます。
しかし、ベイパーチャンバーをそのまま搭載してしまうと本体にかかるコストが高額になってしまうので、上位モデルのiPhone14 Proシリーズにだけ導入し、差別化を図るなんてこともありえると思います。
高スペックなスマホであればあるほど、優秀なCPUを搭載しており、その機能を高パフォーマンスで維持する為の冷却機能は必要になってきます。
また、高パフォーマンスを維持するだけではなく、熱暴走による不具合や本体製品の寿命をできるだけ長く維持するためにも冷却機能はとても重要です。
高熱になれば、CPUに不具合が生じてパフォーマンスを維持できなくなり、最悪の場合は、まともに動作すらしなくなる場合だってあります。特にiPhoneに搭載されているリチウムイオン電池は熱に強くはありません。
荒野行動などのFPSゲームや映画鑑賞などで長時間スマホを使用していると、iPhone本体が高熱になってしまい、途中で操作できなくなってiPhoneの熱の弱さを実際に体験した人もいるんじゃないでしょうか。
特にゲームや動画は電力を消費するので、充電しながら長時間iPhoneを使ったことで、iPhoneが高熱になってしまった何て経験をした人も少なくないと思います。
あまりにも熱くなるから、急速冷却可能な冷えピタ風（熱さまシートタイプ）スマホクーラーを購入した人もいると思います。
精密機械であるiPhoneは熱に弱いので、高温状態が続くと故障する可能性は高くなります。もちろん、AppleはiPhoneが熱に弱いことは知っています。
Appleは、iPhoneをもっとより良いものとしてユーザーに使ってもらえるようなアップデートを毎年行ってきました。
その一例として、昨年の2021年に発売されたiPhone13シリーズでは、リフレッシュレートを120Hzに対応させ画面上の動きはスムーズになり、画像は鮮明になりました。カメラのビデオ撮影には、まるで映画のように仕上げることができるシネマティックモードなどの機能も追加されました。
しかし、長時間使える熱にも強い仕様にはなっていません。
そろそろ、弱点の１つである熱対策をした新型iPhoneが出るかもしれません。もちろん、コスト面がネックなので、そこを差別化という形で生かしたiPhone14 Proシリーズならベイパーチャンバーが搭載されて発売されるかもしれません。
つまり、新型iPhone「iPhone14」では、ベイパーチャンバーサーマルシステムは搭載されるかは、コスト面を考えると微妙ですが、「iPhone14 Proシリーズ」に搭載される可能性は十二分にあり得ると思います。
まとめ
新型iPhoneである「iPhone14」は、9月に行われる発表イベントで明らかになります。
発売日や発表イベント日は現在まだ未定ですが、新型iPhoneの発売が遅くなるかもしれないという情報は今のところ入っていませんので、余程のことが無い限り今年も9月に行われるのは明らかです。
新しいiPhone14は、どのような新機能が追加されるのかな？どんなカメラ性能になるのかな？ってどうなるのか楽しみですよね。
どんな内容になるのか今から楽しみでなりません。
毎年、9月のAppleイベントはリアルタイムで視聴して、最速で記事化していますので、もし見逃した人でどんな情報が発表されたのか知りたい方けど、しっかり夜は寝たい方は、わたしのTwitterのフォローをしておけば、朝スッキリした状態でAppleの最新情報に得ることができますよ。
あなたのiPhoneライフに、少しでもお役立ちできる情報の１つとして、本記事の内容が役立てば幸いです。
簡単まとめ
- iPhone14には新しい冷却機能としてベイパーチャンバーサーマルシステムが採用される可能性があります。
- ベイパーチャンバーサーマルシステムとは、従来のヒートパイプよりも高度な技術であり、より多くの熱を拡散することができます。
- ベイパーチャンバーサーマルシステムが必ずiPhone14シリーズに搭載されるわけではないが、差別化としてiPhone14 Proシリーズにはワンチャン搭載されるかもしれません。
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