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フリーソフト不要!PDF内の表をExcelに変換する4つの方法

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まず自分のExcelがどちらかを確認するところから始める

「PDFの中にある表を、無料でExcelに移したい」という相談は、シニア世代の受講者からとても多く寄せられます。取引先から届いた見積書、役所からダウンロードした申請様式、金融機関の取引明細、町内会の会計報告など、PDFで受け取った表をもう一度Excelで計算し直したい、並べ替えたい、合計を取り直したい、という場面は日常にあふれています。紙に印刷して電卓でやり直すのは骨が折れますし、せっかくデータになっているのですから、Excelで扱えたほうがずっと楽です。

ところが、いざやってみると「表がぐちゃぐちゃになる」「数字が全部1つの列に縦一列で入ってしまう」「見出しと中身がずれる」といった壁にぶつかりがちです。これは操作が下手だからでも、パソコンが古いからでもありません。PDFという書類の形式そのものに、Excelへ移しづらい理由が隠れているからです。その理由もこの記事の中できちんと説明します。

そもそもPDFは、どのパソコンで開いても同じ見た目で印刷できるように作られた「紙の代わり」の形式です。見た目を固定することが得意な反面、「ここからここまでが1つの表で、ここが列の境目」といったデータとしての構造は、必ずしもきちんと保存されていません。だからExcelのような表計算ソフトに素直に移せないことがあるのです。この性質を知っておくと、思うように取り込めなくても「PDFとはそういうものなのだ」と落ち着いて次の手を打てます。

この記事では、フリーソフトを追加でインストールせずにPDFの表をExcelへ変換する4つの方法を、実際に手を動かして確かめた結果をまじえながら、順番に解説します。ただし、その前に一つだけ大事な確認があります。お使いのExcelが「Microsoft 365」なのか「買い切り版(Office 2019 などのProfessional Plusや Home & Business)」なのかで、使える方法が変わるからです。ここを先にはっきりさせておくと、使えない機能を探して時間を無駄にする遠回りをせずに済みます。

自分のExcelの種類を調べる手順

確認のしかたはかんたんです。Excelを開いて、上のメニューから順にたどるだけです。手順は次のとおりです。

  1. Excelを起動し、空白のブックでかまわないので開きます。
  2. 画面左上のファイルをクリックします。
  3. 左側の一覧のいちばん下のほうにあるアカウントをクリックします。
  4. 右側の「製品情報」という欄に書かれている名前を読みます。

ここで「Microsoft 365」と書かれていれば、毎月または毎年料金を払って使うサブスクリプション版です。いっぽう「Microsoft Office Professional Plus 2019」「Office Home & Business 2019」「Office Home & Business 2021」のように年号が入った名前で書かれていれば、一度買えばずっと使える買い切り版です。この違いが、これから紹介する方法1が使えるかどうかを分けます。同じ「Excel」でも中身の対応機能が違う、ということをまず頭の隅に置いてください。

お使いのExcelがMicrosoft 365か買い切り版かで使える方法が違うことを示した早見表の図
まず確認です。Microsoft 365なら「PDFから」で直接取り込め、買い切り版のExcel 2019以前ではWord経由やコピー+区切り位置などを使います(当サイトによる図解)。

結論を先にお伝えします。「PDFから」でExcelに直接取り込む方法1が使えるのは、基本的にMicrosoft 365 だけです。買い切り版のExcel(Office 2019 など)をお使いの方は、方法2以降の「Word経由」「区切り位置」「ブラウザ・オンライン変換」で対応するのが現実的です。なぜそう言い切れるのかは、次の章で公式の資料と当サイトの実機の両方を並べて示しながら説明します。「なんとなくそう言われているから」ではなく、実際に確かめた根拠をお見せします。

方法1 Excelの「PDFから」で直接取り込む

もっとも手間が少ないのが、Excelの「データ」タブにある「PDFから」という機能でPDFを直接読み込む方法です。これはExcelに組み込まれている「Power Query」というデータ取り込みのしくみを使っています。名前はむずかしそうに聞こえますが、要は「外にあるデータをExcelに引き込んでくる案内役」のような機能です。うまくいけば、PDF内の表をほぼそのままの形でExcelの表として取り込め、あとから元のPDFが更新されたときに読み込み直すこともできます。手順は次のとおりです。

  1. Excelを起動し、空白のブックを開きます。
  2. 上のメニューでデータタブをクリックします。
  3. 左端のほうにあるデータの取得をクリックし、開いたメニューでファイルからにマウスを合わせます。
  4. さらに開いたメニューの中のPDFからを選びます。
  5. 取り込みたいPDFファイルを選択して「インポート」を押します。
  6. 「ナビゲーター」という画面が開くので、左側に並ぶ表の候補から取り込みたいものを選び、右のプレビューで中身を確認して「読み込み」を押します。

この操作でPDF内の表がExcelのシートに表として並びます。文字がきちんとテキストとして埋め込まれているPDF(スキャナーで紙を読み取っただけの画像PDFではないもの)であれば、比較的きれいに取り込めるのが利点です。ナビゲーターの画面ではPDFの中にある複数の表やページを一覧から選べるので、必要な表だけを取り込めるのも便利なところです。ここまでは、Microsoft 365 をお使いの方に向けた手順です。

この「PDFから」の取り込みには、もう一つ知っておくと便利な点があります。Power Queryで取り込んだ表は、元のPDFファイルが差し替わって更新されたときに、Excel側で読み込み直すと最新の内容に更新できるようになっています。毎月同じ形式のPDFが届くような場合には、いちどこの取り込みを作っておくと、次回からは読み込み直すだけで済むので手間が減ります。いっぽう、うまく取り込めるかどうかは元のPDFの作られ方に左右されるため、複雑にセルが結合された表や、罫線が入り組んだ表では、列がずれて取り込まれることもあります。その場合はナビゲーターのプレビューで様子を確かめ、必要なら取り込んだあとにExcel側で整えます。

買い切り版のExcelには「PDFから」が出てこない

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。当サイトの撮影用パソコンにある買い切り版のExcel(Office Professional Plus 2019・バージョン 16.0.19127)で実際に試したところ、「データの取得」→「ファイルから」の中に「PDFから」という項目がありませんでした。手順どおりにメニューをたどっても、そこに「PDFから」は現れなかったのです。

当サイトの実機で「ファイルから」を開いたときに実際に並んでいたのは、次の5つだけでした。Excel ブックからテキストまたは CSV からXML からJSON からフォルダーからです。メニューに表示されている項目を一つずつ機械的に読み上げて数えても、そしてあとからスクリーンショットで見返して確認しても、「PDFから」はどこにも見当たりませんでした。見落としではなく、もともと無いのだと確かめられました。

買い切り版のExcel 2019でデータの取得のファイルからを開いた実機画面。PDFからが無く、Excelブックから・テキストまたはCSVから・XMLから・JSONから・フォルダーからの5つだけが並んでいる
こちらが当サイトの実機です。買い切り版のExcel 2019では「ファイルから」にPDFからが無く、選べるのは5つだけでした(当サイトが実際にExcelで操作して撮影)。

つまり、買い切り版のExcelでは、この方法1はそもそもメニューに出てこないため使えない、というのが当サイトで確かめた事実です。ネット上の解説の中には「古いExcelでも手動でインストールすれば使えるようになる」といった説明を見かけることがありますが、この「PDFから」のコネクタを買い切り版に後から足して使えるようにする正規の手順は用意されていません。設定のどこかを押せば出てくる、というものでもありませんでした。ですので、買い切り版をお使いの方は「PDFから」を探して時間を使うより、方法2以降に進むほうが確実で早いです。

公式の対応表でも実機と同じ結果だった

「当サイトの実機がたまたまそうだっただけでは」と思われるかもしれません。そこでマイクロソフトの公式ドキュメント「Excel バージョンの Power Query データ ソース」のPDFの行を、実際の表示のとおりに確認しました。この公式ページは、どのExcelでどのデータ取り込み機能が使えるかを、バージョンごとの列に分けて丸印で示している一覧表です。

そのPDFの行を見ると、緑のチェックが付いているのはMicrosoft 365の列(ホーム個人用/一般法人向け Business Premium、およびエンタープライズ向けアプリ)だけで、Office 2016 と Office 2019 は、買い切りの Professional Plus スタンドアロンを含めて、どの列にもチェックが付いていませんでした。表の列は Office 2016、Office 2019、Microsoft 365 という種類ごとに分かれて並んでおり、PDFの行で緑のチェックが付いていたのは、いちばん右側の Microsoft 365 のグループの列だけ、という表示でした。

マイクロソフト公式のExcelバージョンのPower Queryデータソースのページ。PDFの行のチェックがMicrosoft 365の列だけに付いている表
出典=Microsoft公式。PDFの行で緑のチェックが付くのはMicrosoft 365の列だけで、Office 2019には付いていません画像をクリックすると公式ページが開きます。

この公式ページのPDFの行には『PDF (必須)』という見出しとともに、動作には『.Net Framework 4.5 以降』が必要である旨が書かれています。そして対応バージョンを示すチェックは、先に述べたとおりMicrosoft 365 の2つの列にのみ付いています。当サイトの実機で「PDFから」が見当たらなかった結果と、この公式の対応表は完全に一致していました。片方だけの話ではなく、実機と公式の両方が同じことを示していた、という点が大事です。だからこそ「PDFから」での直接取り込みは実質的にMicrosoft 365 向けの機能だと、自信をもってお伝えできます。買い切り版をお使いなら、無理をせず次の方法2に進んでください。

方法2 Wordを経由して変換する

買い切り版のExcelでも使える、いちばん現実的な方法がこれです。PDFをいったんWordで開くと、Wordが自動でPDFの中身を編集できる文書に変換してくれます。その中の表をコピーして、Excelに貼り付けるという流れです。Excel単体では「PDFから」が使えなくても、多くのパソコンにはWordも一緒に入っているので、追加の出費なしで試せるのが利点です。手順は次のとおりです。

  1. Wordを起動し、ファイル → 開く → 参照から、変換したいPDFファイルを選びます。
  2. 変換してよいか確認するメッセージが出たら「OK」を押します。
  3. PDFがWord文書として開いたら、取り込みたい表の範囲をマウスで選択してコピーします。
  4. Excelを開き、貼り付けたい左上のセルを選んで貼り付けます。

PDFをWordで開くと必ず確認のメッセージが出る

この方法で戸惑いやすいのが、2番目の確認メッセージです。当サイトの実機(Word Professional Plus 2019)でPDFを開いたところ、いきなり文書が開くのではなく、まず変換してよいかを確認するダイアログが表示され、OKを押すまで先に進めませんでした。PDFを選んだ瞬間に文書が開くわけではなく、このダイアログをはさむ、という順番でした。念のため、PDFではなく空のWord文書を開いたときにはこのダイアログは出なかったので、これはPDFを開くときだけに出るものだと、対照して確認できました。なお、当サイトの実機ではダイアログが出て操作をさえぎることまでは確認できましたが、そこに書かれている文言そのものは正確に読み取れていません。ダイアログに何が書かれているかは、公式の説明が分かりやすいので、次にそのまま引用します。

このダイアログは不具合ではありません。マイクロソフトの公式ドキュメント「Word で PDF を編集する」では、この動作について『Word によって、PDF のコピーが作成され、その内容が Word で表示可能な形式に変換されることが示されます。元の PDF はまったく変更されません。』と説明されています。続けて公式は『[OK] を選択します。』と案内しています。ですので、元のPDFファイルが書き換わってしまう心配はありません。安心して「OK」を押して先に進んで大丈夫です。もし表示された確認メッセージが不安で押せなかった、という方も、これで安心して進められるはずです。

貼り付けたあとの仕上がりについて正直にお伝えします

ここは、あいまいにせず正直に書きます。Word経由で変換した表をコピーしてExcelに貼り付けたとき、セルへどこまできれいに収まるかという「貼り付け後の仕上がり」については、当サイトの実機では最後まで再現して確かめることができませんでした。ですので、当サイトが実際に見た事実として「貼り付けるとこうなります」と断言することはしません。確かめていないことを、確かめたように書くのは、当サイトのやり方ではないからです。

そのうえで、一般的な注意点として補っておきます。一般には、Word経由の変換は元のPDFのレイアウトによって表の形が崩れることがあり、貼り付けたあとにExcel側でセルの結合を解いたり、列幅を手で調整したり、ずれた文字を直したりする手直しが必要になる場合がある、と言われています。変換後の見た目については、マイクロソフトの公式ドキュメント「Word で PDF を編集する」でも『変換された文書は、元のドキュメントと完全にページが一致しない場合もあります。』と注意が示されています。つまり、Word経由はまず表の中身を取り込む足がかりとして使い、細かい体裁の整えはExcel側で仕上げる、と考えておくと落胆せずに済みます。中身の数字さえ取り込めれば、計算し直すという当初の目的は十分に果たせます。

方法3 コピーとExcelの「区切り位置」で整える

PDFの表を範囲選択してコピーし、Excelに貼り付けてから「区切り位置」という機能でセルに分けていく方法です。特別なソフトはいりませんが、この方法には「なぜ表が崩れるのか」という根っこの理由を先に知っておく必要があります。理由が分かると、うまくいくときといかないときの見分けもつくようになります。

なぜコピペするとA列に縦一列で入ってしまうのか

当サイトで、この崩れる理由を確かめるために実験をしてみました。Excelで「商品名・単価・数量・金額」という見出しの付いた表を自分で作り、それをPDFに書き出し、そのPDFの中身のテキストがどう並んでいるかを調べました。すると列を区切るはずのタブ(区切り記号)が入っておらず、それぞれの値が縦一列に改行で区切られて並んでいることが分かりました。横に並んでいるように見える1行分のデータが、内部では上から下へ縦につながって記録されていたのです。さらに、見出しの「単価」「数量」「金額」といった複数の語が「単価数量金額」のようにつながって取り出されていました。

PDFの表をそのままコピーしてExcelに貼り付けると、値がすべてA列に縦一列で並んでしまう様子を示した図
コピペで崩れる正体です。PDFの表には列の区切りが無いため、そのまま貼るとA列に縦一列で入ってしまいます(当サイトによる図解)。

これが、コピペすると表が崩れる正体です。PDFの内部では「どこが列の区切りか」という情報が保たれていないことが多く、そのままExcelに貼り付けると、値がすべてA列に縦一列で入ってしまいやすいのです。見た目には整った表に見えていても、コンピューターにとっては「ただ縦に並んだ文字の列」でしかない、というわけです。ご自分の操作が悪かったわけではない、ということがお分かりいただけると思います。相手(PDF)の側に、そういう性質があるのです。

区切り位置の使い方と、正直に伝えておきたい限界

貼り付けたデータが横方向に「タブ」や「カンマ」で区切られている場合は、「区切り位置」がよく効きます。1つのセルに詰まった文字列を、区切り記号のところで複数の列に分けてくれる機能です。手順は次のとおりです。

  1. 区切りたいデータの入っている範囲を選択します。
  2. データタブの区切り位置をクリックします。
  3. 「カンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ」を選び「次へ」を押します。
  4. 区切り文字(タブ、カンマ、スペースなど)にチェックを入れ、画面下のプレビューで列が正しく分かれるのを目で確認して「完了」を押します。

プレビューを見ながら区切り文字を切り替えると、縦の仕切り線が入って列が分かれる様子が確認できます。カンマで分かれないときはタブ、それでもだめならスペース、と順番に試し、いちばんきれいに分かれるものを選ぶのがコツです。値の中に桁区切りのカンマが含まれている表では、カンマで区切るとかえって崩れることがあるので、その場合はタブやスペースを選びます。

ただし、限界も正直にお伝えします。先ほどの当サイトの実験のように、そもそもデータが縦一列で、横方向の区切り記号が入っていない場合は、「区切り位置」で横に分けることはできません。区切り位置は「1行の中に区切り記号がある」ことを前提にした機能だからです。また、見出しが「単価数量金額」のようにつながって入ってしまった場合、区切り位置ではそれを意味のある単位に分け直すことはできず、手作業で打ち直す必要が出てきます。区切り位置は万能ではなく、「横に区切り記号が入っている貼り付け結果」を整えるための機能だと理解しておくと、期待外れを防げます。もし縦一列になってしまったら、区切り位置で粘るより、方法2のWord経由に切り替えたほうが早いことが多いです。

方法4 ブラウザや無料オンライン変換サービスを使う

Excelにもマイクロソフトにもこだわらず、ブラウザや無料のオンラインサービスでPDFをExcel形式に変換してしまう方法もあります。パソコンにソフトを追加インストールせずに使えるのが手軽な点です。EdgeやChromeでPDFを開き、表の部分をマウスで選択してコピーし、Excelに貼り付けるだけでも、簡単な表なら取り込めることがあります。より確実に表の形を保ちたいときは、PDFをExcel形式に変換してくれる無料のオンライン変換サービスを利用する手もあり、こうしたサービスはPDFをアップロードするとExcelファイルにして返してくれます。

ただし、この方法には必ず気をつけていただきたいことがあります。見積書・請求書・名簿・給与明細・会計報告など、個人情報や社外秘が含まれるPDFを、無料のオンライン変換サービスにアップロードするのは避けてください。アップロードしたファイルがどこのサーバーに保存され、その後どう扱われ、いつ消されるのかは、サービスによってまちまちで、必ずしも安全とは限りません。無料であるほど、その運営のしくみが見えにくいこともあります。変換したいPDFの中身が、誰にでも見せてよい資料かどうかを一度立ち止まって確認し、少しでも不安があるときは、方法2のWord経由など、パソコンの中だけで完結する方法を選んでください。安全と手軽さをてんびんにかけて、大事な書類は手元で処理する、と決めておくと安心です。

貼り付け方を変えると崩れが減ることがある

方法2から方法4のように、コピーしてExcelに貼り付ける方法では、貼り付けのしかたを少し変えるだけで結果が変わることがあります。ふつうに貼り付けると、コピー元の書式(文字の色や罫線など)も一緒に付いてきて、かえって形が乱れることがあります。そこで、貼り付けるときに右クリックして表示される「貼り付けのオプション」から、書式を持ち込まない形を選ぶと、余計な装飾が付かず整えやすくなる場合があります。これはExcel一般のふるまいとしてお伝えするものです。当サイトの実機で特定のPDFについて確認した事実ではありません。

具体的には、貼り付け先のセルを選んでから右クリックし、貼り付けのオプションの中の「テキストのみ保持」のような、書式を捨てて文字だけを貼り付ける選び方を試します。うまく列に分かれないときは、いったんこの形で文字だけを貼り付けてから、方法3の「区切り位置」で分ける、という組み合わせが効くこともあります。反対に、表の形をできるだけ保ちたいときは、書式ごと貼り付けたほうがよい場合もあります。一度で決めようとせず、貼り付け方をいくつか試して、いちばん手直しが少ない結果を採用するのが実際的です。うまくいかなければ、貼り付けた範囲を消してやり直せばよいだけなので、気軽に試して大丈夫です。

スキャンした画像のPDFはひと手間かかる

ここまでの方法は、いずれもPDFの中の文字が「テキスト」として扱える場合の話です。紙の書類をスキャナーやスマホのカメラで読み取って作ったPDFは、見た目は文字でも、中身は写真(画像)であることが少なくありません。この場合、文字を範囲選択してコピーしようとしても選べず、Excelにも取り込めません。一般には、こうした画像のPDFから文字を取り出すには、文字を読み取る「OCR」と呼ばれるしくみが必要だと言われています。

見分け方はかんたんです。PDFを開いて、文字の一部をマウスでなぞってみてください。文字が青く選択できればテキストのPDF、いくらなぞっても選択できず写真のように扱われるなら画像のPDFです。画像のPDFだった場合は、ここまでのコピペ系の方法ではうまくいかないので、無理に貼り付けようとせず、読み取りに対応したサービスや機能を使うか、思い切って表を見ながら手入力し直すほうが結局は早くて正確なこともあります。どうしても分からないときは、後述の公式LINEから画面を見せていただければ、テキストか画像かの見分けからお手伝いします。

結局どの方法を選べばよいか

迷ったときの目安をまとめます。まず、お使いのExcelがMicrosoft 365 なら、いちばん手間の少ない方法1「PDFから」の直接取り込みを試すのが近道です。買い切り版のExcel(Office 2019 など)をお使いなら、方法1は使えないので、まずは方法2のWord経由を試してください。Word経由でも形が崩れて困るときや、貼り付けた結果が横方向に区切り記号で分かれているときは、方法3で「区切り位置」を使って整えます。文字がそもそもコピーできないスキャン画像のPDFのときや、どうしても表の形を保ちたいときは、方法4のオンライン変換を検討します。ただし方法4は、中身が外に出て困らない資料のときだけにしてください。

大切なのは、一つの方法にこだわりすぎないことです。PDFは作られ方によって中身の状態がまちまちなので、同じ手順でもうまくいくPDFと崩れるPDFがあります。「この方法でダメなら次の方法を試す」という気持ちで、2つ3つ手を変えてみるのが、結局いちばんの近道です。最初の方法でうまくいかなくても、それはよくあることなので、がっかりせずに次を試してみてください。どの方法も無料で、パソコンを壊す心配のない操作ばかりですから、気軽に試して大丈夫です。

4つの方法をひと目で見くらべる

ここまでの内容を、選ぶときの目安として一覧にまとめました。横にスクロールしてご覧ください。手軽さや表の保ちやすさは、元のPDFの作られ方によっても変わるため、あくまで目安としてお使いください。

方法 使えるExcel 手軽さ 向いている場面 気をつける点
方法1 PDFから直接取り込み 基本的にMicrosoft 365 のみ とても手軽 テキストのPDFをきれいに取り込みたい 買い切り版には項目が出ない
方法2 Word経由 買い切り版でも可 ふつう Excelに「PDFから」が無いとき 貼り付け後に体裁の手直しが要ることがある
方法3 コピー+区切り位置 どのExcelでも可 ややコツが要る 横に区切り記号がある貼り付け結果を整える 縦一列のデータは分けられない
方法4 ブラウザ・オンライン変換 Excelの種類を問わない 手軽 ソフトを増やさず変換したい 機密PDFはアップロードしない

変換したあとは数字を軽く見直しておく

どの方法で取り込んでも、変換した表の数字が元のPDFと合っているかを、ざっと見直しておくことをおすすめします。PDFからExcelへの変換は、思わぬところで値が変わってしまうことがあるためです。これは一般に起こり得る注意点としてお伝えするものです。当サイトが特定の不具合を実機で確認したわけではありません。

一般によく知られている例として、次のようなことが起こる場合があります。電話番号や商品コードのように先頭が0で始まる数字が、Excelに入れると先頭の0が消えてしまう、日付が数値に化けてしまう、金額の合計が元の表と1円ずれる、といったことです。こうしたずれを見逃したまま資料として使うと困ることになりかねません。取り込みが終わったら、合計欄の数字と、いくつかの目立つ値だけでも元のPDFと見くらべて、大きなずれがないかを確認しておくと安心です。もし先頭の0を残したい列があるときは、その列を文字列として扱う設定にしてから貼り付けると防ぎやすい、と一般には言われています。

作業を始める前に元のPDFを一部残しておく

念のためのひと工夫として、変換作業を始める前に元のPDFファイルはそのまま残しておき、変換にはコピーを使う、という習慣をつけておくと安心です。方法2のWord経由については、公式ドキュメントでも『元の PDF はまったく変更されません。』と説明されているとおり、元ファイルが書き換わることはありません。それでも、うっかり上書き保存してしまうといった人的なミスを防ぐ意味で、大事な書類ほど元を触らずコピーで作業する、と決めておくと後悔せずに済みます。パソコンの操作は、やり直せる余地を残しておくことが、いちばんの安心につながります。

よくある質問

Excelに「PDFから」が見当たらないときはどうすればよいですか

お使いのExcelが買い切り版(Office 2019 などのProfessional Plusや Home & Business)の場合、「データの取得」→「ファイルから」の中に「PDFから」は表示されません。当サイトの実機(Office Professional Plus 2019)でも、そこに並んでいたのは「Excel ブックから」「テキストまたは CSV から」「XML から」「JSON から」「フォルダーから」の5つだけで、「PDFから」はありませんでした。これは公式の対応表とも一致しており、PDFの直接取り込みは基本的にMicrosoft 365 向けの機能です。買い切り版の方は、この機能を探して設定をいじり回すよりも、方法2のWord経由で変換するのが確実でおすすめです。

Wordで開いたときに出る確認メッセージは押して大丈夫ですか

大丈夫です。PDFをWordで開くと、編集できる文書に変換する旨の確認メッセージが表示されます。公式ドキュメントでも『元の PDF はまったく変更されません。』と説明されているとおり、元のPDFファイルが書き換わることはありません。安心して「OK」を押してください。ただし、変換結果は元のPDFと完全に同じ見た目になるとは限らないため、表の形は貼り付け後にExcel側で整えるつもりでいると、あとでがっかりせずに済みます。中身の数字さえ取り込めれば、計算し直すという目的は果たせます。

コピーして貼り付けると全部がA列に縦一列で入ってしまいます

これはPDFの中で「列の区切り」の情報が保たれていないために起きる、とてもよくある現象です。当サイトで実際に見積書ふうの表をPDF化して調べたところ、値がタブで区切られておらず、縦一列に並んでいました。この状態のときは、残念ながら「区切り位置」で横に分け直すことはできません。方法2のWord経由で表として取り込み直すか、方法4のオンライン変換を試すほうが、表の形を保ちやすくなります。操作を間違えたわけではありませんので、方法を切り替えて試してみてください。

そもそも文字が選択できずコピーできません

PDFを開いて文字をなぞっても選択できない場合、そのPDFは文字ではなく写真(画像)として作られている可能性が高いです。スキャナーやスマホで紙を読み取って作ったPDFによく見られます。この場合はコピペ系の方法では取り込めないため、文字を読み取る機能に対応したサービスを使うか、表を見ながらExcelに手入力し直すのが確実です。判断に迷うときは、遠慮なくご相談ください。

PDFやExcelの困りごとを、いっしょに解決しませんか

PDFの表をExcelに移す作業は、お使いのExcelの種類やPDFの作られ方によって、うまくいく方法が一つひとつ違ってきます。「自分のExcelがMicrosoft 365 なのか買い切りなのか分からない」「方法2まで試したけれど表が崩れて直せない」「そもそも文字がコピーできない」といったときは、無理にご自分だけで抱え込まず、当サイトの公式LINEからお気軽にご相談ください。画面の写真を見せていただきながら、あなたのExcelとPDFに合ったやり方を、LINEやZoomで一緒に一つずつ確認していきます。急かすことはありませんので、初めての方も安心してお声がけください。

公式LINE(無料相談)

出典・引用サイト

最終確認日 2026年7月15日/文責 uri uri(企業の情報システム部門で10年以上、社内のパソコン相談やExcelの困りごとに対応してきた経験をもとに執筆しています)

この記事を書いた人
この記事を書いた人

企業の情報システム部門で10年以上、PC・アカウント・社内ネットワーク・Microsoft 365/Google Workspace運用を担当。年間数百件の問い合わせ対応(PC不調、メール送受信、Excel/Word資料、Teams会議、スマホ連携など)を通じて、初心者がつまずくポイントを「再現→原因切り分け→最短解決」の手順に落とし込んできました

現場や身近で実際に起きたトラブルをベースに、手順だけでなく「なぜそうなるか」「失敗しやすい落とし穴」「安全な設定(セキュリティ)」まで含めて解説します。

相談窓口(問い合わせ/LINE等)を設け、記事で解決しないケースも個別にサポートしていますので「パソコンが急に動かなくなった」「スマホの設定がわからない」などの悩みは一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

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