Excelでデータを検索する際、VLOOKUP関数を使っている方も多いと思います。しかし、VLOOKUPにはいくつかの制約があり、使いづらいと感じることもあるかもしれません。そこで登場するのが、Excelの新しい関数「XLOOKUP（エックス・ルックアップ）」です。今回は、XLOOKUP関数の基本的な使い方から、実務で役立つ応用テクニックまで、初心者にもわかりやすく解説します。
VLOOKUP関数の限界とXLOOKUP関数の登場
Excelのイメージ
VLOOKUP関数は、指定した値を表の左端の列から検索し、同じ行の指定した列から対応する値を返す関数です。しかし、以下のような制約があります
- 検索対象の列が左端でないと使えない
- 検索範囲を変更すると、列番号を手動で修正する必要がある
- 近似一致検索を行う際、データが昇順に並んでいないとエラーになる可能性がある
これらの制約を解消するために登場したのが、XLOOKUP関数です。XLOOKUP関数は、VLOOKUPの後継として、より柔軟で使いやすい検索機能を提供します。
XLOOKUP関数の基本構文と使い方
XLOOKUP関数の基本構文は以下の通りです
=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り範囲, , , )
それぞれの引数の意味は以下の通りです
- 検索値検索したい値（例商品コードや社員番号）
- 検索範囲検索対象となる範囲（例商品コードの列）
- 戻り範囲検索値に対応する結果を返す範囲（例商品名の列）
- 検索値が見つからなかった場合に表示する値（省略可能）
- 一致の種類を指定する（省略可能）
- 検索の順序を指定する（省略可能）
例えば、以下のような商品マスターがあるとします
| 商品コード | 商品名 | 単価 |
|---|---|---|
| 10001 | ABCねじ | 1000 |
| 10002 | DEFプレート | 1500 |
| 10003 | GHIボルト | 2000 |
この商品マスターから、商品コード「10002」に対応する商品名を取得する場合、以下のようにXLOOKUP関数を使用します
=XLOOKUP(10002, , B2:B4)
この式を入力すると、「DEFプレート」が返されます。
VLOOKUPとの違いとXLOOKUPの利点
VLOOKUP関数とXLOOKUP関数の主な違いと、XLOOKUPの利点は以下の通りです
- 検索範囲と戻り範囲を自由に指定できるVLOOKUPでは検索範囲の左端の列しか検索できませんが、XLOOKUPでは検索範囲と戻り範囲を自由に指定できます。
- 列番号を指定する必要がないVLOOKUPでは戻り値の列番号を指定する必要がありますが、XLOOKUPでは戻り範囲を指定するだけで済みます。
- 近似一致検索の際、データの並び順を気にしなくてよいVLOOKUPでは近似一致検索を行う際、データが昇順に並んでいないとエラーになる可能性がありますが、XLOOKUPではそのような心配がありません。
実務で役立つXLOOKUPの応用テクニック
XLOOKUP関数を使いこなすことで、以下のような実務で役立つテクニックを実現できます
- 複数の戻り値を同時に取得するXLOOKUP関数は、複数の戻り範囲を指定することで、複数の戻り値を同時に取得できます。
- 検索値が見つからなかった場合にカスタムメッセージを表示するXLOOKUP関数の「見つからない場合」引数を使用することで、検索値が見つからなかった場合にカスタムメッセージを表示できます。
- 検索の順序を指定するXLOOKUP関数の「検索モード」引数を使用することで、検索の順序を指定できます。
例えば、以下のようにXLOOKUP関数を使用して、商品コードに対応する商品名と単価を同時に取得することができます
=XLOOKUP(10002, , B2:B4 & " " & C2:C4)
この式を入力すると、「DEFプレート 1500」が返されます。
よくある質問や疑問
Q1: XLOOKUP関数はどのバージョンのExcelで使用できますか？
XLOOKUP関数は、Microsoft 365のExcelとExcel 2021、Web版のExcelで利用可能です。お使いのExcelがXLOOKUP関数に対応しているかは、任意のセルに「=X」と入力し、候補の一覧にXLOOKUP関数が表示されるかどうかで判断できます。
Q2: VLOOKUP関数からXLOOKUP関数に乗り換えるメリットは何ですか？
XLOOKUP関数は、VLOOKUP関数の制約を解消し、より柔軟で使いやすい検索機能を提供します。具体的には、検索範囲と戻り範囲を自由に指定できる、列番号を指定する必要がない、近似一致検索の際にデータの並び順を気にしなくてよいなどのメリットがあります。
Q3: XLOOKUP関数を使いこなすための練習方法はありますか？
XLOOKUP関数を使いこなすためには、実際の業務で使用するデータを用いて練習することが効果的です。例えば、商品マスターや社員名簿などのデータを用いて、XLOOKUP関数を使って情報を検索する練習を行いましょう。
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まとめ
XLOOKUP関数は、VLOOKUP関数の後継として、より柔軟で使いやすい検索機能を提供します。初心者の方でも、基本的な使い方を理解し、実務で役立つ応用テクニックを習得することで、Excelでのデータ検索作業を効率化できます。ぜひ、XLOOKUP関数を活用して、業務の効率化を図りましょう。
他にも疑問やお悩み事があればお気軽にLINEからお声掛けください。
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