Windows11再インストール完全版！初心者が陥る3つの落とし穴とは？

パソコンの動作が重くなってきた、アプリが頻繁にクラッシュする、原因不明のエラーが出続ける…そんな経験はありませんか？Windows11を使っていると、どうしても避けられないのがシステムの不調です。色々な対処法を試してみても改善しない時、最後の切り札となるのがWindows11の再インストールです。

しかし、多くの方が再インストールに踏み切れない理由があります。「大切なデータが消えてしまうのでは？」「失敗したらどうしよう」「手順が複雑そう」といった不安です。実際、準備不足のまま再インストールを実行して、取り返しのつかない事態になったケースも少なくありません。

この記事では、Windows11の再インストールについて、初心者でも安心して実行できるよう、事前準備から完了までの全手順を徹底解説します。さらに、多くの人が陥りがちな落とし穴と、それを回避する方法もお伝えします。

Windows11の再インストールとは？基礎知識を押さえよう

Windows11の再インストールとは、ハードディスクを初期化してパソコンを工場出荷時の状態に戻す作業のことです。長年使ってきたパソコンには、インストールしたアプリケーション、変更した設定、蓄積されたキャッシュなど、様々なデータが存在します。これらが原因でシステムが不安定になることがあり、再インストールによってクリーンな状態に戻すことで問題を解決できます。

ただし、再インストールには大きく分けて2つの方法があります。それぞれ目的や残るデータが異なるため、状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。間違った方法を選んでしまうと、必要なデータが消えてしまったり、逆に問題が解決しなかったりする可能性があります。

再インストールを実行する前に、まずはディスク領域の確認を行いましょう。デバイスの動作が遅い原因が単純にディスク容量不足の場合もあります。タスクバーからエクスプローラーを起動し、左側でPCを選択すると、デバイスとドライブの使用可能な空き領域が表示されます。ディスク容量を解放するだけで問題が解決する場合もあるため、まずはこちらを試してみることをおすすめします。

こんな時に再インストールが必要！5つの典型的なケース

Windows11の再インストールは、決して日常的に行う作業ではありません。しかし、以下のような状況では再インストールが最も効果的な解決策となることがあります。

パソコンの動作が極端に遅くなった場合です。起動に何分もかかる、アプリケーションの切り替えに時間がかかる、フリーズが頻発するといった症状は、システムファイルの破損やレジストリの肥大化が原因である可能性が高く、再インストールによって劇的に改善することがあります。

ウイルスやマルウェアに感染した疑いがある場合も、再インストールが有効です。ウイルス対策ソフトで完全に駆除できたか不安な時、クリーンインストールによって確実に感染を取り除くことができます。

頻繁にエラーメッセージが表示される場合や、特定のアプリケーションが正常に動作しない場合も、システムファイルの問題が考えられます。通常の修復では解決できないケースでは、再インストールが最終手段となります。

パソコンを他人に譲渡する場合や廃棄する場合には、個人情報を完全に削除するために再インストールが必須です。通常のファイル削除では復元される可能性があるため、ドライブのクリーニングを含めた完全な削除が必要になります。

最後に、Windows10からWindows11へのアップグレード後に問題が発生した場合です。アップグレード時に既存の設定やアプリケーションの影響を受けてしまうことがあり、クリーンインストールによってWindows11本来のパフォーマンスを引き出せます。

知らないと危険！再インストール前に必ず行うべき6つの準備

再インストールで最も重要なのは事前準備です。準備不足のまま実行すると、大切なデータを失ったり、作業が途中で止まってしまったりする危険があります。以下の6つの準備を必ず確認してください。

バックアップは絶対に取る！データ保護の鉄則

最も重要な準備はバックアップです。特にクリーンインストールを選択する場合、ハードディスク内のすべてのデータが完全に削除されます。インプレースアップグレードの場合でも、万が一のトラブルに備えてバックアップを取っておくべきです。

バックアップ対象は、ドキュメント、写真、動画、音楽ファイルなどの個人データだけではありません。アプリケーションが独自に保持するデータ、例えば年賀状ソフトの住所録データベースや、メールソフトの過去のメール、ブラウザのブックマークなども忘れずにバックアップしましょう。外付けハードドライブ、USBフラッシュドライブ、またはOneDriveなどのクラウドストレージを活用してください。

プロダクトキーの確認を忘れずに

Windows11の再インストール後、ライセンス認証が必要になります。通常、デジタルライセンスに紐付けられたMicrosoftアカウントでサインインすれば自動的に認証されますが、マザーボードを交換した場合やハードウェアに大幅な変更を加えた場合は、プロダクトキーの入力が求められることがあります。

プロダクトキーは、パソコン本体に貼られているシールや、購入時の書類に記載されています。事前に確認して控えておきましょう。また、設定からシステム、バージョン情報またはシステム、詳細情報を開くと、現在のWindowsのエディションを確認できます。再インストール時には、このエディションと一致するバージョンを選択する必要があります。

インストールメディアの作成方法

再インストールにはインストールメディアが必要です。これはUSBドライブまたはDVDに作成する起動可能なメディアで、Windows11のすべてのインストールファイルが含まれています。

Microsoftの公式サイトからメディア作成ツールまたはISOファイルをダウンロードします。ISOファイルは約5GB程度のサイズがあるため、容量に余裕のあるUSBメモリ（8GB以上推奨）またはDVDを用意してください。なお、使用するUSBメモリに保存されているデータは消去されるため、新しいUSBメモリを使用するか、事前にデータを別の場所に移動しておきましょう。

周辺機器は必ず外す

再インストール時には、周辺機器を外しておくことが成功の鍵です。プリンター、外付けハードドライブ、外付けSSD、その他のUSB接続デバイスなど、作業に不要な周辺機器はすべて取り外してください。キーボードとマウスは接続したままで問題ありませんが、それ以外の機器は接続したままだと誤認識や接続トラブルが発生し、再インストールが失敗する原因になります。

ノートパソコンはACアダプタを接続

ノートパソコンで再インストールを行う場合は、必ずACアダプタを接続した状態で作業してください。バッテリー駆動の状態では初期化が行えないことがあります。また、再インストール中にバッテリーが切れてしまうと、システムが破損して起動不能になる危険性もあります。

時間に余裕を持つ

Windows11の再インストールには、パソコンの性能や選択する方法によって異なりますが、最低でも1時間から数時間かかります。クリーンインストールの場合、さらに時間がかかることもあります。再インストール中は数回の再起動が自動的に行われ、その間はパソコンを操作できません。業務に支障が出ないよう、時間に余裕がある時に実行しましょう。

2つの再インストール方法を徹底比較！あなたに最適なのはどっち？

Windows11には、目的に応じて選べる2つの再インストール方法があります。それぞれの特徴を理解して、状況に合わせた最適な方法を選びましょう。

個人用ファイルを保持する方法

この方法は、データを残したまま設定やアプリを削除して初期化する方法です。デスクトップ、ドキュメント、ピクチャ、ミュージック、ビデオなどに保存されている個人用ファイルはそのまま残ります。トラブル解消が目的で、大切なデータを失いたくない場合に適しています。

インストールされているアプリケーションは削除されますが、ユーザーアカウント情報やマイドキュメントなどのライブラリ設定は保持されます。ただし、システムフォルダ内やProgram Filesフォルダ内に作成したファイルは削除されるため注意が必要です。

この方法を選択すると、リセット後も以前と同じMicrosoftアカウントでサインインするため、クラウド経由で同期される設定やデータも存在します。実際のテストでは、IMEのユーザー辞書や別ドライブのファイルなども保持されることが確認されていますが、確実に保持されるとは限らないため、念のためバックアップを取得しておくことをおすすめします。

すべてを削除する方法（クリーンインストール）

この方法は、ハードディスク内のすべてのデータを完全に削除して、工場出荷時の状態に戻す方法です。設定やアプリだけでなく、文書や写真などのデータもすべて削除されるため、個人情報が漏洩する心配なくパソコンを手放すことができます。

パソコンを譲渡したり、処分したりする場合に最適です。また、既存の設定やアプリケーションの影響を受けることなく、まったく新しい状態でWindows11を使いたい場合にもこの方法を選びます。

すべてを削除するを選択した場合、削除するドライブを選択する際に「すべてのドライブ」を選ぶと、Windows11が認識する全てのドライブ（パーティションで区切られたドライブも含む）のファイルを削除できます。さらに、最後の選択肢として「ドライブのクリーニング」が選択でき、これを実行することで保存されていたファイルの復元がされにくくなります。

設定メニューから行うWindows11再インストールの完全手順

Windows11が正常に起動する状態であれば、設定メニューから簡単に再インストールを実行できます。以下の手順に従って進めてください。

デスクトップ画面よりスタートメニューを開いて設定をクリックします。次に設定画面よりシステムを選択し、出てくる項目を下にスクロールして回復をクリックします。画面が切り替わったら、回復オプションのこのPCをリセットの項目にあるPCをリセットするをクリックしてください。

このPCをリセットするの選択画面が表示されたら、データの削除に関して個人用ファイルを保持するかすべてを削除するを選択します。どちらかを選んでクリックしましょう。

次に、Windowsの再インストール方法を選択する画面が表示されます。クラウドからダウンロードは、インターネット経由でWindowsの最新のファイルをダウンロードして再インストールを行います。ローカル再インストールは、製品のシステムドライブの回復パーティションから再インストールを行います。インターネット接続に問題がない場合はクラウドからダウンロードを選択することをおすすめします。

追加の設定画面が表示され、Windows11のデータ削除に関する設定内容が表示されますので、内容に間違いがなければ次へをクリックします。現在の設定を変更したい場合は設定の変更をクリックして変更することもできます。

このPCをリセットする準備ができましたの画面でWindows11の初期化に関する処理内容が表示されます。問題がなければリセットをクリックするとパソコンが再起動し初期化作業が始まります。初期化作業中に数回再起動が行われ、自動で進行しますので何も操作をせずに作業が完了するまでお待ちください。初期化完了後、製品購入時のセットアップ画面が表示され作業はすべて完了です。

インストールメディアから行うクリーンインストールの詳細手順

パソコンが起動しない場合や、完全にクリーンな状態からインストールしたい場合は、インストールメディアを使用した再インストールを行います。

作成したインストールメディアをパソコンに接続します。DVDの場合は、パソコンを起動させてからクリーンインストール用のDVDを挿入すると、自動的に画面が切り替わるか、いずれかのキーを押すように指示されます。USBから起動する場合は、USBを挿入した状態で、パソコンの電源を入れた直後にインストールメディアの起動キーを押して、インストールを開始してください。

起動キーはメーカーごとに異なるので、取扱説明書などで詳細を確認しておくと確実です。Windows10がすでにインストールされているパソコンで、起動キーを押しても作動しない場合は、設定から更新とセキュリティ、回復、今すぐ再起動、デバイスの使用、USB Storageの順にクリックすることでもインストールを開始できます。

インストールメディアからパソコンを起動すると、Windows11のセットアップが開始されます。開始したらインストールする言語、時刻と通貨の形式、キーボードまたは入力方法、キーボードの種類の4項目を設定し、次へ、今すぐインストールの順にクリックを行います。

しばらくするとWindowsのライセンス認証が求められることがあるので、プロダクトキーがある場合は25桁の文字を入力して認証です。プロダクトキーがない場合は、プロダクトキーがありませんボタンをクリックしてください。

ライセンス認証が終わると、Windows11のエディション選択画面に切り替わります。新規のパソコンはライセンスに応じたエディションを、Windows10として使用していたパソコンはWindows10と同じエディションを選んでください。異なるエディションを選択すると、ライセンスの再認証が必要になるので注意が必要です。

エディションを選択すると、インストールの方法が表示されます。アップグレードとカスタムの2種類が表示されるので、カスタムWindowsのみをインストールするを選択します。アップグレードを選ぶと、クリーンインストールが行われません。

カスタムをクリックした後は、OSをインストールするドライブを決めます。OSを再インストールする場合は、今までOSが保存されていたドライブを選択します。新しいパソコンの場合は割り当てられていない領域をクリックするか、パーティションの新規作成が必要です。

ドライブを選択してインストールが完了したら、パソコンを再起動します。再起動が終わるとユーザー設定の画面が表示されるので、パソコンの初期設定を行ってください。設定後の更新が完了し、Windows11のトップ画面が表示されたら、クリーンインストールは完了です。

再インストール後に絶対やるべき！システム最適化の5つの設定

再インストールが完了したら、すぐに使い始めたい気持ちはわかりますが、ちょっと待ってください。再インストール直後の設定こそが、その後の快適さを大きく左右します。私自身、何度も再インストールを経験してきましたが、この設定を怠ったせいで後から面倒なことになった経験が何度もあります。

まず最初に行うべきはWindows Updateの完全実行です。設定から更新とセキュリティを開き、利用可能な更新プログラムをすべてインストールしてください。これを怠ると、古いドライバーやセキュリティパッチが適用されないまま使用することになり、後々トラブルの原因になります。更新プログラムは一度では終わらないことが多く、再起動後に再度チェックすると追加の更新が見つかることがよくあります。完全に更新がなくなるまで、この作業を繰り返しましょう。

次に、システムの復元ポイントを作成しておくことを強くおすすめします。コントロールパネルからシステムとセキュリティ、システム、システムの保護と進み、構成ボタンをクリックします。システムの保護を有効にして、今すぐこのドライブのシステム保護を作成しますから復元ポイントを作成できます。これがあれば、今後何か問題が起きた時に、クリーンな状態に簡単に戻せます。

不要なスタートアップアプリの無効化も重要です。タスクマネージャーをCtrl+Shift+Escで開き、スタートアップタブから不要なアプリを無効化します。再インストール直後は最小限のアプリしか起動しませんが、アプリを追加インストールしていくと、勝手にスタートアップに登録されるものが増えていきます。定期的にチェックして、本当に起動時に必要なものだけを有効にしましょう。

電源プランの最適化も見落としがちです。コントロールパネルの電源オプションから、バランスまたは高パフォーマンスを選択します。デスクトップPCなら高パフォーマンスがおすすめですが、ノートPCの場合はバッテリー持続時間とのバランスを考えてバランスプランを選ぶといいでしょう。詳細設定から、ハードディスクの電源を切る時間やスリープまでの時間も調整できます。

最後に、視覚効果の調整でパフォーマンスを向上させます。システムの詳細設定からパフォーマンスオプションを開き、視覚効果タブでパフォーマンスを優先するを選択するか、カスタムで不要なアニメーションを無効化します。これだけで体感速度が大きく変わることがあります。

知っておくと便利！再インストールを楽にするPowerShellコマンド集

PowerShellを使えば、再インストール後の面倒な作業を大幅に効率化できます。ここでは実際に私が使っている便利なコマンドを紹介します。

インストール済みアプリの一覧を取得するコマンドは、再インストール前に実行しておくと便利です。PowerShellを管理者権限で開き、次のコマンドを実行してください。

Get-AppxPackage | Select Name, PackageFullName | Out-File C:\app_list.txt

このコマンドで、現在インストールされているアプリの一覧がテキストファイルとして保存されます。再インストール後に何を入れ直せばいいか一目瞭然になります。

システム情報を一括取得するには、次のコマンドが便利です。

systeminfo > C:\system_info.txt

このコマンドで、OSバージョン、インストール日、システム製造元、プロセッサ、メモリなど、詳細なシステム情報がテキストファイルに出力されます。再インストール前の状態を記録しておけば、後から比較する際に役立ちます。

ディスク容量を確認するには、次のコマンドを使います。

Get-PSDrive -PSProvider FileSystem

すべてのドライブの使用状況が一覧表示されるので、バックアップ先のドライブに十分な空き容量があるか確認できます。

不要なWindowsの機能を一括で無効化するPowerShellスクリプトも便利です。例えば、Windows Defenderのリアルタイム保護を一時的に無効にしたい場合は、次のコマンドを使います。

Set-MpPreference -DisableRealtimeMonitoring $true

ただし、これはセキュリティリスクがあるため、必要な作業が終わったら必ず$trueを$falseに変更して再度有効化してください。

バックアップスクリプトの作成も自動化できます。次のコマンドで、特定のフォルダを外付けドライブにコピーできます。

Copy-Item -Path “C:\Users\ユーザー名\Documents\*” -Destination “E:\Backup\Documents” -Recurse -Force

このコマンドをスクリプトファイル（.ps1）として保存しておけば、バックアップ作業をダブルクリック一つで実行できます。

体験談実際に遭遇した再インストールのトラブルと解決法

理論は完璧でも、実際にやってみると予期せぬ問題に遭遇することがあります。ここでは私が実際に経験したトラブルと、その解決方法を共有します。

「このPCはWindows11を実行できません」と表示されたケースです。再インストール中に突然このメッセージが出て、作業が中断されました。原因はTPM2.0とセキュアブートの設定でした。BIOSまたはUEFI設定画面に入り（起動時にF2やDelキーを押す）、セキュリティタブからTPMを有効化し、ブートタブからセキュアブートを有効化することで解決しました。メーカーによってBIOSの入り方や設定項目の場所が異なるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

インストールメディアから起動できない問題も頻繁に遭遇します。USBメモリを挿しているのに、普通にWindowsが起動してしまうケースです。これは起動順序の問題で、BIOS設定でUSBドライブを最優先に設定する必要があります。または、起動時にF12やF11（メーカーによって異なる）を押してブートメニューを表示し、USBドライブを手動で選択する方法もあります。

ドライバーが認識されずWi-Fiに接続できないという問題も経験しました。クリーンインストール後、ネットワークアダプターのドライバーが正しくインストールされず、インターネットに接続できなくなったのです。解決策は、事前に別のPCでメーカーのサポートサイトから最新のネットワークドライバーをダウンロードしてUSBメモリに保存しておくことでした。インストール後、USBメモリからドライバーを手動でインストールすることで問題が解決しました。

BitLocker回復キーが見つからないというケースもありました。再インストール時に回復キーの入力を求められたのですが、どこに保存したか覚えていませんでした。結局、Microsoftアカウントにサインインして、アカウント管理ページのデバイスセクションから回復キーを見つけることができました。これ以降、回復キーはプリントアウトして安全な場所に保管するようにしています。

再インストール後にOfficeのライセンスが消えたという問題も起きました。プリインストール版のOfficeは、デジタルライセンスとして保存されているはずなのに認証されませんでした。解決方法は、Microsoftアカウントのサービスとサブスクリプションページから、Office製品を確認し、インストールボタンをクリックして再インストールすることでした。Office 2019以降はMicrosoftアカウントに紐付けられているので、アカウント情報を忘れないことが重要です。

再インストールせずに問題を解決！日常メンテナンス術

正直なところ、再インストールは時間も手間もかかる作業です。できれば避けたいですよね。実は、定期的なメンテナンスを行うことで、再インストールが必要になる状況を大幅に減らせます。

ディスククリーンアップを月に1回実行する習慣をつけましょう。スタートメニューで「ディスククリーンアップ」と検索して起動し、システムファイルのクリーンアップを選択します。一時ファイル、ダウンロードフォルダ、ごみ箱、Windows Update関連ファイルなど、不要なファイルを安全に削除できます。特にWindows Updateのクリーンアップは、数GBの容量を解放できることがあります。

コマンドプロンプトで実行できるSFCスキャンも定期的に行うべきです。管理者権限でコマンドプロンプトを開き、次のコマンドを実行します。

sfc /scannow

このコマンドは、Windowsシステムファイルの整合性をチェックし、破損したファイルを自動的に修復します。完了まで30分程度かかることもありますが、システムの安定性を保つために非常に効果的です。

さらに強力なのがDISMコマンドです。SFCで修復できなかった問題も、DISMなら解決できることがあります。

DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth

このコマンドは、Windowsイメージの破損を検出して修復します。Windows Updateがうまくいかない時や、システムが不安定な時に試す価値があります。

ストレージセンサーの自動化も便利です。設定からシステム、記憶域と進み、ストレージセンサーを有効にします。これにより、一時ファイルやごみ箱の自動削除が設定でき、手動でのメンテナンスを減らせます。私は毎週自動実行するように設定していて、常にディスク容量に余裕がある状態を保てています。

デフラグの自動スケジュールも確認しておきましょう。スタートメニューで「デフラグ」と検索し、ドライブのデフラグと最適化を開きます。SSDの場合は最適化（TRIM）、HDDの場合はデフラグが自動的にスケジュールされているはずですが、無効になっている場合は有効化しておくことをおすすめします。

プロが教える！データ移行の裏技とバックアップの自動化

再インストールで最も面倒なのがデータ移行です。でも、適切なツールと方法を知っていれば、この作業を大幅に効率化できます。

Windowsの標準機能「ファイル履歴」は、意外と使われていませんが非常に便利です。設定からシステム、記憶域、ストレージの詳細設定、ファイル履歴と進み、外付けドライブを選択するだけで、自動的に重要なファイルがバックアップされます。再インストール後、同じ機能を有効にすれば、以前のファイルをすべて復元できます。

より高度な方法として、robocopyコマンドを使ったバックアップがあります。これはWindowsに標準で含まれている強力なコピーツールで、次のように使います。

robocopy C:\Users\ユーザー名\Documents E:\Backup\Documents /MIR /R:3 /W:10 /LOG:backup_log.txt

このコマンドは、ドキュメントフォルダを外付けドライブにミラーリングコピーします。/MIRオプションで完全同期、/R:3で失敗時に3回リトライ、/W:10で10秒待機、/LOGでログファイルに記録します。このコマンドをバッチファイル（.bat）として保存し、タスクスケジューラで毎日実行するように設定すれば、完全自動バックアップシステムの完成です。

ブラウザデータの移行も忘れがちです。Chromeの場合、Googleアカウントにサインインしていれば自動同期されますが、EdgeやFirefoxも同様の機能があります。ただし、保存されたパスワードや拡張機能の設定は、念のためエクスポートしておくことをおすすめします。Chromeならchrome://settings/passwordsからパスワードをCSV形式でエクスポートできます。

メールデータの移行については、OutlookならPSTファイルをコピーするだけです。ファイルの場所は、C:\Users\ユーザー名\Documents\Outlook ファイルにあります。このフォルダごとバックアップして、再インストール後に同じ場所に戻せば、メールもアドレス帳もすべて復元されます。

失敗しないドライバー管理の極意

再インストール後のトラブルで最も多いのが、実はドライバー関連の問題です。ここでは、ドライバーを適切に管理する方法を紹介します。

まず、再インストール前に現在のドライバーをバックアップしておくことが重要です。Double Driverなどの無料ツールを使えば、現在インストールされているすべてのドライバーをバックアップできます。ただし、Windows11ではWindows Updateが自動的に多くのドライバーをインストールしてくれるので、特殊なハードウェアを使用していない限り、それほど心配する必要はありません。

問題は、Windows Updateで提供されないドライバーです。グラフィックカード、特殊なプリンター、古いスキャナーなどは、メーカーのウェブサイトから最新ドライバーを手動でダウンロードする必要があります。再インストール前に、使用しているハードウェアのリストを作成し、各メーカーのサイトから最新ドライバーをダウンロードしてUSBメモリに保存しておくと安心です。

デバイスマネージャーで不明なデバイスが表示される場合、ハードウェアIDから正体を特定できます。不明なデバイスを右クリックしてプロパティを開き、詳細タブからハードウェアIDを選択します。表示されたIDをGoogleで検索すれば、必要なドライバーが見つかることが多いです。

ドライバーの自動更新には注意が必要です。Windows Updateで提供されるドライバーは基本的に安全ですが、最新版が必ずしも最良とは限りません。特にグラフィックカードのドライバーは、最新版で問題が発生することもあるため、安定版を選択するのが賢明です。NVIDIAならStudio Driver、AMDならRecommended版を選ぶといいでしょう。

セキュリティ設定は再インストール直後が肝心！

再インストール直後のシステムは、言わば無防備な状態です。すぐにセキュリティ設定を強化する必要があります。

まず、Windows Defenderの設定を確認します。設定からプライバシーとセキュリティ、Windowsセキュリティと進み、ウイルスと脅威の防止を開きます。リアルタイム保護、クラウド提供の保護、改ざん防止がすべて有効になっていることを確認してください。

ファイアウォールの詳細設定も重要です。コントロールパネルからWindows Defender ファイアウォール、詳細設定と進み、受信の規則と送信の規則を確認します。不要なプログラムの通信をブロックすることで、セキュリティを大幅に向上させられます。

UACユーザーアカウント制御の設定も見直しましょう。デフォルトでは中レベルに設定されていますが、セキュリティを重視するなら常に通知するに変更することをおすすめします。コントロールパネルからユーザーアカウント、ユーザーアカウント制御設定の変更で調整できます。

BitLockerを有効にすることも検討してください。特にノートPCの場合、紛失や盗難のリスクがあるため、ドライブの暗号化は必須です。設定からシステム、記憶域、ディスクとボリュームと進み、BitLockerを有効にできます。ただし、回復キーは必ず複数の場所にバックアップしておいてください。

ぶっちゃけこうした方がいい！

さて、ここまで再インストールについて詳しく解説してきましたが、正直に言います。再インストールは最後の手段です。何度も経験してきた私から言わせてもらえば、再インストールに頼る前にやるべきことがたくさんあります。

まず、月に1回でいいのでディスククリーンアップとSFCスキャンを実行する習慣をつけてください。これだけで、再インストールが必要になる状況の8割は避けられます。特にSFCスキャンは、システムファイルの破損を早期に発見して修復してくれるので、問題が深刻化する前に対処できます。

次に、Windows Updateは絶対に無効にしないでください。「更新が邪魔」という気持ちはわかりますが、セキュリティパッチが適用されないことのリスクは計り知れません。代わりに、アクティブ時間の設定で、作業中に更新されないようにコントロールすることをおすすめします。

そして、これが一番重要なのですが、バックアップは習慣化してください。ファイル履歴を有効にして外付けドライブに自動バックアップするだけでいいんです。設定に5分、その後は完全自動です。「いつかやろう」と思っている人ほど、いざという時に後悔します。

再インストールが本当に必要な場合でも、個人用ファイルを保持する方法を最初に試すべきです。クリーンインストールは確かに徹底的ですが、その後のアプリ再インストールや設定のやり直しに半日以上かかることも珍しくありません。個人用ファイルを保持する方法なら、大切なデータはそのまま残るし、作業時間も大幅に短縮できます。

PowerShellやコマンドプロンプトは難しそうに見えますが、一度バッチファイルを作ってしまえば、後はダブルクリックするだけです。バックアップ用のrobocopyコマンドをメモ帳に書いて.batで保存するだけで、毎回コマンドを入力する手間が省けます。私は「毎週日曜日の夜10時に自動バックアップ」というタスクを設定していて、何もしなくても勝手にバックアップが取られています。

最後に、ドライバーについてですが、Windows Updateに任せるのが一番楽で安全です。特殊なハードウェアを使っていない限り、Windows Updateで提供されるドライバーで十分です。メーカーサイトから手動でダウンロードするのは、本当に必要な時だけにしましょう。特にグラフィックカード以外は、余計なことをしない方がトラブルが少ないです。

結局のところ、問題を未然に防ぐための定期メンテナンスと自動バックアップ、これが再インストールという大仕事を避ける最善の方法です。再インストールの知識は保険として持っておき、実際にはそれが必要にならないよう、日々のメンテナンスに少しだけ時間を使う。これが、長年パソコンと付き合ってきた私の結論です。

よくある質問Windows11再インストールの疑問を解決

再インストール後、以前のアプリケーションは使えますか？

個人用ファイルを保持するを選択した場合でも、インストールされているアプリケーションは削除されます。再インストール後は、必要なアプリケーションを再度インストールし直す必要があります。ただし、Microsoft Storeからインストールしたアプリの一部は、Microsoftアカウントに紐付けられているため、サインイン後に再ダウンロードできる場合があります。

すべてを削除するを選択した場合は、すべてのアプリケーションが完全に削除されます。再インストール後は、文字通りゼロからアプリケーションをインストールし直す必要があります。そのため、使用しているアプリケーションのインストーラーやライセンスキーを事前に準備しておくことが重要です。

再インストール中にエラーが発生した場合はどうすればいいですか？

再インストール中にエラーが発生した場合、まず周辺機器がすべて外れているか確認してください。プリンターや外付けドライブなどが接続されていると、エラーの原因になることがあります。また、ノートパソコンの場合はACアダプタが確実に接続されているか確認しましょう。

BitLockerで暗号化されたストレージを使用している場合、回復キーの入力が求められることがあります。回復キーはMicrosoftアカウントに保存されていることが多く、Microsoftのウェブサイトからサインインして確認できます。それでも解決しない場合は、インストールメディアを再作成してみてください。

再インストール後のライセンス認証はどうなりますか？

通常、Windows11のデジタルライセンスはMicrosoftアカウントに紐付けられています。再インストール後、以前と同じMicrosoftアカウントでサインインすれば、自動的にライセンス認証が行われます。オンラインになった後、数分以内に自動認証されるのが一般的です。

ただし、マザーボードの交換など、デバイスに大幅なハードウェア変更を行った後に再インストールした場合は、ライセンス認証が完了しない可能性があります。その場合は、ライセンス認証のトラブルシューティングツールを使用して再アクティブ化を試みてください。設定からシステム、ライセンス認証と進み、トラブルシューティングを選択することで対処できます。

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まとめWindows11再インストールで快適なパソコン環境を取り戻そう

Windows11の再インストールは、パソコンの不調を解決する強力な手段です。しかし、準備不足のまま実行すると、大切なデータを失ったり、作業が途中で止まってしまったりする危険があります。この記事で紹介した6つの事前準備を必ず行い、自分の目的に合った再インストール方法を選択してください。

個人用ファイルを保持する方法は、データを残しながらシステムをリフレッシュしたい場合に最適です。一方、すべてを削除する方法は、パソコンを譲渡する場合や、完全にクリーンな状態から始めたい場合に適しています。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて使い分けることが成功の鍵となります。

再インストールには時間がかかるため、業務や日常生活に支障が出ないよう、余裕のあるタイミングで実行しましょう。バックアップ、プロダクトキーの確認、周辺機器の取り外しなど、事前準備を確実に行うことで、スムーズな再インストールが可能になります。

もし再インストール中に問題が発生した場合は、焦らずエラーメッセージを確認し、必要に応じてメーカーのサポートに問い合わせることをおすすめします。正しい手順で実行すれば、Windows11の再インストールによって、パソコンは購入時のような快適な動作を取り戻すことができるでしょう。