右クリックしたら、メニューがダラダラと長すぎて目的の操作が見つからない。アイコンだけ並んでいて、どれがコピーでどれが貼り付けかわからない。Windows11を使っていて、そんなストレスを感じたことはありませんか? 実はいま、Microsoftはこの「右クリックメニュー問題」に本気で取り組んでいます。2026年のInsider Previewでは、アイコン表示の改善からメニューの短縮化、さらには次世代の「分割コンテキストメニュー」まで、大幅な進化が次々と実装されつつあります。
この記事では、2026年3月時点で判明しているWindows11のコンテキストメニューに関するすべての改善点を、初心者にもわかりやすく、かつ上級者も満足できる深さで徹底解説します。Insiderビルドの最新動向から今後の展望まで、これを読めば右クリックメニューの未来がまるわかりです。
- 2026年2月のInsider Previewで「開く」操作にアプリアイコンが表示される新機能が実装され、どのアプリで開くか一目でわかるようになった。
- コンテキストメニューのグループ化によって項目数が最大で16個から12個へ減少し、視認性と操作スピードが大きく向上している。
- WinUIチームが開発中の「SplitMenuFlyoutItem」によって、右クリックメニューの縦幅が約30〜38%短縮される見込みであり、2026年後半の正式リリースが期待されている。
- なぜWindows11の右クリックメニューはこんなに不評だったのか?
- 2025年〜2026年にかけてのコンテキストメニュー改善の全体像
- 次世代の切り札「SplitMenuFlyoutItem」とは何か?
- 2026年後半のバージョン26H2で期待される新機能
- 直近のInsiderビルドで起きていること(2026年2月〜3月)
- 自分でできるコンテキストメニューのカスタマイズ方法
- 情シス歴10年超の現場目線で語る!右クリックメニューの「本当のトラブル」と解決手順
- PowerShellで一発解決!コンテキストメニューの高速トラブルシューティング
- 右クリックメニューが遅い問題を根本から直す実践手順
- エクスプローラーの先読みプリロード機能を使いこなす
- 現場で本当によく聞かれる「右クリック」トラブルQ&A
- PowerShellスクリプトで右クリックメニューの状態を一括診断する
- 知っておくと差がつく!コンテキストメニューの裏技と便利設定
- Windows11のコンテキストメニューの改善を正式版で受け取るまでのロードマップ
- ぶっちゃけこうした方がいい!
- Windows11の新コンテキストメニューやInsider2026のアイコン表示に関するよくある質問
- 今すぐパソコンやスマホの悩みを解決したい!どうしたらいい?
- まとめ
なぜWindows11の右クリックメニューはこんなに不評だったのか?
思い出してみてください。2021年にWindows11が登場したとき、右クリックメニューは「すっきりモダンになった」と話題になりました。従来のWindows10では、サードパーティ製アプリやシェル拡張機能がどんどん項目を追加していった結果、右クリックメニューは秩序のない長大なリストになっていたのです。Windows11ではこれを刷新し、コピーや貼り付けなどの基本操作をアイコンで上部にまとめ、残りの項目もシンプルに整理しました。
ところが、この改善には大きな落とし穴がありました。まず、アイコンだけの表示ではどのボタンが何をするのかわからないというユーザーが続出しました。とくにPCに詳しくない方や、高齢のユーザーにとっては「このマークはコピー? それとも切り取り?」と毎回迷ってしまう状況です。さらに、従来の完全なメニューを表示するには「その他のオプションを表示」をクリックする必要があり、パワーユーザーからは「ワンクリックで済んだ操作が二手間になった」という不満が噴出しました。
そしてリリースから4年以上が経過した現在、OneDriveの統合やCopilot関連の機能追加、各種アプリの「〜で編集」項目の増加などにより、せっかく短くなったはずの右クリックメニューが再び肥大化してしまっています。項目が増えれば増えるほどメニューの読み込みが遅くなり、表示されるまでに一瞬固まるような体験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
2025年〜2026年にかけてのコンテキストメニュー改善の全体像
Microsoftは2025年から2026年にかけて、段階的にコンテキストメニューの改善を進めています。ここでは時系列で主な変更をまとめます。
第1段階アイコンにテキストラベルを追加(2025年1月〜)
2025年1月、Insider Preview(Beta Channel Build 22635.4660)で最初の大きな改善が行われました。それまでアイコンだけで表示されていた「コピー」「切り取り」「貼り付け」「名前の変更」「共有」「削除」の6つの基本操作にテキストラベルが追加されたのです。これにより、アイコンの下に「コピー」「貼り付け」といった文字が表示され、各操作の内容がひと目で判断できるようになりました。
一見すると小さな変更に思えるかもしれませんが、毎日何十回も使う操作だからこそ、この改善のインパクトは絶大です。海外のテックメディアでも「ずっと待ち望んでいた修正だ」と高く評価されました。
第2段階メニュー項目のグループ化と短縮(2025年11月〜)
2025年11月のInsider Preview(Dev/Beta Channel Build 26220.7271)では、コンテキストメニューの構成そのものに手が入りました。Microsoftの公式発表によると、あまり頻繁に使用されないアクションのスペースを減らしつつ、引き続き簡単にアクセスできるようにしたとのことです。
具体的には、「ZIPに圧縮」「パスとしてコピー」「デスクトップの背景に設定」「回転」などの操作が新しい「ファイル管理」というフライアウトメニューにまとめられました。この変更によって、ある検証例では縦に16項目あったメニューが12項目に減少しています。クラウドプロバイダー関連のオプションもプロバイダーごとのサブメニューにまとめられ、全体的にすっきりした印象になりました。
また、メニュー項目の並び順も見直され、「開く」「プログラムから開く」「フォルダーの場所を開く」といった関連する操作が隣り合わせに配置されるようになりました。これは直感的な操作のために地味ながら重要な改善です。
第3段階「開く」操作にアプリアイコンを表示(2026年2月〜)
2026年2月20日にリリースされたInsider Preview(Dev Channel Build 26300.7877、Beta Channel Build 26220.7872)では、さらに一歩進んだ改善が実装されました。.exe、.bat、.cmdファイルを右クリックした際、「開く」の項目にそのファイルに関連付けられた既定アプリのアイコンが表示されるようになったのです。
たとえば、バッチファイルを右クリックすると「開く」の横にコマンドプロンプトのアイコンが表示され、実行ファイルなら関連付けられたアプリのアイコンが表示されます。これにより、どのアプリでファイルが開かれるのかを視覚的に即座に判断できるようになりました。
ただし、Insiderコミュニティからは「一部のファイルタイプでは正しくアイコンが表示されない」という報告も上がっています。Controlled Feature Rollout(段階的な機能展開)方式で配信されているため、すべてのInsiderですぐに確認できるわけではない点にも注意が必要です。
次世代の切り札「SplitMenuFlyoutItem」とは何か?
ここまで紹介した改善は、いわば「現行メニューの微調整」でした。しかし、Microsoftはもっと根本的な解決策も準備しています。それが「SplitMenuFlyoutItem」という新しいWinUIコントロールです。
分割コンテキストメニューの仕組み
2025年11月5日のWinUIコミュニティコールで公開されたこの新機能は、名前のとおり「メニュー項目を分割する」というコンセプトです。従来の右クリックメニューでは、たとえば画像ファイルを右クリックすると「フォトで開く」「フォトで編集」「デスクトップ背景に設定」「ペイントで編集」「Snipping Toolで開く」といった項目がすべて縦に並んでいました。
SplitMenuFlyoutItemでは、これが1行にまとまります。行の左側をクリックすれば最もよく使う操作(たとえば「フォトで開く」)が即座に実行され、行の右側にある小さな矢印をクリックまたはホバーすると、関連するその他のアクション(ペイントで編集、背景に設定など)がサブメニューとして展開されます。
この設計のポイントは、最も頻繁に使う操作はワンクリック、それ以外もツークリックでアクセスできるという点です。メニューの縦幅は大幅に短縮されながら、機能は一切削られていません。Microsoftのデモやスクリーンショットの比較分析では、ファイルタイプによってメニューの縦幅が約30〜38%短縮されると報告されています。
開発者向けのAPIとして提供される
重要な点として、SplitMenuFlyoutItemはWindows App SDK 2.0の実験版(exp3)を通じて開発者向けに提供される予定です。つまり、最初はWinUI 3で構築されたアプリ(Microsoftフォト、メールなど)から対応が始まり、段階的にほかのアプリへ広がっていく流れになります。
開発者はこのAPIを使って、自分のアプリの右クリックメニューで「どの操作をプライマリ(主要)アクションにするか」「どの操作をセカンダリ(補助)アクションにするか」を定義できます。さらに、ファイルの種類に応じてセカンダリアクションの内容を動的に変更する「コンテキストアウェア(状況認識)」な設計も可能です。
ただし、この新機能がWindowsのシェル(エクスプローラー全体)に適用されるかどうかは、2026年3月時点ではまだ正式に発表されていません。WinUIベースのアプリから始まり、最終的にはOS全体に広がる可能性はありますが、従来のWin32シェル拡張機能との互換性の問題があるため、慎重に進められるとみられています。
2026年後半のバージョン26H2で期待される新機能
コンテキストメニューの改善は、2026年後半にリリースが予想されるWindows11バージョン26H2の目玉機能のひとつになると考えられています。ここでは、コンテキストメニュー以外にも注目すべき関連機能を紹介します。
タスクバーの検索がCopilotに進化する
タスクバーのWindows検索が「Ask Copilot on the taskbar」に変わる計画があります。コンシューマー向けではCopilot VisionやCopilot Voiceが、法人向けではMicrosoft 365 CopilotやAIエージェント機能が重視されます。この機能はオプションとして提供され、設定アプリから無効にすれば従来の検索に戻せるとのことです。なお、AIエージェントがローカルストレージにアクセスするには明示的な許可が必要であり、勝手にファイルを読み取ることはないようガードレールが設けられています。
通知センターにOutlook予定表が統合される
ショートカットキー
Win+N
で開く通知センターに、Outlookと連携した予定表が追加されます。Windows10のアクションセンターでは対応済みだった機能ですが、Windows11では初めての登場です。WebView2(EdgeベースのUI技術)で実装されるため、100MB以上のメモリを消費する可能性がある点は気になるところです。
「ファイル名を指定して実行」ダイアログの刷新
Win+R
でおなじみの「ファイル名を指定して実行」も見た目が変わります。タイトルバーやキャンセルボタンが削除され、Windows11のモダンなカード表示スタイルに統一されます。ただし、この変更は自分で有効にしないと使えない可能性も指摘されています。
直近のInsiderビルドで起きていること(2026年2月〜3月)
2026年2月下旬から3月上旬にかけて、Insider Programではさらに活発な動きが見られます。最新のビルド情報をまとめると、Dev Channel(Build 26300.7939)とBeta Channel(Build 26220.7934)が2月27日にリリースされ、Canary Channel(Build 28020.1673)も更新されています。
これらのビルドでは、バッチファイルの実行中改ざん防止機能(レジストリキー
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Command Processor
にDWORD値
LockBatchFilesWhenInUse
を設定)や、Bluetooth LEオーディオの共有機能における個別ボリュームスライダーの追加、Narratorのカスタマイズ強化などが含まれています。
また、2026年3月10日に予定されている月例セキュリティアップデートでは、タスクバーからのネットワーク速度テスト機能や、SysmonのWindows11ネイティブ統合など、9つの新機能が正式版に投入される見込みです。コンテキストメニューに直接関わる大型変更はこの月例更新には含まれていないものの、Insiderで蓄積されてきた改善が着実に正式版へ反映される流れは明確です。
自分でできるコンテキストメニューのカスタマイズ方法
Microsoftの改善を待てない方のために、現時点で自分でできるカスタマイズ方法も紹介しておきましょう。
レジストリ編集でクラシックメニューに戻す
Windows11の新しいコンテキストメニューが使いにくいと感じる場合、レジストリを編集することで従来のWindows10スタイルのクラシックメニューを復活させることができます。方法はレジストリエディターで
HKEY_CURRENT_USER\Software\Classes\CLSID
配下に特定のキーを作成するものですが、Windowsのアップデートによって無効化される場合がある点には注意が必要です。
Shiftキーでの切り替え
もっと手軽な方法として、ファイルを右クリックする際にShiftキーを押しながらクリックすると、従来のクラシックな右クリックメニューが表示されます。これはレジストリの変更が不要で、状況に応じて新旧メニューを使い分けたい方におすすめです。
不要な項目を個別に削除する
「Ask Copilot」「Clipchampで編集」「フォトで編集」「Designerで作成」「ペイントで編集」「メモ帳で編集」「右に回転」「左に回転」といった項目は、レジストリの操作やサードパーティ製のツールを使って個別に削除することもできます。ただし、これらの方法はWindowsの更新で元に戻されることがあるため、Microsoftが公式にGUIで自由に変更できるオプションを実装してくれることがベストな解決策であることは言うまでもありません。
情シス歴10年超の現場目線で語る!右クリックメニューの「本当のトラブル」と解決手順
ここからは、記事前半で紹介したInsiderの新機能や将来の展望とは少し違う角度から、実際に現場でよく遭遇する右クリックメニューのトラブルと、その具体的な解決方法を情シス経験者の視点でお話しします。正直なところ、Insiderの新機能を追いかけるのもいいですが、目の前のPCで「右クリックが遅い」「メニューが固まる」「項目が消えた」という問題を抱えている方のほうが圧倒的に多いのが現実です。
右クリックメニューが3秒以上固まる原因の95%はシェル拡張機能
右クリックメニューが遅い原因として最も多いのが、サードパーティ製アプリが登録したシェル拡張機能(Shell Extensions)です。7-Zip、NVIDIA、ESET、Bitdefender、OneDrive、各種クラウドストレージなど、インストールしたアプリがこっそりコンテキストメニューにハンドラーを追加しています。これらのハンドラーは右クリックのたびにすべて読み込まれるため、数が増えると確実にメニュー表示が遅くなります。
もうひとつ見落としがちなのが、切断済みまたは到達不能なネットワークドライブです。NASや共有フォルダーをマウントしたまま、そのネットワーク機器の電源を切っていたり、VPN接続が切れていたりすると、Windowsはメニュー表示のたびにそのドライブへのアクセスを試みます。タイムアウトするまで待つため、5秒〜10秒の遅延が発生することがあります。これは情シスの現場でも本当によくあるケースで、ユーザーから「急にPCが重くなった」と相談されて調べたら、前日に切り離したファイルサーバーのドライブレターが残っていた、なんてことが頻発します。
PowerShellで一発解決!コンテキストメニューの高速トラブルシューティング
ここからは、実際に使えるPowerShellコマンドとコマンドプロンプトのコードを具体的に紹介します。コピーしてそのまま実行できるようにしているので、ぜひ試してみてください。
クラシックコンテキストメニューの有効化と無効化
Windows11の新しい右クリックメニューを使い続ける義理はありません。とくに業務用途では、クラシックメニューのほうが圧倒的に効率的です。以下のPowerShellコマンドで、クラシックメニューを有効にできます。
クラシックメニューを有効にする(PowerShell)
$guid = "{86CA1AA0-34AA-4E8B-A509-50C905BAE2A2}"
New-Item -Path "HKCU:\Software\Classes\CLSID\" -Name $guid -Force
New-Item -Path "HKCU:\Software\Classes\CLSID\$guid" -Name InprocServer32 -Value "" -Force
Stop-Process -Name explorer -Force
このコマンドは管理者権限なしで実行できます。最後の
Stop-Process -Name explorer -Force
でエクスプローラーが自動再起動し、すぐにクラシックメニューが反映されます。再起動の必要はありません。
元のWindows11メニューに戻す(PowerShell)
Remove-Item -Path "HKCU:\Software\Classes\CLSID\{86CA1AA0-34AA-4E8B-A509-50C905BAE2A2}" -Recurse -Force
Stop-Process -Name explorer -Force
ここで非常に重要な注意点があります。このレジストリキーはHKCU(カレントユーザー)配下に作成されるため、管理者アカウントで実行すると管理者ユーザーにだけ適用され、普段使っている標準ユーザーには反映されません。情シスの現場で「やったのに効かない」と報告される原因の大半がこれです。必ず設定を変更したいユーザーアカウントでログインした状態で実行してください。
コマンドプロンプトでのワンライナー版
PowerShellが苦手な方向けに、コマンドプロンプト(管理者不要)でも実行できるワンライナーを紹介します。
クラシックメニュー有効化
reg.exe add "HKCU\Software\Classes\CLSID\{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}\InprocServer32" /f /ve
元に戻す
reg.exe delete "HKCU\Software\Classes\CLSID\{86ca1aa0-34aa-4e8b-a509-50c905bae2a2}" /f
実行後、タスクマネージャーで「エクスプローラー」を右クリックして「再起動」を選ぶか、以下のコマンドでエクスプローラーを再起動します。
taskkill /f /im explorer.exe && start explorer.exe
Intuneなど企業環境で一括展開する場合の落とし穴
企業のIT部門で「全社員のPCにクラシックメニューを適用したい」という要望はかなり多いのですが、Intuneでの展開にはハマりポイントがあります。IntuneのWin32アプリやPowerShellスクリプトはデフォルトでSYSTEMアカウントとして実行されるため、HKCUへの書き込みが意図したユーザーに反映されません。
この問題を解決するには、IntuneのPowerShellスクリプト配布で「ユーザーのコンテキストで実行」オプションを選択するか、グループポリシーのログオンスクリプトとして配布する方法が確実です。Active Directory環境であれば、グループポリシーの基本設定(Group Policy Preferences)でレジストリ項目を配布するのが最も管理しやすい方法です。
右クリックメニューが遅い問題を根本から直す実践手順
Insiderで改善されるのを待たなくても、今すぐ右クリックメニューを高速化する方法があります。ここでは、情シスの現場で実際に効果が確認できた手順を優先度順に紹介します。
手順1ネットワークドライブの幽霊を退治する
まず最初に確認すべきなのが、到達不能なネットワークドライブです。エクスプローラーで「PC」を開き、赤い×マークがついたネットワークドライブがないか確認してください。見つかったら右クリックして「切断」を選択します。PowerShellで確認する場合は以下のコマンドです。
Get-PSDrive -PSProvider FileSystem | Where-Object { $_.DisplayRoot -like "\\*" }
このコマンドでマウントされているネットワークドライブの一覧が表示されます。不要なものがあれば以下で削除できます。
net use Z: /delete
ドライブレターの「Z:」は実際のドライブレターに置き換えてください。この操作だけで右クリックの遅延が劇的に解消されるケースが本当に多いです。
手順2ShellExViewで問題のあるシェル拡張機能を特定する
次に、NirSoftが無料で提供しているShellExViewというツールを使って、問題を引き起こしているシェル拡張機能を特定します。このツールはインストール不要のポータブルアプリなので、USBメモリに入れておくと現場対応で重宝します。
具体的な手順は以下のとおりです。ShellExViewを管理者権限で起動したら、メニューバーの「Options」から「Hide All Microsoft Extensions」にチェックを入れます。これでMicrosoft製のシステム拡張が非表示になり、サードパーティ製だけが残ります。次に、「Type」列でソートして「Context Menu」と表示されている項目を見つけます。
過去の経験から、とくに問題を起こしやすいシェル拡張機能をお伝えしておくと、NVIDIAのコントロールパネル拡張、7-Zipのシェル拡張、各種アンチウイルスソフト(ESET、Bitdefender、Kasperskyなど)の右クリック統合、古いバージョンのDropboxやOneDriveの拡張が定番の犯人です。これらを一つずつ無効化しては右クリックの速度をテストすることで、原因を特定できます。
手順3メニュー表示の遅延値をレジストリで調整する
Windows自体のメニュー表示アニメーションに遅延設定があることは意外と知られていません。以下のレジストリ値を調整することで、メニューの表示速度を変更できます。
reg add "HKCU\Control Panel\Desktop" /v MenuShowDelay /t REG_SZ /d "0" /f
デフォルト値は「400」(ミリ秒)です。「0」に設定するとアニメーション遅延がなくなり、メニューが即座に表示されます。ただし、見た目の滑らかさは犠牲になるので、「50」〜「100」程度にしておくのがバランスとしてはおすすめです。
手順4視覚効果を必要最小限にする
メニューのアニメーション自体を無効にすることで、体感速度をさらに上げることができます。
SystemPropertiesPerformance
このコマンドを「ファイル名を指定して実行」(
Win+R
)で入力すると、パフォーマンスオプションが直接開きます。ここで「パフォーマンスを優先する」を選ぶと全アニメーションが無効化されますが、見た目が相当寂しくなるので、「ウィンドウの下に影を表示する」と「スクリーンフォントの縁を滑らかにする」だけは残しておくのが現場の定番設定です。右クリックメニューに関係するアニメーションだけを切りたい場合は、「メニュー項目をフェードまたはスライドして表示する」のチェックだけ外してください。
エクスプローラーの先読みプリロード機能を使いこなす
2026年1月のInsider Preview(Build 26220.7271)で実装が始まった「ウィンドウの先読みによる高速起動」機能は、コンテキストメニューの高速化とは直接関係ないものの、エクスプローラー全体の体感速度を向上させる注目の新機能です。
この機能はエクスプローラーの「フォルダーオプション」→「表示」タブに「ウィンドウの先読みを有効にして起動時間を短縮する」というチェックボックスとして表示されます。有効にすると、Windowsがアイドル時にエクスプローラーの一部をバックグラウンドで事前に読み込んでおき、実際にウィンドウを開いた際の表示速度を向上させます。
仕組みとしてはMicrosoft Edgeの「スタートアップブースト」やOfficeの事前読み込みと同じアプローチです。メモリ使用量が若干増える代わりに、初回表示の体感速度が明らかに速くなるというトレードオフがあります。メモリが8GB以上のPCであれば有効にしておいて問題ないでしょう。ただし、現時点ではInsider Previewの一部ユーザーにのみ段階配信されている機能であり、通常版には未実装です。
現場で本当によく聞かれる「右クリック」トラブルQ&A
右クリックメニューに「ターミナルで開く」が表示されなくなったのですが?
Windows11のアップデート後に「ターミナルで開く」(Open in Terminal)が消えるケースは結構あります。原因の多くは、Windows Terminal自体のアップデートが不完全だった場合か、シェル拡張の登録が壊れた場合です。以下のPowerShellコマンドで修復を試みてください。
Get-AppxPackage Microsoft.WindowsTerminal -AllUsers | ForEach-Object { Add-AppxPackage -Register "$($_.InstallLocation)\AppxManifest.xml" -DisableDevelopmentMode -ForceApplicationShutdown }
このコマンドはWindows Terminalのパッケージ登録をやり直してくれます。実行後にエクスプローラーを再起動すれば、多くの場合メニューに「ターミナルで開く」が復活します。
クラシックメニューに戻したら「新規作成」が消えたのですが?
クラシックメニューへの切り替え後に「新規作成」サブメニューが空になる、あるいは消えてしまうという報告が一部であります。これはレジストリの別の部分が壊れている場合に発生します。以下のコマンドでShellNewキーの状態を確認してください。
Get-ChildItem -Path "Registry::HKEY_CLASSES_ROOT" -Recurse -ErrorAction SilentlyContinue | Where-Object { $_.PSChildName -eq "ShellNew" } | Select-Object -First 20 PSPath
正常であれば、
.txt
や
.docx
などの拡張子配下にShellNewキーが存在しているはずです。もし期待する拡張子のShellNewキーが見当たらない場合は、該当するアプリ(WordやExcelなど)の修復インストールを実行するのが最も確実な対処法です。
右クリックのたびにexplorer.exeがクラッシュするのですが?
これは2026年1月のInsider Previewでも修正された既知の問題ですが、通常版でもサードパーティ製シェル拡張が原因で発生することがあります。イベントビューアーで原因を確認するのが最初のステップです。
Get-WinEvent -FilterHashtable @{LogName="Application"; ProviderName="Application Error"; Level=2} -MaxEvents 10 | Where-Object { $_.Message -like "*explorer*" } | Format-List TimeCreated, Message
このコマンドで、explorer.exeのクラッシュに関連するエラーログを直近10件表示できます。Messageの中に表示されるDLLファイル名が犯人のシェル拡張です。そのDLLが属するアプリを特定してアンインストールまたはアップデートすることで解決します。
PowerShellスクリプトで右クリックメニューの状態を一括診断する
ここで、情シスの方やパワーユーザー向けに、右クリックメニューの状態を一括で診断するPowerShellスクリプトを紹介します。このスクリプトは、現在登録されているコンテキストメニューハンドラーの一覧を取得し、Microsoft製かサードパーティ製かを判別して表示します。
$paths = @(
"Registry::HKEY_CLASSES_ROOT\*\shellex\ContextMenuHandlers",
"Registry::HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\shellex\ContextMenuHandlers",
"Registry::HKEY_CLASSES_ROOT\Directory\Background\shellex\ContextMenuHandlers",
"Registry::HKEY_CLASSES_ROOT\Drive\shellex\ContextMenuHandlers"
)
foreach ($path in $paths) {
Write-Host "`n===== $path =====" -ForegroundColor Cyan
if (Test-Path $path) {
Get-ChildItem -Path $path -ErrorAction SilentlyContinue | ForEach-Object {
$name = $_.PSChildName
$clsid = (Get-ItemProperty -Path $_.PSPath -ErrorAction SilentlyContinue)."(Default)"
Write-Host " Handler: $name | CLSID: $clsid" -ForegroundColor Yellow
}
} else {
Write-Host " (パスが存在しません)" -ForegroundColor Gray
}
}
このスクリプトを実行すると、ファイル、フォルダー、デスクトップ背景、ドライブそれぞれに登録されたコンテキストメニューハンドラーが一覧表示されます。見覚えのないCLSIDやハンドラー名が大量にある場合は、それがメニュー遅延の原因になっている可能性が高いです。表示されたCLSIDをGoogleで検索すれば、どのアプリが登録したものかすぐに判明します。
知っておくと差がつく!コンテキストメニューの裏技と便利設定
Shift+F10で新メニューをスキップする
キーボード操作が好きな方に覚えておいてほしいのが、
Shift+F10
というショートカットです。ファイルやフォルダーを選択した状態でこのキーを押すと、Windows11の新しいコンテキストメニューを飛ばして、直接クラシックコンテキストメニューが表示されます。レジストリを弄らなくても、この操作だけでクラシックメニューにアクセスできるので、たまにしか使わない操作をしたいときに便利です。
エクスプローラーのアドレスバーからPowerShellやコマンドプロンプトを直接開く
右クリックメニューから「ターミナルで開く」を選ぶ人は多いですが、もっと速い方法があります。エクスプローラーのアドレスバーに
または
cmd
と入力してEnterを押すだけで、そのフォルダーをカレントディレクトリとしてPowerShellまたはコマンドプロンプトが起動します。右クリックメニューを経由しないので、メニューの遅延にまったく影響されません。
送るメニューに自分だけのショートカットを追加する
右クリックの「送る」メニュー(SendTo)をカスタマイズしている人は意外と少ないのですが、これが非常に便利です。
Win+R
で「ファイル名を指定して実行」を開き、以下を入力してください。
shell:sendto
SendToフォルダーが開くので、ここによく使うアプリのショートカットやフォルダーのショートカットを入れておけば、右クリックの「送る」からすぐにアクセスできます。たとえば、よく使うテキストエディタのショートカットを入れておけば、どんなファイルでも右クリック→送る→エディタで即座に開けます。地味ですが、コンテキストメニューのカスタマイズとして最もリスクが低く、効果が高い方法です。
右クリックメニューに独自の項目を追加するレジストリ操作
デスクトップの右クリックメニューによく使うアプリを追加したい場合、以下のPowerShellコマンドで実現できます。ここでは例としてメモ帳を追加します。
$appName = "Notepadで開く"
$appPath = "C:\Windows\notepad.exe"
$basePath = "HKCU:\Software\Classes\Directory\Background\shell\$appName"
New-Item -Path $basePath -Force
New-Item -Path "$basePath\command" -Force
Set-ItemProperty -Path "$basePath\command" -Name "(Default)" -Value "`"$appPath`""
Set-ItemProperty -Path $basePath -Name "Icon" -Value $appPath
「$appName」と「$appPath」を変更すれば、どんなアプリでも追加できます。アイコンも自動で表示されるので見た目もわかりやすいです。不要になったら以下で削除します。
Remove-Item -Path "HKCU:\Software\Classes\Directory\Background\shell\Notepadで開く" -Recurse -Force
Windows11のコンテキストメニューの改善を正式版で受け取るまでのロードマップ
ここまでの情報を整理すると、コンテキストメニューの改善がInsider Previewから正式版に降りてくるまでの流れが見えてきます。2026年3月時点での見通しを時系列でまとめておきます。
| 時期 | 変更内容 | 配信状況 |
|---|---|---|
| 2025年1月 | コピー・貼り付け等のアイコンにテキストラベル追加 | 正式版24H2で配信済み |
| 2025年11月 | 項目のグループ化と「ファイル管理」フライアウトの導入 | Insider Preview(Dev/Beta)で実装 |
| 2025年11月 | SplitMenuFlyoutItemのWinUI開発者プレビュー公開 | Windows App SDK 2.0 exp3で利用可能 |
| 2026年2月 | 「開く」操作へのアプリアイコン表示 | Insider Preview(Dev Build 26300.7877〜)で段階配信 |
| 2026年3月 | 月例更新でSysmon統合、ネットワーク速度テスト等の新機能 | 正式版25H2/24H2で配信予定(3月10日) |
| 2026年10月(予想) | バージョン26H2としてInsiderの改善を一括反映 | 未発表(Insiderでの蓄積が前提) |
この表からわかるように、テキストラベルの追加以外の大きな変更は、まだ正式版には来ていません。項目のグループ化やアイコン表示は早ければ2026年の月例更新で段階的に配信される可能性がありますが、SplitMenuFlyoutItemによる抜本的なUI革新は2026年後半以降になるとみられます。
ぶっちゃけこうした方がいい!
ここまで長々と書いてきましたが、10年以上情シスをやってきた人間として本音を言わせてもらうと、Microsoftの改善を待ち続けるのは正直しんどいです。テキストラベルの追加に何年かかったか覚えていますか? 2021年にWindows11が出てから、アイコンにテキストを付けるだけで2025年までかかっています。SplitMenuFlyoutItemがシェル全体に適用される日がいつ来るかなんて、正直誰にもわかりません。
だから個人的にはこうしたほうが、ぶっちゃけ楽だし効率的だと思っています。まず、業務用PCは迷わずクラシックコンテキストメニューに切り替えてしまうこと。先ほど紹介したPowerShellのワンライナーをログオンスクリプトに仕込んでおけば、全社員のPCに一括適用できます。見た目がモダンじゃなくなるのが気になる? いや、仕事の道具に求めるのは効率であって見た目ではないでしょう。クラシックメニューなら表示は一瞬、すべての項目が一発で見える、操作は確実にワンステップ少ない。これだけで1日あたり数十秒は確実に節約できます。チリも積もれば年間で何時間にもなります。
次に、ShellExViewは全情シス担当者の必携ツールにすべきです。USBメモリに入れておいて、右クリックが遅いと相談されたら即座に起動。サードパーティのシェル拡張を上から順に無効化して犯人を特定する。この手順を知っているだけで、現場対応の速度が段違いに変わります。NVIDIAとアンチウイルスソフトが二大犯人なので、まずそこから試すのが鉄板です。
そして最後に、一番伝えたいのは「Microsoftの公式改善を待つ」と「自分で最適化する」は両立できるということです。Insider Previewの新機能は確かにワクワクしますし、SplitMenuFlyoutItemが実装されたらメニューの使い勝手は劇的に良くなるでしょう。でも、それを待っている間にも毎日の右クリックは発生し続けます。今日紹介したPowerShellコマンドやShellExViewの活用、SendToフォルダーのカスタマイズ、アドレスバーからの直接起動といった「今すぐできる最適化」を先にやっておく。そのうえでInsiderの新機能が降りてきたら、そのときまた設定を見直せばいい。この「攻めと守りの両立」こそが、Windows環境をストレスなく使いこなすための最も合理的なアプローチだと、現場をずっと見てきた人間として断言できます。
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Windows11の新コンテキストメニューやInsider2026のアイコン表示に関するよくある質問
コンテキストメニューのアイコンにテキストラベルが表示されないのですが?
テキストラベルの表示機能は段階的に展開されているため、すべてのユーザーに同時に配信されるわけではありません。まずはWindows Updateの設定で「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」トグルをオンにしてください。一般ユーザー向けにはWindows11バージョン24H2以降の累積更新プログラムで順次提供されています。もしまだ表示されない場合は、次回の更新で対応される可能性が高いので少し待ってみましょう。
「開く」の横にアプリアイコンが表示される機能はいつ正式版に来るのですか?
2026年2月20日のInsider Preview(Build 26300.7877およびBuild 26220.7872)で初めて実装された機能であり、現時点ではInsider Program参加者のみが利用できます。Controlled Feature Rolloutで段階的に配信されているため、Insiderでも全員に表示されるわけではありません。正式版への反映時期は公表されていませんが、2026年後半のバージョン26H2に含まれる可能性が高いと考えられます。
SplitMenuFlyoutItem(分割コンテキストメニュー)は一般ユーザーも使えるようになりますか?
現時点ではWinUI 3ベースのアプリ開発者向けに提供される予定であり、一般ユーザーがすぐに体験できるものではありません。ただし、MicrosoftフォトやエクスプローラーなどのOS標準アプリが先行して対応すれば、アプリを通じて一般ユーザーも恩恵を受けることになります。Windowsのシェル全体(すべての右クリックメニュー)への適用については、まだ公式な発表はありません。
Insider Previewに参加していなくてもコンテキストメニューの改善は受けられますか?
はい、受けられます。Insider Previewでテストされた機能は、フィードバックを反映しながら最終的に正式な累積更新プログラムとして一般ユーザーにも配信されます。ただし、Insiderで提供された機能がすべてそのまま正式版に含まれるとは限らず、仕様変更や機能の削除が行われることもあります。
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まとめ
Windows11の右クリックメニューは、2021年のリリース時から賛否両論を集め続けてきました。しかし2025年から2026年にかけて、Microsoftはかつてないほど積極的にこの問題に取り組んでいます。テキストラベルの追加、項目のグループ化と短縮、アプリアイコンの表示、そして将来的にはSplitMenuFlyoutItemによる根本的なUI革新。これらが組み合わさることで、右クリックメニューは「わかりやすく、速く、コンパクト」なものへ生まれ変わろうとしています。
もしあなたが右クリックメニューの使い勝手に不満を感じているなら、今こそInsider Programに参加して最新の改善をいち早く体験してみてはいかがでしょうか。Windows Updateの設定画面から「Windows Insider Program」を選択すれば、数分で参加手続きが完了します。もちろん、安定性を重視したい方は正式版への反映を待つのも賢明な選択です。いずれにせよ、Windows11のコンテキストメニューはいま、確実に良い方向へ進化しています。






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