PowerShellを使っていると、「スクリプトが実行できない」「セキュリティ設定が原因かも」といった場面に出くわすことがあります。そんなときに役立つのが、`Get-ExecutionPolicy`コマンドレットです。今回は、このコマンドを使って、スクリプト実行ポリシーを確認する方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
PowerShellの実行ポリシーとは？
Windowsのイメージ
PowerShellには、スクリプトの実行を制御する「実行ポリシー」があります。これは、悪意のあるスクリプトからPCを守るためのセキュリティ機能です。主なポリシーには以下のようなものがあります
- Restrictedスクリプトの実行が禁止されている最も厳しい設定です。
- RemoteSignedインターネットからダウンロードしたスクリプトは、信頼できる発行者によって署名されている必要があります。
- Unrestrictedすべてのスクリプトが実行可能ですが、インターネットからダウンロードしたスクリプトを実行する際に警告が表示されます。
- AllSignedすべてのスクリプトが信頼できる発行者によって署名されている必要があります。
- Undefined実行ポリシーが設定されていない状態です。
「Get-ExecutionPolicy」を使って現在のポリシーを確認する
現在の実行ポリシーを確認するには、PowerShellを開いて以下のコマンドを入力します
Get-ExecutionPolicy
このコマンドを実行すると、現在設定されている実行ポリシーが表示されます。例えば、「RemoteSigned」と表示された場合、インターネットからダウンロードしたスクリプトは信頼できる発行者によって署名されている必要があります。
複数のスコープでのポリシーを確認する
PowerShellには、実行ポリシーを設定できるスコープ（範囲）がいくつかあります。これらのスコープごとのポリシーを確認するには、以下のコマンドを使用します
Get-ExecutionPolicy -List
これにより、各スコープ（MachinePolicy、UserPolicy、Process、CurrentUser、LocalMachine）ごとの実行ポリシーが一覧で表示されます。例えば、以下のような結果が得られるかもしれません
Scope ExecutionPolicy
--
MachinePolicy Undefined
UserPolicy Undefined
Process Undefined
CurrentUser RemoteSigned
LocalMachine AllSigned
この例では、`CurrentUser`（現在のユーザー）スコープで「RemoteSigned」が設定されており、`LocalMachine`（コンピューター全体）スコープで「AllSigned」が設定されています。
実行ポリシーを変更する方法
実行ポリシーを変更するには、`Set-ExecutionPolicy`コマンドレットを使用します。例えば、現在のユーザーの実行ポリシーを「RemoteSigned」に変更するには、以下のコマンドを実行します
Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
このコマンドを実行すると、ポリシーが変更されます。ただし、管理者権限が必要な場合がありますので、その際はPowerShellを「管理者として実行」してください。
注意点とまとめ
* 実行ポリシーはセキュリティのための設定であり、不適切な設定はPCを危険にさらす可能性があります。
* スクリプトを実行する前に、信頼できるソースからのものであることを確認してください。
* 実行ポリシーを変更する際は、必要最小限の範囲と期間で行うようにしましょう。
よくある質問や疑問
Q1: 実行ポリシーを変更した後、PCを再起動する必要がありますか？
通常、実行ポリシーの変更は即時に反映されますので、PCの再起動は不要です。ただし、変更が反映されない場合は、PowerShellを再起動してみてください。
Q2: 実行ポリシーを「Unrestricted」に設定すると、どんなリスクがありますか？
「Unrestricted」に設定すると、すべてのスクリプトが実行可能になりますが、インターネットからダウンロードしたスクリプトに対する警告が表示されます。信頼できないスクリプトを実行すると、PCが感染するリスクがありますので、注意が必要です。
Q3: 実行ポリシーを変更できない場合、どうすればよいですか？
実行ポリシーが変更できない場合、グループポリシーや管理者権限が影響している可能性があります。必要に応じて、システム管理者に相談してください。
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まとめ
PowerShellの実行ポリシーは、スクリプトの実行を制御する重要なセキュリティ機能です。`Get-ExecutionPolicy`コマンドを使って現在の設定を確認し、必要に応じて`Set-ExecutionPolicy`で変更することで、安全にスクリプトを実行できます。実行ポリシーを変更する際は、セキュリティリスクを理解し、慎重に行動してください。
他にも疑問やお悩み事があればお気軽にLINEからお声掛けください。
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