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Googleドキュメントでオーナー権限移行ができない?7つの原因と確実な解決策を完全ガイド

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「Googleドキュメントのオーナー権限を譲渡しようとしたのに、メニューにそのオプションが出てこない……」そんな経験をしたことはありませんか?退職者の引き継ぎ作業中に焦ったり、チーム内の担当変更でドキュメント管理が止まってしまったり。実はこの問題、世界中のGoogle Workspaceユーザーが日常的にぶつかっている「あるある」なんです。

この記事では、Googleドキュメントでオーナー権限の移行ができない原因を7つのパターンに分類し、それぞれの具体的な解決策をわかりやすく解説します。2026年3月時点の最新仕様に基づいた正確な情報をお届けしますので、初心者の方も安心して読み進めてください。

この記事のポイント!

  • オーナー権限の移行ができない7つの原因と、それぞれの具体的な対処法
  • 管理者向け一括移行やGoogle Apps Scriptを活用した効率的な権限管理テクニック
  • 共有ドライブの活用でオーナー権限の悩みを根本から解消する方法
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  1. そもそもGoogleドキュメントの「オーナー」とは何か?
  2. Googleドキュメントでオーナー権限の移行ができない7つの原因
    1. 原因1スマートフォンやタブレットから操作している
    2. 原因2譲渡先のユーザーが「編集者」に設定されていない
    3. 原因3Googleフォーマット以外のファイルを移行しようとしている
    4. 原因4異なるドメイン間で譲渡しようとしている
    5. 原因5個人アカウント間でもエラーが発生するケース
    6. 原因6フォルダのオーナー変更で中身が変わらない
    7. 原因7管理者による制限がかかっている
  3. 正しい手順で確実にオーナー権限を移行する方法
    1. 個人ユーザー向けの手順(ドキュメント単位)
    2. 管理者向けの一括移行手順(管理コンソール)
  4. 共有ドライブを活用してオーナー問題を根本から解決する
  5. 上級者向けのテクニックと知っておきたい落とし穴
    1. Google Apps Scriptで大量ファイルのオーナーを変更する
    2. オーナー権限を譲渡した後に知っておくべきこと
    3. セキュリティ調査ツールの活用
  6. 情シス歴10年超の視点で語る「オーナー権限トラブル」のリアルな現場
    1. 退職日当日に「ファイル移行忘れてました」と言われる問題
    2. 退職者対応で絶対にやるべき「アカウント処理の正しい順番」
    3. 「孤児ファイル」問題の発見と対処
  7. 現場で使えるGoogle Apps Scriptを4つ紹介
    1. スクリプト1特定フォルダ内の全ファイルのオーナー情報を一覧化する
    2. スクリプト2特定ユーザーがオーナーのファイルを一括でオーナー変更する
    3. スクリプト3外部公開されているファイルを検出するセキュリティ監査ツール
    4. スクリプト4非Googleフォーマットのファイルをコピーして実質的にオーナーを変更する
  8. GASスクリプトを初めて使う人のための実行手順
  9. 現場で本当に困った「想定外トラブル」5選とその解決法
    1. トラブル1移行したはずのファイルが相手のドライブに見当たらない
    2. トラブル2一括移行が36時間経っても終わらず失敗になる
    3. トラブル3退職者のGoogleフォームの回答データが消えた
    4. トラブル4共有ドライブに移動したファイルのバージョン履歴が消えた
    5. トラブル5Apps Scriptで書いたトリガーが退職者のアカウント削除後に止まる
  10. 情シスが退職者対応で使うべきチェックリスト
  11. Google Workspaceのエディション別でできることの違い
  12. 個人アカウント(Gmail)ユーザーが知っておくべき制約と回避策
    1. 個人アカウント間のオーナー譲渡には相手の承諾が必須
    2. 個人アカウントからWorkspaceアカウントへの移行テクニック
  13. ぶっちゃけこうした方がいい!
  14. Googleドキュメントでオーナー権限移行ができないときのよくある質問
    1. オーナーがすでに退職してアカウントも削除されている場合はどうすればいいですか?
    2. Gmailアカウント(個人)からGoogle Workspaceアカウント(職場用)にオーナーを移せますか?
    3. 「オーナー権限を譲渡」のメニューがどこにも見当たりません
    4. オーナー権限を譲渡した後にやり直すことはできますか?
    5. 24時間で750GBの制限に引っかかった場合はどうすればいいですか?
  15. 今すぐパソコンやスマホの悩みを解決したい!どうしたらいい?
  16. まとめ

そもそもGoogleドキュメントの「オーナー」とは何か?

Googleドキュメントのイメージ

Googleドキュメントのイメージ

まず基礎から確認しましょう。Googleドキュメントにおけるオーナーとは、そのファイルに対して最も強い権限を持つユーザーのことです。ドキュメントを新規作成した人が自動的にオーナーになり、1つのファイルにつきオーナーは必ず1人だけと決まっています。

オーナーにはファイルの削除、共有設定の変更、他ユーザーのアクセス権の管理、そしてオーナー権限そのものを別のユーザーに譲渡する権利があります。つまり、オーナーだけがファイルの「生殺与奪権」を持っていると考えると分かりやすいですね。

一方で、オーナー以外には「編集者」「閲覧者(コメント可)」「閲覧者」という3段階の権限が存在します。これらの権限は複数人に付与できますが、オーナー権限の譲渡先として指定できるのは「編集者」として登録済みのユーザーだけです。ここが最初のつまずきポイントになることが多いので、しっかり覚えておきましょう。

権限の種類 できること 付与可能な人数
オーナー 全操作(削除・共有設定変更・権限譲渡など) 1人のみ
編集者 内容の編集、コメント、提案 複数人
閲覧者(コメント可) 閲覧とコメントのみ 複数人
閲覧者 閲覧のみ 複数人

Googleドキュメントでオーナー権限の移行ができない7つの原因

「権限の譲渡」ボタンが表示されなかったり、操作してもエラーが出たりする原因は実にさまざまです。ここでは、世界中のユーザーコミュニティやGoogleの公式ヘルプで報告されている主な原因を7つにまとめました。あなたのケースがどれに当てはまるか、順番に確認してみてください。

原因1スマートフォンやタブレットから操作している

これは最も見落としやすい原因のひとつです。iPhoneやiPad、Androidスマートフォンのアプリ版Googleドキュメントやスプレッドシートでは、オーナー権限を譲渡する機能が提供されていません。画面上に「オーナー権限を譲渡」という選択肢そのものが表示されないため、「壊れているのでは?」と勘違いしがちです。

解決策はシンプルで、パソコンのブラウザからGoogleドライブにアクセスすれば問題なく操作できます。ChromeやEdge、Safariなど、どのブラウザでも構いません。スマホしか手元にない場合は、ブラウザアプリでGoogleドライブのPC版サイトを開くことで代用できる場合もあります。

原因2譲渡先のユーザーが「編集者」に設定されていない

Googleのルールでは、オーナー権限の譲渡先は「編集者」として共有済みのユーザーに限定されています。「閲覧者」や「閲覧者(コメント可)」のままでは、譲渡先としての候補に表示されません。

対処法は簡単です。まず対象のドキュメントの「共有」設定を開き、譲渡したい相手の権限を「編集者」に変更してから、改めてオーナー権限の譲渡を行ってください。まだファイルを共有していない相手には、先に「編集者」としてファイルを共有しておく必要があります。

原因3Googleフォーマット以外のファイルを移行しようとしている

ここが一番多くの人がハマるポイントです。オーナー権限を変更できるのは、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライド、図形描画、マイマップなどGoogleフォーマットのファイルだけです。Googleドライブに保存してあるWordファイルやExcelファイル、PDFや動画ファイルのオーナーは変更できません。

もしWord形式のファイルのオーナーを変えたい場合は、そのファイルを開いて「ファイル」メニューから「Googleドキュメントとして保存」を選択してGoogleフォーマットに変換してください。変換後のファイルは自分がオーナーになるので、そこから通常の手順でオーナー権限を譲渡できます。同様に、ExcelファイルはGoogleスプレッドシートに変換することで対処可能です。

動画ファイルなどGoogleフォーマットへの変換ができないファイルは、コピーを作成することで実質的にオーナー変更と同じ結果を得ることができます。コピーした人が新しいファイルのオーナーになるので、コピー後に元ファイルを削除すればスムーズです。

原因4異なるドメイン間で譲渡しようとしている

Google Workspaceを利用している場合、オーナー権限の譲渡は同じドメイン内のアカウント間でしかできません。たとえば「@company-a.com」のアカウントから「@company-b.com」のアカウントへ、あるいは個人のGmailアカウントからWorkspaceアカウントへの直接的なオーナー譲渡はブロックされます。

Googleの公式ヘルプにも明記されているとおり、個人アカウントから職場・学校用アカウントへのオーナー移行は不可能で、逆のパターンも同様です。さらに注意が必要なのは、譲渡リクエストを送った後に相手のアカウントの種類が変わってしまった場合(たとえば個人アカウントがWorkspaceアカウントに移行した場合)、保留中のリクエストを受諾できなくなる点です。

この場合の回避策としては、ファイルをダウンロードして新しいアカウントから再アップロードする方法や、共有ドライブを中継点として使う方法があります。共有ドライブを経由する場合は、旧アカウントでファイルを共有ドライブに移動し、新アカウントで共有ドライブからマイドライブに移動することで、新アカウントがオーナーになれます。

原因5個人アカウント間でもエラーが発生するケース

通常、個人のGmailアカウント同士であればオーナー権限の譲渡は可能です。しかし、世界中のユーザーフォーラムでは「個人アカウント間なのに譲渡できない」という報告が少なくありません。

この場合に考えられる原因は、相手のアカウントにセキュリティ上の制限がかかっている、Googleのサーバー側で一時的な障害が発生している、もしくは24時間あたり750GBの一括移行制限に引っかかっている、といったケースです。短時間に大量のファイルのオーナーを変更しようとすると、この制限に到達してエラーが出ます。24時間待ってから再度試してみてください。

原因6フォルダのオーナー変更で中身が変わらない

これも多くの人が混乱するポイントです。Googleドライブではフォルダのオーナーを変更しても、その中にあるファイルのオーナーは自動的に変更されません。フォルダとファイルのオーナーシップは独立しています。つまり、100個のファイルが入ったフォルダのオーナーを変えても、100個のファイルそれぞれのオーナーはそのままなのです。

ファイルごとに個別にオーナーを変更するか、Google Workspace管理者であれば管理コンソールの一括移行機能を使う必要があります。

原因7管理者による制限がかかっている

組織でGoogle Workspaceを利用している場合、管理者がファイル共有やオーナー変更に関するポリシーを設定していることがあります。たとえば「組織外へのファイル共有を禁止」していると、外部ユーザーへのオーナー権限の譲渡ができなくなります。自分の権限では解決できない場合は、IT管理者に相談してポリシーを確認してもらいましょう。

正しい手順で確実にオーナー権限を移行する方法

原因が特定できたら、あとは正しい手順で操作するだけです。ここでは、個人レベルでの移行方法と、管理者向けの一括移行方法の2パターンを紹介します。

個人ユーザー向けの手順(ドキュメント単位)

自分がオーナーであるGoogleドキュメントのオーナー権限を、別のユーザーに譲渡する手順を説明します。パソコンのブラウザから操作してください。

  1. Googleドライブを開いて、オーナーを変更したいファイルを右クリックし、「共有」から「共有」を選択します。
  2. 譲渡先のユーザーがまだ共有されていない場合は、メールアドレスを入力して「編集者」として追加します。
  3. 共有済みのユーザーの名前の横にあるプルダウンメニュー(下矢印アイコン)をクリックして、「オーナー権限を譲渡」を選択します。
  4. 確認画面が表示されるので「はい」をクリックすると、譲渡リクエストが送信されます。
  5. 譲渡先のユーザーにメールが届くので、相手がリクエストを承諾すれば移行完了です。

Google Workspaceアカウント(職場・学校用)では、同じ組織内のユーザーへの譲渡であれば相手の承諾が不要で即座に反映されます。個人のGmailアカウント間では、相手の承諾が必要です。

保留中の譲渡リクエストを確認したいときは、Googleドライブの検索バーに

pendingowner:me

と入力してください。自分宛てに届いている未承諾のオーナー譲渡リクエストが一覧表示されます。これは意外と知られていない便利なテクニックです。

管理者向けの一括移行手順(管理コンソール)

社員の退職や部署異動などで大量のファイルをまとめて移行する場合は、Google Workspace管理者が管理コンソールを使って一括操作できます。この方法なら、ファイルを1つずつ移行する手間が省けます。

  1. Google管理コンソールにログインし、「アプリ」→「Google Workspace」→「ドライブとドキュメント」の順に進みます。
  2. 「オーナー権限の移行」をクリックします(この操作にはサービス設定の管理者権限が必要です)。
  3. 「移行元のユーザー」に現在のオーナーのメールアドレスを入力し、「移行先のユーザー」に新しいオーナーのメールアドレスを入力します。
  4. 「ファイルを移行」をクリックして実行します。完了すると、移行元・移行先・管理者の3者に確認メールが届きます。

一括移行は36時間を超えると失敗するため、大量のファイルがある場合は分割して実行することをおすすめします。移行前に、移行元ユーザーのアカウントを一時停止しておくと、移行中にファイルが作成・移動されるトラブルを防げます。

もう一つ重要な注意点として、管理者による一括移行を行う前にアカウントを削除してしまうと、ファイルが自動的に削除されることがあります。削除後20日以内であれば特権管理者によるアカウント復元が可能ですが、20日を過ぎるとデータは完全に消滅し、Googleサポートでも復元できません。退職者対応では、必ずアカウント削除の前にファイル移行を完了させましょう。

共有ドライブを活用してオーナー問題を根本から解決する

ここまで読んで「面倒だな……」と感じた方には朗報です。実は、共有ドライブを使えば、個別のオーナー権限について悩む必要がほぼなくなります。

共有ドライブとは、Google Workspaceで使える組織単位のファイル管理スペースです。共有ドライブに保存されたファイルは、個人ではなく組織全体がオーナーになります。つまり、誰かが退職してもファイルが消えたりアクセスできなくなったりする心配がないのです。

2024年9月以降、Google WorkspaceのBusiness Starterプランでも共有ドライブが利用可能になりました。以前はBusiness Standard以上のプランでしか使えなかったため、この改善は多くの中小企業にとって大きなメリットです。ただし、Business Starterの共有ドライブには一部の高度な管理機能(外部ユーザーとの共有制限の詳細設定など)が制限されている点は留意してください。

共有ドライブを使うことで得られる具体的なメリットをまとめると、退職者が出てもオーナー変更の手続きが不要になること、ファイルの散逸リスクが大幅に減ること、チーム全員が同じ場所にあるファイルをすぐに見つけて共同作業できること、この3つが特に大きいです。チームのドキュメント管理は「個人のマイドライブ」から「共有ドライブ」に移行していくのが2026年のベストプラクティスと言えるでしょう。

上級者向けのテクニックと知っておきたい落とし穴

Google Apps Scriptで大量ファイルのオーナーを変更する

管理コンソールの一括移行は便利ですが、「特定のフォルダ内のファイルだけオーナーを変えたい」といった細かい条件には対応しにくいです。そんなときはGoogle Apps Scriptが強力な味方になります。DriveAppクラスのメソッドを使えば、フォルダ内のファイルを自動で走査して、条件に合うファイルだけオーナーを変更するスクリプトを書くことも可能です。

ただし、Google Drive APIを使ったオーナー権限の譲渡にも同じルールが適用されます。同一ドメイン内でしか譲渡できないこと、Googleフォーマットのファイルしか対象にできないことなど、手動操作と同じ制約があることを忘れないでください。また、APIによる大量操作にはレートリミットが存在するため、一度に何千ものファイルを処理する場合は適切な待機時間を設ける必要があります。

オーナー権限を譲渡した後に知っておくべきこと

オーナー権限の譲渡が完了した後、元のオーナーは自動的に「編集者」にダウングレードされます。つまり、譲渡後もファイルの閲覧・編集は引き続き可能です。ただし、新しいオーナーが元オーナーのアクセス権を変更したり、共有設定から除外したりすることは自由にできます。

もうひとつ見落としがちなのが、ファイルのオーナーを変更するとストレージの使用量が移動するという点です。オーナー権限を譲渡したファイルは、元オーナーのストレージ容量からカウントされなくなり、新しいオーナーのストレージにカウントされます。容量に余裕がないユーザーにオーナーを移すと、相手のストレージを圧迫してしまう可能性があるので気をつけてください。

セキュリティ調査ツールの活用

Google Workspaceの管理者であれば、セキュリティ調査ツールを使ってオーナーが不明なファイルや、退職済みアカウントが保持しているファイルのオーナーを変更することもできます。通常の一括移行では対応できないケース(オーナーのアカウントがすでに停止・削除されているなど)で活躍する機能です。

情シス歴10年超の視点で語る「オーナー権限トラブル」のリアルな現場

Googleドキュメントのイメージ

Googleドキュメントのイメージ

ここからは、Google Workspaceの管理を10年以上にわたって担当してきた情シス視点のリアルな話をします。公式ドキュメントには載っていないけれど、現場で何度も遭遇した「あるある」と、その具体的な対処法をお伝えします。

退職日当日に「ファイル移行忘れてました」と言われる問題

これ、本当に多いです。退職日の夕方、総務から「今日中にアカウント消してください」と連絡が来て、慌ててログインしてみたら大量のドキュメントがマイドライブにある。しかもそのファイルが他部署のメンバーと共有されていて、消すわけにもいかない。

こういうときに焦ってアカウントを削除してしまうのが最悪のパターンです。まず落ち着いて、アカウントは削除ではなく「停止(サスペンド)」にしてください。停止状態であればファイルは残りますし、ログインもブロックできます。停止してから30日間の猶予を設けて、じっくりファイル移行を行えばいいのです。

実際にあったケースとして、営業部のマネージャーが退職した際、そのマネージャーのマイドライブに顧客リストや提案書が300件以上入っていたことがありました。管理コンソールの一括移行で後任のマネージャーに全ファイルを移行しましたが、移行先のストレージを15GB以上圧迫してしまい、今度は後任者のGmailが受信できなくなるという二次災害が発生。ファイル移行の前に、移行先のストレージ残量を必ず確認しましょう。

退職者対応で絶対にやるべき「アカウント処理の正しい順番」

退職者のアカウントを処理する順序を間違えると、取り返しのつかないデータ損失が発生します。情シス歴10年の経験から導き出した鉄板の処理フローがこちらです。

  1. パスワードを即座に変更する。退職日の朝一番に実施し、ログイン中のセッションもすべてリセットします。管理コンソールの「ユーザー」画面から対象ユーザーの「セキュリティ」→「ログインCookie」→「リセット」をクリックすれば、全デバイスから強制ログアウトされます。
  2. 2段階認証のリカバリー情報を削除する。個人の電話番号やメールアドレスが登録されていると、パスワードリセット経由で再ログインされる可能性があります。
  3. アカウントを停止状態にする。削除ではなく「停止」です。この段階ではまだファイルもメールも全て残っています。
  4. Googleドライブのファイルを一括移行する。管理コンソールの「ドライブとドキュメント」→「オーナー権限の移行」から実行します。
  5. Gmailのメールデータを必要に応じてエクスポートする。Google Vault(Enterprise以上)があれば保全できますが、なければData Export機能を使います。
  6. Googleカレンダーのイベントオーナーを移行する。会議室予約などリソースを確保しているイベントがあれば、リソースの開放も忘れずに。
  7. Googleグループのメンバーシップから削除する。グループ経由でアクセスできるファイルやメーリングリストがあるため、漏れなく削除します。
  8. 30日間の猶予期間を経て、アカウントを削除する。何かトラブルが発覚しても、30日以内ならアカウントを復元してやり直せます。

管理コンソールでユーザーを削除する画面には「データの移行」オプションがありますが、ここで見落としがちなのが「共有されていないファイルも含める」というチェックボックスです。これにチェックを入れないと、誰とも共有されていない個人ファイルは移行されず、アカウントと一緒に削除されてしまいます。退職者が個人的に作成していた議事録や分析資料が消えるのはこのパターンが原因であることが非常に多いです。

「孤児ファイル」問題の発見と対処

退職者のアカウント削除後に、「あのファイルどこ行った?」と他部署から問い合わせが来ることがあります。これは俗に「孤児ファイル」と呼ばれる問題です。退職者がオーナーだったファイルが、移行漏れや処理ミスで宙に浮いた状態になっています。

この問題を防ぐには、退職者のアカウントを処理する前にドライブ監査レポートを取得しておくことが重要です。後述するGASスクリプトを使えば、特定ユーザーが所有する全ファイルのリストをスプレッドシートに出力できます。これを退職前のチェックリストに組み込んでおくと、移行漏れを大幅に減らせます。

現場で使えるGoogle Apps Scriptを4つ紹介

ここからは、オーナー権限の管理を劇的に効率化するGASスクリプトを紹介します。どれもGoogle Workspaceアカウント環境で動作確認済みのものです。コピー&ペーストして、必要な箇所を自分の環境に合わせて書き換えるだけで使えます。

スクリプト1特定フォルダ内の全ファイルのオーナー情報を一覧化する

「このフォルダの中にあるファイル、誰がオーナーなの?」という問い合わせは日常茶飯事です。このスクリプトは、指定したフォルダ内の全ファイルのオーナー、最終更新日、ファイル形式をスプレッドシートに一覧出力します。退職者対応前の事前調査に最適です。

Google Apps Script

function listFileOwners() {
// ここにフォルダIDを入力してください
var folderId = 'ここにフォルダIDを貼り付け';
var folder = DriveApp.getFolderById(folderId);
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();

// ヘッダー行を作成
sheet.clear();
sheet.appendRow[
'ファイル名', 'オーナー', 'オーナーのメール',
'ファイル形式', '最終更新日', 'ファイルURL'
]);

// フォルダ内のファイルを走査
scanFolder(folder, sheet);

SpreadsheetApp.getUi().alert('完了しました!');
}

function scanFolder(folder, sheet) {
var files = folder.getFiles();
while (files.hasNext()) {
var file = files.next();
try {
var owner = file.getOwner();
sheet.appendRow[
file.getName(),
owner ? owner.getName() : '不明',
owner ? owner.getEmail() : '不明',
file.getMimeType(),
file.getLastUpdated(),
file.getUrl()
]);
} catch (e) {
sheet.appendRow[
file.getName(), 'エラー', e.message,
'', '', file.getUrl()
]);
}
}

// サブフォルダも再帰的に走査
var subFolders = folder.getFolders();
while (subFolders.hasNext()) {
scanFolder(subFolders.next(), sheet);
}
}

フォルダIDは、Googleドライブでフォルダを開いたときのURLの末尾部分です。たとえば

https://drive.google.com/drive/folders/1ABC2DEF3GHI

なら

1ABC2DEF3GHI

の部分がフォルダIDになります。

スクリプト2特定ユーザーがオーナーのファイルを一括でオーナー変更する

退職者がオーナーになっているGoogleフォーマットのファイルを、後任者にまとめて移行するスクリプトです。管理コンソールの一括移行と異なり、特定のフォルダ配下に限定して実行できるのがメリットです。

Google Apps Script

function bulkTransferOwnership() {
// 設定項目
var targetFolderId = 'ここにフォルダIDを貼り付け';
var oldOwnerEmail = 'taisyoku-sha@example.com';
var newOwnerEmail = 'kounin-sha@example.com';

var folder = DriveApp.getFolderById(targetFolderId);
var log = ;

transferInFolder(folder, oldOwnerEmail, newOwnerEmail, log);

// 結果をログに出力
log.forEach(function(entry) {
Logger.log(entry);
});

Logger.log('処理完了: ' + log.length + '件のファイルを処理しました');
}

function transferInFolder(folder, oldEmail, newEmail, log) {
var files = folder.getFiles();
while (files.hasNext()) {
var file = files.next();
try {
var owner = file.getOwner();
if (owner && owner.getEmail() === oldEmail) {
// Googleフォーマットかどうかチェック
var mimeType = file.getMimeType();
if (mimeType.indexOf('google-apps') !== -1) {
file.setOwner(newEmail);
log.push('成功: ' + file.getName());
} else {
log.push('スキップ(非Googleフォーマット): ' + file.getName());
}
}
} catch (e) {
log.push('エラー: ' + file.getName() + ' - ' + e.message);
}
}

var subFolders = folder.getFolders();
while (subFolders.hasNext()) {
transferInFolder(subFolders.next(), oldEmail, newEmail, log);
}
}

このスクリプトの

file.setOwner()

メソッドはGoogle Workspaceアカウント間でのみ動作します。個人のGmailアカウント間では、2022年以降のGoogle側の仕様変更により、相手の承諾が必須になったため

setOwner()

がエラーになります。個人アカウントの場合は、後述の「コピー方式」スクリプトを使ってください。

スクリプト3外部公開されているファイルを検出するセキュリティ監査ツール

退職者対応とは少し視点が異なりますが、情シスとして絶対にやっておくべきなのが公開ファイルの監査です。「リンクを知っている全員」に設定されたまま放置されたファイルは、企業の情報漏洩リスクの温床になります。このスクリプトは、自分がオーナーのファイルのうち、外部公開状態のものを洗い出してスプレッドシートに出力します。

Google Apps Script

function auditPublicFiles() {
var sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
sheet.clear();
sheet.appendRow[
'ファイル名', '公開範囲', '権限レベル',
'最終更新日', 'URL'
]);

// 外部公開されているファイルを検索
var files = DriveApp.searchFiles(
'visibility = "anyoneWithLink" or visibility = "anyoneCanFind"'
);

var currentUser = Session.getActiveUser().getEmail();
var count = 0;

while (files.hasNext()) {
var file = files.next();
try {
var owner = file.getOwner();
if (owner && owner.getEmail() === currentUser) {
var access = file.getSharingAccess().toString();
var permission = file.getSharingPermission().toString();
sheet.appendRow[
file.getName(),
access,
permission,
file.getLastUpdated(),
file.getUrl()
]);
count++;
}
} catch (e) {
Logger.log('エラー: ' + file.getName() + ' - ' + e.message);
}
}

SpreadsheetApp.getUi().alert(
count + '件の外部公開ファイルが見つかりました'
);
}

このスクリプトを定期的に実行することで、「うっかり公開設定のまま」になっているファイルを早期発見できます。情シスとしては、これを月1回の定期タスクに組み込んでおくことを強くおすすめします。

スクリプト4非Googleフォーマットのファイルをコピーして実質的にオーナーを変更する

WordやExcel、PDF、動画ファイルなど、Googleフォーマットではないファイルはオーナー変更ができません。しかし、コピーを作成すればコピーした人が自動的にオーナーになるという仕組みを活用して、実質的なオーナー変更を実現するスクリプトです。

Google Apps Script

function copyNonGoogleFiles() {
var sourceFolderId = 'コピー元フォルダIDを入力';
var destFolderId = 'コピー先フォルダIDを入力';

var sourceFolder = DriveApp.getFolderById(sourceFolderId);
var destFolder = DriveApp.getFolderById(destFolderId);
var log = ;

var files = sourceFolder.getFiles();
while (files.hasNext()) {
var file = files.next();
var mimeType = file.getMimeType();

// 非Googleフォーマットのファイルだけ対象
if (mimeType.indexOf('google-apps') === -1) {
try {
var copiedFile = file.makeCopy(file.getName(), destFolder);
log.push('コピー成功: ' + file.getName());
} catch (e) {
log.push('コピー失敗: ' + file.getName() + ' - ' + e.message);
}
}
}

// 結果をまとめてログ出力
Logger.log('===== 処理結果 =====');
log.forEach(function(entry) {
Logger.log(entry);
});
Logger.log('合計: ' + log.length + '件処理しました');
}

コピーされたファイルは元ファイルとは別物なので、元ファイルにつけられていたコメントやバージョン履歴は引き継がれません。重要なコメントがある場合は、コピー前にスクリーンショットを撮るか、コメント内容をメモしておきましょう。また、Apps Scriptには1回の実行で6分間というタイムアウト制限があるため、数百件以上のファイルを処理する場合はトリガーを使って分割実行する工夫が必要です。

GASスクリプトを初めて使う人のための実行手順

「スクリプトのコードは分かったけど、どうやって動かすの?」という方のために、Google Apps Scriptの基本的な実行手順を説明します。プログラミング経験がゼロでも大丈夫です。

  1. Googleスプレッドシートを新規作成し、メニューバーの「拡張機能」→「Apps Script」をクリックします。スクリプトエディタが新しいタブで開きます。
  2. エディタに最初から書かれているコード(
    function myFunction() { }

    など)を全て消して、使いたいスクリプトをコピー&ペーストします。

  3. スクリプト内の「ここにフォルダIDを貼り付け」などのプレースホルダーを、自分の環境の実際の値に書き換えます。
  4. エディタ上部の「実行」ボタン(▶)をクリックします。初回実行時には「承認が必要です」というダイアログが表示されるので、「権限を確認」→自分のGoogleアカウントを選択→「許可」の順にクリックして権限を付与してください。
  5. 「このアプリはGoogleで確認されていません」という警告が出た場合は、左下の「詳細」をクリックし、「(安全ではないページ)に移動」を選択すれば実行できます。自分で書いたスクリプトなので問題ありません。

実行結果はスプレッドシートのセルに書き込まれるか、エディタの「実行ログ」パネルに表示されます。エラーが出た場合もログに原因が表示されるので、落ち着いて確認してください。

現場で本当に困った「想定外トラブル」5選とその解決法

トラブル1移行したはずのファイルが相手のドライブに見当たらない

管理コンソールから一括移行を実行して完了メールも届いたのに、移行先のユーザーが「ファイルが見つかりません」と言ってくるケース。これは非常に焦りますが、原因は単純なことが多いです。

一括移行されたファイルは、移行先ユーザーのマイドライブに「元オーナーのメールアドレス名」のフォルダとして作成されます。つまり「taisyoku@company.com」というフォルダが突然マイドライブのトップに出現するのですが、移行先のユーザーはそんなフォルダの存在を知らないため見落としてしまうのです。移行を実施したら、「マイドライブの直下に新しいフォルダができているから確認して」と移行先の人に伝えてあげましょう。

トラブル2一括移行が36時間経っても終わらず失敗になる

Googleの公式ドキュメントにも明記されていますが、管理コンソールの一括移行は36時間を超えると自動的に失敗扱いになります。ファイル数が数万件規模のヘビーユーザーだとこの制限に引っかかることがあります。

対処法は、事前に移行元ユーザーのドライブ内容を整理して不要なファイルを削除しておくことと、移行中に移行元アカウントを必ず停止しておくことです。停止せずに移行を実行すると、移行中にファイルが増えたり構造が変わったりして処理が長引く原因になります。それでも失敗する場合は、フォルダ単位で分割して複数回に分けて移行するしかありません。

トラブル3退職者のGoogleフォームの回答データが消えた

これは見落としがちな大きな落とし穴です。退職者が作成したGoogleフォームのオーナーを移行し、その後アカウントを削除すると、フォームに紐づいたスプレッドシートの回答データはそのまま残りますが、フォーム自体の回答タブのデータにアクセスできなくなる場合があります。

フォームに紐づくスプレッドシートが別ファイルとして存在している場合は、そのスプレッドシートのオーナーも忘れずに移行してください。また、フォームの編集URLとスプレッドシートのリンクが切れることがあるため、移行後にフォームの「回答」タブから「回答先を選択」でスプレッドシートを再リンクする必要があるケースもあります。

トラブル4共有ドライブに移動したファイルのバージョン履歴が消えた

マイドライブから共有ドライブにファイルを「移動」した場合、バージョン履歴は基本的に保持されます。しかし、「コピーして共有ドライブに貼り付ける」方法だとバージョン履歴は完全にリセットされます。移動とコピーを混同して作業してしまい、後から「3日前のバージョンに戻したいのに履歴がない」と言われるのは現場でよくあるトラブルです。

ファイルを共有ドライブに移す場合は、必ず「移動」を使いましょう。ファイルを右クリック→「整理」→「移動」→移動先の共有ドライブを選択、という手順です。

トラブル5Apps Scriptで書いたトリガーが退職者のアカウント削除後に止まる

これは開発担当と情シスの連携不足でよく起きるトラブルです。退職者がGoogle Apps Scriptでスプレッドシートの自動処理や定期レポートを組んでいた場合、そのスクリプトのトリガー(定期実行設定)は作成者のアカウントに紐づいています。アカウントが削除されるとトリガーも一緒に消えるため、翌朝から「毎朝のレポートが来なくなった」という問い合わせが殺到します。

対策としては、退職前にスクリプトが含まれるファイルの一覧を洗い出し、トリガーの再設定が必要なものを特定しておくことです。後任者がスクリプトエディタを開いてトリガーを再作成すれば復旧できますが、退職後に気づいてから対応するのではなく、退職前のチェックリストに「GASトリガーの棚卸し」を必ず入れておきましょう。

情シスが退職者対応で使うべきチェックリスト

ここまでの内容を踏まえて、退職者のGoogle Workspace処理で漏れがないようにするための実用的なチェックリストを整理しました。これをそのまま社内のマニュアルとして使えるように設計しています。

処理順序 実施項目 担当者 確認ポイント
1 パスワード変更とセッションリセット 情シス ログインCookieのリセットも忘れずに実施
2 リカバリー情報(個人メール・電話)の削除 情シス パスワードリセット経由の再ログインを防止
3 モバイルデバイスのリモートワイプ 情シス BYOD端末は企業データのみワイプ
4 アカウントの停止(削除ではない) 情シス 停止状態でファイルを保持したまま処理を進める
5 GASトリガーの棚卸し 情シス+開発 定期実行スクリプトの後任への引き継ぎ
6 ドライブファイルのオーナー監査 情シス スクリプト1でファイル一覧を出力して確認
7 ドライブファイルの一括移行 情シス 「共有されていないファイルも含める」にチェック
8 Googleフォーム・スプレッドシートの確認 情シス+現場 フォームと回答シートのリンク切れチェック
9 カレンダーのイベント移行とリソース開放 情シス 会議室予約が残らないように確認
10 Googleグループからの削除 情シス ネストされたサブグループも含めて漏れなく
11 OAuthトークン・サードパーティアプリの失効 情シス 外部連携サービスからのアクセスを完全遮断
12 30日経過後にアカウント削除 情シス 削除時の移行オプションで二重チェック

Google Workspaceのエディション別でできることの違い

オーナー権限の移行に関連する機能は、利用しているGoogle Workspaceのエディションによってかなり違います。「なぜうちではこの機能が使えないの?」というときは、まずエディションを確認してください。

機能 Business Starter Business Standard Enterprise
個別ファイルのオーナー譲渡 可能 可能 可能
管理コンソールでの一括移行 可能 可能 可能
共有ドライブの作成 可能(機能制限あり) 可能 可能
共有ドライブの外部共有制限設定 不可 可能 可能
セキュリティ調査ツール 不可 不可 可能
Google Vault(データ保全) 不可 不可 可能
DLP(データ損失防止)ルール 不可 不可 可能
アーカイブユーザーライセンス 不可 不可 可能

Business Starterでも2024年9月から共有ドライブが使えるようになったのは大きな進歩ですが、外部ユーザーとの共有制限やデフォルト設定の変更などの高度な管理機能は使えません。セキュリティ要件が高い組織では、最低でもBusiness Standard以上のエディションを選択するのが無難です。

個人アカウント(Gmail)ユーザーが知っておくべき制約と回避策

ここまではGoogle Workspace中心の話でしたが、個人のGmailアカウントで共同作業をしている人も多いでしょう。個人アカウントには特有の制約があるため、知らないとハマるポイントをまとめます。

個人アカウント間のオーナー譲渡には相手の承諾が必須

2022年以降、個人アカウント間でのオーナー権限の譲渡には、相手側がメールでリクエストを承諾するステップが必須になりました。Workspaceアカウントの同一ドメイン内移行であれば相手の承諾なしに即時反映されますが、個人アカウント間ではそうはいきません。相手がメールを見逃していたり、承諾の仕方が分からなかったりすると、いつまでもオーナー変更が完了しないということになります。

譲渡リクエストを送った後は、相手に直接「Googleからメールが届いているから承諾してね」と一声かけるのが確実です。迷惑メールフォルダに振り分けられていることも少なくありません。

個人アカウントからWorkspaceアカウントへの移行テクニック

フリーランスから法人化した場合や、個人で使っていたファイルを会社のWorkspaceに持っていきたい場合、直接のオーナー移行はできません。以下の方法で対応してください。

最も確実な方法は共有ドライブを中継する方法です。Workspaceの管理者に共有ドライブを作成してもらい、個人アカウントをその共有ドライブのメンバー(コンテンツ管理者以上)として追加します。個人アカウントでファイルを共有ドライブに移動し、その後にWorkspaceアカウントで共有ドライブからマイドライブに移動すれば、Workspaceアカウントがオーナーになります。この方法ならバージョン履歴も基本的に保持されます。

もう一つの方法はGoogle Takeoutを使ったエクスポートです。個人アカウントからGoogle Takeoutでドライブのデータを丸ごとダウンロードし、Workspaceアカウントでアップロードし直します。ただしこの方法だと、Googleドキュメントはword形式やPDF形式に変換されてダウンロードされるため、再アップロード後にGoogleフォーマットに変換し直す手間が発生します。コメント履歴や提案モードの記録も失われるため、できれば共有ドライブ中継法を使ってください。

ぶっちゃけこうした方がいい!

ここまでかなり詳しくオーナー権限の移行について書いてきましたが、ぶっちゃけた話をします。

10年以上Google Workspaceの管理をやってきて思うのは、「そもそもマイドライブに重要なファイルを溜め込む運用自体がもう時代遅れ」ということです。

マイドライブはあくまで個人の作業スペースであって、チームで使うファイルを置く場所じゃないんです。それなのに多くの企業では、社員がマイドライブにどんどんファイルを作って、必要な人に個別に共有して……というやり方がまだ続いている。だから退職するたびに「あのファイルどこ?」「オーナー変更できない!」と大騒ぎになるわけです。

個人的にはこうした方がぶっちゃけ楽だし効率的だと思っています。

まず、チームで使うファイルは最初から全部「共有ドライブ」に作る。これだけで退職時のオーナー移行問題の8割は消えます。共有ドライブのファイルは組織がオーナーなので、誰が辞めてもファイルは安泰です。2024年9月からBusiness Starterでも共有ドライブが使えるようになったので、コストを理由に避ける必要もなくなりました。

次に、退職者対応のチェックリストを作って、人事と情シスの間で運用ルールを決めておく。「退職日の2週間前にはファイル移行を開始する」というルールを作るだけで、当日にバタバタするリスクが激減します。ルールがない組織で退職日当日に「ファイルどうします?」はもう仕方ないとしか言えません。

そして、GASスクリプトで定期的にドライブの健康診断をする。今回紹介したファイルオーナー一覧スクリプトや公開ファイル監査スクリプトを月1回実行するだけで、「知らないうちにファイルが外部公開されていた」「退職者がまだオーナーのファイルが100件ある」といった問題を早期発見できます。トラブルが起きてから対処するより、予防する方が100倍楽です。

結局のところ、オーナー権限の移行で困っている人のほとんどは「事前準備」が足りていないだけなんです。Googleの仕様が不便なのは確かですが、その不便さは共有ドライブと適切な運用フローで十分にカバーできます。「ファイル管理の仕組みを変える」という一歩を踏み出すか、毎回の退職のたびに同じ苦労を繰り返すか。答えは明らかですよね。この記事を読んだ今日が、チームのファイル運用を見直すベストタイミングです。

Googleドキュメントでオーナー権限移行ができないときのよくある質問

オーナーがすでに退職してアカウントも削除されている場合はどうすればいいですか?

アカウント削除から20日以内であれば、Google Workspaceの特権管理者がアカウントを復元できます。復元後にファイルの一括移行を行い、そのうえでアカウントを再度削除すればOKです。20日を超えている場合は残念ながらデータの復元は不可能になります。日頃から退職者対応のフローを整備しておくことが最大の防御策です。万が一のケースに備えて、重要なファイルは共有ドライブに保管しておく運用をおすすめします。

Gmailアカウント(個人)からGoogle Workspaceアカウント(職場用)にオーナーを移せますか?

直接的なオーナー権限の譲渡はできません。これはGoogleがセキュリティ上の理由から意図的にブロックしている仕様です。回避策としては、ファイルの「コピーを作成」をWorkspaceアカウント側で行う方法や、Google Takeoutでデータをエクスポートして再アップロードする方法があります。ただし、コピーの場合はコメント履歴やバージョン履歴が失われる点にご注意ください。共有ドライブを経由する方法が、比較的データの完全性を保ちやすいアプローチです。

「オーナー権限を譲渡」のメニューがどこにも見当たりません

まず確認すべきは3つです。パソコンから操作しているか、対象ファイルがGoogleフォーマットであるか、譲渡先ユーザーが「編集者」として追加されているか。この3つすべてを満たしていない場合、メニューに「オーナー権限を譲渡」は表示されません。すべて満たしていても表示されない場合は、ドメインが異なるか、管理者によるポリシー制限がかかっている可能性があります。

オーナー権限を譲渡した後にやり直すことはできますか?

新しいオーナーが譲渡リクエストを承諾した後は、元に戻すことはできません。新しいオーナーに再度譲渡してもらうしか方法がありません。ですから、誤った相手に送らないよう、譲渡前にメールアドレスを慎重に確認してください。なお、相手が承諾する前であればリクエストをキャンセルすることは可能です。

24時間で750GBの制限に引っかかった場合はどうすればいいですか?

この制限はGoogle側で設定されているもので、回避策はありません。24時間経過するまで待ってから、残りのファイルの移行を再開してください。大量のファイルを移行する必要がある場合は、複数日にわたって計画的に実行するか、管理コンソールの一括移行機能を使うのが効率的です。管理コンソール経由の一括移行ではこの制限の影響を受けにくいので、管理者権限がある場合はそちらをおすすめします。

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まとめ

Googleドキュメントでオーナー権限の移行ができない問題は、原因を正しく特定すれば必ず解決できます。スマホからの操作、非Googleフォーマットのファイル、異なるドメイン間の譲渡という3つが最もよくある原因です。今回紹介した7つのチェック項目を順番に確認していけば、どんなケースでも対処法が見つかるはずです。

そして、長期的な視点で考えると、共有ドライブへの移行が最も効果的な解決策です。Business Starterプランでも共有ドライブが使えるようになった今、「個人のマイドライブにファイルを溜め込む運用」から卒業するタイミングとして最適ではないでしょうか。チーム全体のファイル管理を見直して、退職や異動のたびに慌てない体制を今日から整えていきましょう。

この記事を書いた人
この記事を書いた人

企業の情報システム部門で10年以上、PC・アカウント・社内ネットワーク・Microsoft 365/Google Workspace運用を担当。年間数百件の問い合わせ対応(PC不調、メール送受信、Excel/Word資料、Teams会議、スマホ連携など)を通じて、初心者がつまずくポイントを「再現→原因切り分け→最短解決」の手順に落とし込んできました

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