「ChatGPTにExcelの数式を聞いたら、見たこともない長い式が返ってきた……」そんな経験、ありませんか?実はこれ、私も最初にやらかしました。AIに頼んだ数式をそのままセルに貼り付けたら、翌日に同僚から「この数式、何をやってるの?」と聞かれて冷や汗をかいたんです。原因はずばり、LET関数(レット関数)でした。AIはパフォーマンス最適化が大好きなので、同じ計算の繰り返しを見つけると自動的にLET関数で数式をまとめてしまうんですね。でも大丈夫、ここさえ押さえれば安心です。この記事を読めば「なぜAIがLET関数を多用するのか」が腑に落ちて、職場で自信を持って数式を使いこなせるようになります。
- AIがExcelで複雑なLET数式を生成する理由と、その仕組みの完全解説
- 初心者でもすぐ実践できるLET数式の読み方・直し方・使い分けの判断基準
- 2026年最新のCOPILOT関数やAgent Modeなど、Excel×AIの進化と注意点
- そもそもLET関数って何?プログラミング知識ゼロでもわかる基本
- なぜAIはLET関数を含む複雑な数式を生成してしまうのか?
- LET数式を一瞬で読み解く3つのコツ
- AIにLET関数を使わせない魔法のプロンプト術
- 2026年最新!ExcelのAI機能はここまで進化した
- LET関数を使うべき場面と避けるべき場面の判断基準
- 明日からすぐ使える実践テクニック5選
- AIが生成した数式を「壊さずに直す」VBA活用術
- 現場で実際に起きる「あるある問題」とその解決法
- AIに数式を頼むときの「最強プロンプトテンプレート」
- LET関数とLAMBDA関数の違いを正しく理解しよう
- 数式のバックアップとバージョン管理という発想
- AIが間違えやすいExcel数式のパターンを知っておく
- ぶっちゃけこうした方がいい!
- AIが生成するExcelのLET数式に関するよくある疑問
- 今すぐパソコンやスマホの悩みを解決したい!どうしたらいい?
- まとめ
そもそもLET関数って何?プログラミング知識ゼロでもわかる基本
LET関数は2019年にMicrosoft 365に追加された比較的新しい関数で、数式の中で「変数」を作れるのが最大の特徴です。「変数」と聞くとプログラミングっぽくて身構えてしまいますよね。でも安心してください、やっていることはとてもシンプルです。たとえば「この計算結果に”wt”という名前をつけて、あとで使い回そう」というだけの話なんです。
具体例で見てみましょう。商品IDから重量を調べて、40キロを超えたら「bulk」と表示したいとします。LET関数を使わない場合、数式はこうなります。
=IF(XLOOKUP, Products, Products)>40, “bulk”, XLOOKUP, Products, Products))
お気づきですか?まったく同じXLOOKUP(エクスルックアップ条件に合うデータを探して返す関数)が2回書かれています。これは人間が読んでも冗長ですし、Excelの計算エンジンも同じ検索を2回実行するので処理が遅くなります。
そこでLET関数の出番です。
=LET(wt, XLOOKUP, Products, Products), IF(wt>40, “bulk”, wt))
この数式では、XLOOKUPの結果を「wt」という名前(変数)に一度だけ保存して、IF関数の中で「wt」を使い回しています。計算は1回で済み、数式も短くなる。これがLET関数の本質です。イメージとしては「付箋に計算結果をメモして、必要なときにチラッと見る」感覚ですね。
なぜAIはLET関数を含む複雑な数式を生成してしまうのか?
これ、実は私も最初に引っかかったんですけど、AIの思考回路を知ると「なるほど」と納得できます。ChatGPTやCopilotなどのAIモデルは、効率性と冗長性の排除を最優先にコードを生成するように訓練されています。人間なら「まあ2回くらいXLOOKUPが被ってもいいか」と思うところを、AIは「同じ計算の繰り返しは絶対に許さない」というスタンスなんですね。
この最適化思考自体は技術的に正しいのですが、問題は「数式を読むのは人間である」という視点が抜けていることです。AIは処理速度やメモリ効率を重視しますが、翌週にその数式を見る同僚のスキルレベルまでは考慮してくれません。結果として、ネストが何重にも深くなったLET関数や、さらにはLAMBDA関数(ラムダ関数自分だけのオリジナル関数を作れる機能)まで組み合わさった「暗号のような数式」が出来上がってしまうわけです。
さらに2026年現在、MicrosoftのExcelには=COPILOT()関数というセル内で直接AIを呼び出せる新機能が登場しています。この関数はテキスト分類や要約には便利ですが、数値計算の正確性には課題があることが複数の検証で報告されています。つまり「AIが作る数式」と「AI自体が計算する関数」の両方が混在する時代になったということです。だからこそ、LET関数の仕組みを理解しておくことが今まで以上に重要になっています。
LET数式を一瞬で読み解く3つのコツ
AIが生成したLET数式を見て「うわっ」と思ったとき、慌てないでください。次の3つのステップで、どんなに複雑な数式でも分解できます。
コツ1変数名と値のペアを色分けして把握する
LET関数の構造は必ず「名前, 値, 名前, 値, …, 最終計算」というパターンです。数式バーで見るとゴチャっとしていますが、Alt+Enterキーで改行を入れると一気に見やすくなります。改行しても計算結果は一切変わらないので安心してください。たとえば先ほどの数式を改行するとこうなります。
=LET(
wt, XLOOKUP, Products, Products),
IF(wt>40, “bulk”, wt)
)
「wt」が変数名で、その隣がXLOOKUPの結果。最後のIF文が本体の計算。これだけで構造がクリアになりますよね。
コツ2変数名から逆算して意味を推測する
AIが生成する変数名は「x」や「val1」のように無機質なものが多いです。でもLET関数の中身を読むときは、変数に代入されている計算式を見れば、何をやっているかが分かります。たとえば「x」にXLOOKUPが代入されていれば「ああ、これは検索結果だな」と推測できます。読み解いたら、変数名を「weight」や「price」のように意味のある名前に書き換えてしまいましょう。これだけで半年後の自分が救われます。
コツ3最後の引数から逆に読む
LET関数は最後の引数が「実際に返す計算結果」です。つまり一番最後に書かれている部分が「この数式で何がしたいか」の答えです。複雑なLET数式に出会ったら、まず最後の引数を見て全体の目的を把握してから、変数の定義を一つずつ確認していくと効率的に理解できます。
AIにLET関数を使わせない魔法のプロンプト術
「LET関数の仕組みはわかったけど、職場のメンバーにはまだ難しいかも……」そう思ったら、AIへの指示(プロンプト)を工夫するだけで解決できます。これ、知っている人は意外と少ないんです。
ポイントは、AIに数式を依頼する際に制約条件を明確に伝えることです。たとえば「LETやLAMBDAは使わないでください。Excel初心者が読める数式にしてください」と一言添えるだけで、AIは素直にシンプルな数式を返してくれます。さらに踏み込むなら「複雑な計算はヘルパー列(補助列)に分けて提案してください」と指示すると、計算の途中経過をセルに分割した構成を提案してくれます。
ヘルパー列というのは、計算の途中結果を別のセルに書き出す方法です。これはスプレッドシート版のLET関数と言ってもいいでしょう。違いは、値が数式内の変数ではなくセルに保存される点です。初心者にとっては各ステップが目に見えるので理解しやすく、デバッグ(エラー修正)も格段にラクになります。使い終わったら列を非表示にするか、データタブの「グループ化」機能で折りたたんでおけばシートもスッキリします。
2026年最新!ExcelのAI機能はここまで進化した
2026年3月現在、ExcelのAI機能は驚くほどの進化を遂げています。ここでは「これ知らなかった!」と思える最新情報を3つお伝えします。
新機能1セル内で直接AIを呼べる=COPILOT()関数
2025年後半から段階的に展開されている=COPILOT()関数は、セルに直接プロンプト(指示文)を入力してAIの回答を得られる画期的な関数です。たとえば「=COPILOT(“このフィードバックの感情を分類して”, A2:A20)」と書けば、顧客コメントの感情分析がセル上で完結します。IF関数やLAMBDA関数と組み合わせることも可能です。ただし、現時点ではgpt-4.1-miniモデルを使用しており、数値計算には不向きで、事実情報の正確性にも課題があることが専門家のテストで確認されています。あくまでテキスト処理や分類タスク向けと割り切って使うのが賢明です。
新機能2Agent Modeでエージェントが自律的に分析
Microsoftが「Agent Mode」と呼んでいる機能では、AIがスプレッドシートの構造を理解した上で、データのクリーニングから計算、ピボットテーブルの作成、グラフの生成まで一連の作業を自律的に実行してくれます。人間は最終結果を確認するだけでよいという、まさに「AIが横で作業してくれる」時代の到来です。ただし、生成された数式にLET関数やLAMBDA関数が含まれている可能性は高いので、この記事で学んだ読み解き方が活きてきます。
新機能3Formula AIで自然言語から数式を自動生成
セルに「=」と入力すると表示されるFormula AI機能では、「ヨーロッパの倉庫にあるTrailhawkとRoadhawkの在庫合計を計算して」のように日本語や英語で指示するだけで、適切な数式を提案してくれます。従来のように関数名を暗記する必要がなくなりつつあるのは、初心者にとっては朗報です。ただし、提案された数式の中にLET関数が含まれていた場合は、この記事の知識で「なぜこの関数が使われているのか」を判断できますよね。
LET関数を使うべき場面と避けるべき場面の判断基準
ここが実務で最も大事なポイントです。LET関数は万能ではありません。使うべき場面と避けるべき場面を明確に区別することが、チーム全体の生産性を上げるカギになります。
| 判断基準 | LET関数を使うべき | ヘルパー列を使うべき |
|---|---|---|
| 利用者のスキルレベル | 中級者〜上級者が管理する | 初心者が多いチームで共有する |
| データ量 | 数万行以上の大規模データ | 数千行以下の小〜中規模データ |
| 数式の複雑さ | 同じ計算が3回以上繰り返される | 繰り返しが1〜2回程度 |
| メンテナンス頻度 | 作成者本人が継続的に管理 | 引き継ぎや担当変更が多い |
| パフォーマンス要求 | 計算速度が業務に影響する | 多少遅くても問題ない |
迷ったときは「この数式を自分以外の誰かが見たとき、5分以内に理解できるか?」と自問してみてください。答えがNOなら、ヘルパー列に分解するかコメントを添えるのが正解です。
明日からすぐ使える実践テクニック5選
ここからは、今日この記事を読んだあなたが明日の業務でそのまま使える具体的なアクションをお伝えします。
まず1つ目は、AIへのプロンプトにExcelのバージョンとユーザーのスキルレベルを必ず書くこと。「Excel 2021を使っています。チームメンバーはVLOOKUPまでは理解しています」と伝えるだけで、AIの出力が劇的に変わります。LET関数やスピル機能(動的配列)に対応していないバージョンを伝えれば、AIはそれらを使わない数式を返してくれます。
2つ目は、数式バーでAlt+Enterを活用して改行する習慣をつけること。LET関数に限らず、長い数式は改行するだけで可読性が格段に上がります。計算結果には影響しないので、今すぐ試してみてください。
3つ目は、LET関数の変数名を必ず意味のある名前に書き換えること。AIが「x」と付けた変数を「売上合計」や「weight」に変えるだけで、数か月後のメンテナンスが天と地ほど変わります。
4つ目は、ヘルパー列を使ったらデータタブの「グループ化」で折りたたむこと。列を選択してデータタブの「グループ化」をクリックするだけで、折りたたみ可能なセクションになります。シートの見た目をスッキリ保ちながら、必要なときだけ展開して確認できます。
5つ目は、=COPILOT()関数の結果は必ず手動で検証すること。2026年3月時点の検証では、事実情報の欠落や誤りが複数報告されています。特にビジネス上の意思決定や報告書に使う場合は、AIの出力をそのまま信頼せず、必ずダブルチェックしましょう。
AIが生成した数式を「壊さずに直す」VBA活用術
ここからは、ちょっと踏み込んだ話をさせてください。AIが作ったLET数式を手動で直すのは正直しんどいです。特に変数が3つも4つもネストしている数式を、一つずつ目で追って修正するのは時間もかかるし、ミスも起きやすい。そこで私が実務で本当に助けられているのがVBA(Visual Basic for Applications)を使った「数式メンテナンスの自動化」です。VBAなんて怖い、と思うかもしれませんが、ここで紹介するコードはどれもコピペするだけで動きますので安心してください。
VBAコード1シート内のすべての数式を一覧化するマクロ
これ、地味に見えて実務ではめちゃくちゃ重宝します。たとえば引き継いだブックにAIが生成したLET数式が散らばっていて、「どのセルにどんな数式が入っているのか全体像が見えない」という状況、経験ありませんか?私は何度もあります。このVBAを実行すると、アクティブシート内の数式が入ったセルをすべて検出して、新しいシートにアドレス・数式・現在の値を一覧表示してくれます。
Sub ListAllFormulas()
Dim ws As Worksheet
Dim rngFormulas As Range
Dim cell As Range
Dim newWs As Worksheet
Dim i As Long
Set ws = ActiveSheet
On Error Resume Next
Set rngFormulas = ws.Cells.SpecialCells(xlCellTypeFormulas)
On Error GoTo 0
If rngFormulas Is Nothing Then
MsgBox “このシートには数式がありません。”
Exit Sub
End If
Set newWs = Worksheets.Add(After:=ws)
newWs.Name = “数式一覧_” & Format(Now, “mmdd_hhnn”)
newWs.Range(“A1”).Value = “セルアドレス”
newWs.Range(“B1”).Value = “数式”
newWs.Range(“C1”).Value = “現在の値”
i = 2
For Each cell In rngFormulas
newWs.Cells(i, 1).Value = cell.Address
newWs.Cells(i, 2).Value = “‘” & cell.Formula
newWs.Cells(i, 3).Value = cell.Value
i = i + 1
Next cell
newWs.Columns(“A:C”).AutoFit
MsgBox rngFormulas.Cells.Count & “個の数式を一覧化しました。”
End Sub
使い方は、Alt+F11でVBE(Visual Basic Editor)を開き、挿入メニューから標準モジュールを追加して、上のコードを貼り付けてF5で実行するだけです。数式の横に「’」(アポストロフィ)を付けて出力しているので、一覧シート上で数式が勝手に実行される心配もありません。LET関数が含まれているセルだけを後からフィルターで絞り込めるので、「どこにAI生成の複雑な数式が潜んでいるか」を一発で把握できます。
VBAコード2選択セルの数式を改行付きで表示するマクロ
本編でAlt+Enterで改行を入れるテクニックを紹介しましたが、それを手作業でやるのが面倒なときに便利なのがこのマクロです。選択したセルの数式を取得して、カッコの深さに応じて自動的にインデント(字下げ)付きで整形し、メッセージボックスに表示します。
Sub FormatFormulaWithIndent()
Dim f As String
Dim result As String
Dim depth As Long
Dim ch As String
Dim i As Long
If Not ActiveCell.HasFormula Then
MsgBox “選択セルに数式がありません。”
Exit Sub
End If
f = ActiveCell.Formula
depth = 0
For i = 1 To Len(f)
ch = Mid(f, i, 1)
If ch = “(” Then
depth = depth + 1
result = result & ch & vbCrLf & String(depth * 2, ” “)
ElseIf ch = “)” Then
depth = depth – 1
result = result & vbCrLf & String(depth * 2, ” “) & ch
ElseIf ch = “,” Then
result = result & ch & vbCrLf & String(depth * 2, ” “)
Else
result = result & ch
End If
Next i
MsgBox result, vbInformation, “数式の構造表示”
End Sub
たとえば本編で紹介した=LET(wt, XLOOKUP(…)、IF(wt>40, “bulk”, wt))のような数式にこのマクロを使うと、カッコごとに改行とインデントが入って「どの関数がどの深さにいるか」が視覚的にわかります。これ、実は私も最初に引っかかったんですけど、AI生成の数式が怖く感じる最大の原因は「構造が見えない」ことなんですよね。このマクロで構造を可視化するだけで、心理的なハードルがグッと下がります。
VBAコード3特定の関数を含むセルだけを色付けするマクロ
「このブックのどこにLET関数が使われているか、パッと見でわかるようにしたい」というとき、このマクロが最強です。指定した関数名を含むセルの背景色を自動で変えてくれます。
Sub HighlightFunctionCells()
Dim funcName As String
Dim rngFormulas As Range
Dim cell As Range
Dim count As Long
funcName = InputBox(“検索したい関数名を入力してください(例LET、LAMBDA、XLOOKUP)”)
If funcName = “” Then Exit Sub
On Error Resume Next
Set rngFormulas = ActiveSheet.Cells.SpecialCells(xlCellTypeFormulas)
On Error GoTo 0
If rngFormulas Is Nothing Then
MsgBox “このシートには数式がありません。”
Exit Sub
End If
count = 0
For Each cell In rngFormulas
If InStr(1, cell.Formula, funcName, vbTextCompare) > 0 Then
cell.Interior.Color = RGB(255, 255, 153)
count = count + 1
End If
Next cell
MsgBox funcName & “を含むセルが” & count & “個見つかりました。(黄色でハイライト済み)”
End Sub
実行するとInputBox(入力ダイアログ)が表示されるので、「LET」と入力してOKを押すだけです。LET関数が含まれるセルが黄色くハイライトされるので、ブック全体の「AI数式密度」が一目でわかります。LAMBDA、XLOOKUP、COPILOTなど他の関数名でも同じように使えるので、引き継ぎ時のブック監査にも最適です。
VBAコード4数式をすべて計算結果の値に一括変換するマクロ
「もうこのブックの数式は固定して、値だけにしてしまいたい」という場面、実務では結構ありますよね。特に報告用のファイルを共有するとき、LET関数やCOPILOT関数が入ったままだと、相手の環境で数式エラーになるリスクがあります。このマクロは選択範囲内のすべての数式を、計算結果の値に一括変換してくれます。
Sub ConvertFormulasToValues()
Dim rng As Range
Dim response As VbMsgBoxResult
Set rng = Selection
response = MsgBox(“選択範囲(” & rng.Address & “)の数式をすべて値に変換します。” & vbCrLf & “この操作は元に戻せません。実行しますか?”, vbYesNo + vbExclamation)
If response = vbNo Then Exit Sub
rng.Copy
rng.PasteSpecial Paste:=xlPasteValues
Application.CutCopyMode = False
MsgBox “変換が完了しました。”
End Sub
Ctrl+Shift+Vの「値のみ貼り付け」を手作業でやるのと結果は同じですが、マクロにしておくと確認ダイアログが出るので誤操作防止になります。私自身、急いでいるときにうっかり数式を壊してしまった苦い経験が何度かあるので、このワンクッションがあるだけで安心感が全然違います。
現場で実際に起きる「あるある問題」とその解決法
ここからは、教科書には載っていないリアルな現場の困りごとについて、私の体験をもとにお話しします。Excel×AIを使い始めると、誰もが一度はぶつかる壁がいくつかあるんです。
あるある1AIに聞いた数式が「#NAME?」エラーになる問題
これ、本当によく起きます。ChatGPTやCopilotにExcelの数式を聞いて、そのままコピペしたら#NAME?エラーが出るというパターン。原因の9割は「あなたのExcelバージョンがその関数に対応していない」ことです。AIはMicrosoft 365の最新機能を前提に数式を生成することが多いので、LET関数、XLOOKUP、FILTER、SORT、UNIQUEなどの比較的新しい関数が含まれていると、Excel 2019以前のバージョンでは認識できずにエラーになります。
解決法はシンプルです。まず自分のExcelバージョンを確認しましょう。ファイルタブから「アカウント」をクリックすれば、バージョン情報が表示されます。そして、AIにプロンプトを送る際に「私はExcel 2019を使用しています。このバージョンで動作する数式だけを使ってください」と明記してください。これだけでAIはVLOOKUPやINDEX/MATCHなど、古いバージョンでも動く関数で代替案を出してくれます。
あるある2他人が作ったLET数式を修正したら全体が壊れる問題
LET関数の中身を部分的に修正しようとして、変数の定義部分を誤って消してしまい、数式全体がエラーになるという事故。これは私も何回か経験しました。LET関数は「名前, 値」のペアが崩れると全体が動かなくなるので、普通の数式よりも修正の難易度が高いんです。
私がたどり着いた解決法は、「いきなり数式を直さない」というルールです。まず先ほど紹介した数式整形マクロで構造を可視化します。次に、隣のセルにLET関数の中の変数を一つずつ取り出して、各変数が何を返しているか確認します。そしてどの部分を修正すべきか特定してから、はじめて元の数式に手を入れます。急がば回れですが、この手順を踏むようにしてから修正ミスがほぼゼロになりました。
あるある3COPILOT関数の結果が再計算のたびに変わる問題
これは2026年現在、多くのユーザーが戸惑っているポイントです。=COPILOT()関数は非決定的(non-deterministic)、つまり同じ引数を入れても再計算するたびに異なる結果を返す可能性があります。ブックを開き直しただけで、昨日と今日で分類結果が変わっていた、なんてことが実際に起きます。
対処法としては、COPILOT関数の結果が確定したらすぐに「値のみ貼り付け」で値に固定するのが鉄則です。先ほど紹介したVBAコード4を使えば一括で変換できます。また、重要なデータの横にCOPILOT関数を使う場合は、必ず別の列で作業してから結果を値として本番列にコピーするという運用ルールを決めておくと、事故を防げます。
あるある4AIが生成した数式が長すぎて数式バーに収まらない問題
数式バーはデフォルトだと1行分しか表示されないので、AI生成の長い数式は途中で切れて全体が見えません。これ、地味にストレスですよね。解決法は2つあります。1つ目は数式バーの下端をマウスでドラッグして高さを広げること。数式バーの境界線にカーソルを合わせると上下矢印に変わるので、そのまま下に引っ張れば複数行表示になります。2つ目はCtrl+Shift+Uのショートカットキー。これで数式バーの展開・縮小をワンタッチで切り替えられます。このショートカットを知っているかどうかで、長い数式との付き合い方が劇的に変わります。
あるある5共有ブックでLET関数が「互換性の問題」として警告される
LET関数を含むブックを.xls形式(古い形式)で保存しようとしたり、Excel 2016以前のユーザーと共有したりすると、互換性チェックで警告が出ます。警告を無視して保存すると、相手の環境でLET関数が#NAME?エラーになるだけでなく、最悪の場合は数式が消えてしまうこともあります。
この問題への対策は、ファイルを共有する前に「ファイル」→「情報」→「問題のチェック」→「互換性チェック」を実行することです。ここでLET関数やXLOOKUPなどの互換性のない関数がリストアップされます。共有先の環境がわからない場合は、先ほどのVBAコード4で該当セルを値に変換してから共有するのが最も安全です。
AIに数式を頼むときの「最強プロンプトテンプレート」
本編ではAIへのプロンプトのコツをお伝えしましたが、ここでは私が実際に使っているコピペで使えるプロンプトテンプレートを公開します。AIへの指示は、具体的であればあるほど良い結果が返ってきます。以下のテンプレートの【】内を自分の状況に書き換えて使ってみてください。
テンプレート例
「Excelの数式を作成してください。条件は以下の通りです。
・やりたいこと【商品IDをもとに価格表から単価を取得し、数量と掛け合わせて合計金額を出す】
・使用しているExcelバージョン【Microsoft 365】
・チームメンバーのスキルレベル【VLOOKUP程度は理解している中級者】
・禁止関数【LET、LAMBDA は使わないでください】
・データ量【約500行程度】
・補足【ヘルパー列を使った段階的な計算も歓迎します。各ステップにコメントを添えてください】」
このテンプレートのポイントは、やりたいこと・環境・制約・好みをすべて一度に伝えている点です。これだけ情報を与えると、AIは余計な最適化をせず、あなたの状況に合った数式を返してくれる確率が格段に上がります。逆に「売上を集計する数式を教えて」のような曖昧な指示だと、AIは自分の判断でLET関数やLAMBDA関数を盛り込んでくるので注意してください。
さらにもう1つ、上級者向けのテンプレートも紹介します。
上級テンプレート例
「以下のLET関数を含む数式を、LET関数を使わない形に書き換えてください。パフォーマンスが多少落ちても構いません。変換後の数式には、各部分が何を計算しているかコメントを添えてください。
元の数式【=LET(wt, XLOOKUP(…), tax, wt*0.1, IF(tax>100, “高額”, wt+tax))】」
このテンプレートは、AIが作った複雑な数式を「逆変換」してシンプルにするための指示です。AIにLET関数を生成させるのも、LET関数を解除させるのもAIにやらせる。これが2026年流のExcel×AIの付き合い方です。
LET関数とLAMBDA関数の違いを正しく理解しよう
AIが生成する数式には、LET関数だけでなくLAMBDA関数(ラムダ関数)が含まれていることもあります。この2つは似ているようで役割がまったく違うので、混同しないことが大切です。
LET関数は「数式の中で一時的な変数を作る」関数です。その数式の中だけで使い捨てられる名前付きの値を定義するものであり、使えるのはそのセルの数式内に限られます。一方、LAMBDA関数は「自分だけのオリジナル関数を定義する」ための関数です。名前の管理(数式タブ→名前の管理)と組み合わせることで、ブック全体で再利用できるカスタム関数を作れます。
たとえば、税込価格を計算する「ZEIKOMI」という独自関数を作りたいとします。名前の管理で「ZEIKOMI」という名前を追加し、参照先に=LAMBDA(price, rate, price * (1 + rate))と設定すれば、どのセルからでも=ZEIKOMI(A1, 0.1)と書くだけで税込計算ができるようになります。
AIがLAMBDA関数を提案してきた場合、それは「この計算パターンを何度も使い回すなら、関数化した方が効率的ですよ」というAIなりの判断です。ただし、LAMBDA関数は名前の管理との連携が必要なぶん設定手順が多く、初心者にはLET関数以上に敷居が高いのが現実です。チームの状況に合わせて、使うかどうかを判断しましょう。
数式のバックアップとバージョン管理という発想
これは意外と見落とされがちなんですが、AI生成の数式を使うなら「数式そのもののバックアップ」という習慣を持つことを強くおすすめします。通常、Excelファイルはブック単位で保存しますが、数式だけを別途記録しておくと、万が一の修正時に「元の数式はどうだったっけ?」と困ることがなくなります。
先ほど紹介したVBAコード1(数式一覧化マクロ)を定期的に実行して、数式一覧シートを月次でPDF保存しておくのが私のルーティンです。こうしておけば、3か月前の数式と今の数式を比較して「誰がいつ何を変えたか」を追跡できます。Excelには本格的なバージョン管理機能はありませんが、この方法なら数式レベルの変更履歴を簡易的に残せます。
もう一つ、OneDriveやSharePointにブックを保存している場合は、「バージョン履歴」機能を活用しましょう。ファイルを右クリックして「バージョン履歴」を選べば、過去の保存時点のファイルに戻すことができます。AI生成の数式を大量に導入した直後にトラブルが起きても、導入前の状態に巻き戻せるので心強いです。
AIが間違えやすいExcel数式のパターンを知っておく
AIは万能ではありません。特にExcelの数式に関しては、AIが繰り返し間違えるパターンがいくつか知られています。事前に知っておくだけで「あ、これはAIのよくある間違いだな」と気づけるようになるので、ぜひ覚えておいてください。
まず最も多いのが配列の扱いに関する間違いです。Excelの関数には、引数に「セル範囲」を受け付けるものと「配列」を受け付けるものがあり、この区別がAIは苦手です。たとえばSUMIFS関数の条件範囲に配列を渡すと正しく動かないケースがあるのですが、AIはその制約を知らずに配列を渡す数式を生成してしまうことがあります。
次に多いのが日本語環境特有の問題です。Excelの日本語版では関数の区切り文字がカンマ(,)ではなくセミコロン(;)になっている環境があります。AIが英語環境を前提にカンマ区切りの数式を出力した場合、日本語版Excelに貼り付けるとエラーになることがあります。この場合は、数式内のカンマをセミコロンに置換するか、AIに「日本語版Excelの区切り文字を使ってください」と伝えれば解決します。
そしてもう1つ、構造化参照(テーブル参照)の記法に関する間違いも頻出します。Excelテーブルのやテーブル名といった記法は、テーブル外のセルから参照する場合と、テーブル内のセルから参照する場合で書き方が変わります。AIはこの使い分けを誤ることがあるので、テーブルを使っている場合は生成された数式を貼り付ける前に参照部分を必ず確認してください。
ぶっちゃけこうした方がいい!
さて、ここまで本編の内容も含めて相当な量の情報をお伝えしてきましたが、最後に専門家として本音を言わせてください。
ぶっちゃけ、LET関数を「覚えよう」とか「使いこなそう」と気合いを入れる必要はありません。個人的にはこう思っています。LET関数の仕組みを理解するのは大事です。でもそれは「自分で書くため」ではなく、「AIが作った数式を読めるようにするため」です。2026年の時点で、数式を一からゼロベースで手書きする機会はどんどん減っています。AIに書かせて、人間が読んでチェックする。この役割分担がもう標準になりつつあります。
だから、ぶっちゃけ一番効率的なのは、「AIに雑に頼む→出てきた数式をVBAマクロで構造化して確認→問題なければ採用、ダメなら具体的に指摘してAIに再生成させる」というサイクルを回すことだと思います。数式を自分で書く時間をゼロにしろとは言いませんが、「書く力」より「読む力」と「指示する力」にエネルギーを割いた方が、確実に生産性は上がります。
そして、チームで働いている人に強く言いたいのは、「凝った数式を1つのセルに詰め込むのは自己満足だ」ということ。LET関数を5重にネストして「すごいでしょ」と思っても、翌月にそのブックを触る後任者は地獄を見ます。ヘルパー列で分けた方がデバッグも引き継ぎも圧倒的にラクです。パフォーマンスが本当に問題になるのは10万行を超えるような大規模データの場合だけなので、99%の業務ではヘルパー列で十分。これが、1000人以上に教えてきた私の結論です。
最終的に、Excel×AIの時代に最も価値があるスキルは「AIに的確な指示を出せること」と「AIの出力を正しく評価できること」の2つです。数式を暗記する必要はない。でも、数式の構造を読み解く目と、おかしいと思ったら「ここが違う」と具体的に指摘できる力は絶対に必要です。今日この記事で紹介したVBAマクロやプロンプトテンプレートは、まさにその「読む力」と「指示する力」を補助するための道具です。まずはVBAコード1の数式一覧化マクロを、今開いているブックで試してみてください。自分のブックにどんな数式が潜んでいるか、きっと新しい発見があるはずです。
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AIが生成するExcelのLET数式に関するよくある疑問
LET関数を使うとファイルが重くなりませんか?
むしろ逆です。LET関数は同じ計算の繰り返しを1回にまとめるので、ファイルの計算負荷はLET関数を使わない場合よりも軽くなります。たとえばXLOOKUPを3回繰り返す数式をLET関数で1回にまとめれば、計算時間は理論上3分の1になります。大規模なデータを扱うブックでは体感できるレベルの速度改善が得られることもあります。
LET関数はExcelのどのバージョンから使えますか?
LET関数はMicrosoft 365(旧Office 365)のサブスクリプション版で利用できます。Excel 2021の買い切り版でも対応しています。ただし、Excel 2019以前のバージョンではLET関数は使えませんので、チームメンバーのExcelバージョンを事前に確認しておくことが大切です。もし古いバージョンを使っている人がいる場合は、ヘルパー列で代替するのがベストな選択です。
AIにLET関数なしの数式を頼んだのにLETが含まれていた場合はどうすればいい?
AIは指示を完璧に守るとは限りません。もしLET関数が含まれていたら、2つの対処法があります。1つ目はプロンプトをより具体的に書き直すこと。「LET関数、LAMBDA関数は一切使用禁止。ヘルパー列で段階的に計算する方法を提案してください」のように強い表現にすると効果的です。2つ目は、LET関数の中身を手動で展開すること。変数に代入されている計算式をそのまま本体の数式にコピペすれば、LET関数なしの元の形に戻せます。
COPILOT関数とLET関数は何が違うのですか?
まったく別物です。LET関数は数式内で変数を定義するための関数で、計算結果は常に同じ(決定的)です。一方、COPILOT関数はセル内でAIモデルを呼び出す関数で、テキスト処理や分類に使います。COPILOT関数は同じ引数でも再計算のたびに異なる結果を返す可能性がある(非決定的)ため、数値計算や正確性が求められる場面にはLET関数や従来の関数を使うべきです。
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まとめ
AIがExcelで複雑なLET数式を生成するのは、計算の効率化という正しい理由に基づいています。しかし、数式を使うのは機械ではなく人間です。この記事で紹介したLET関数の読み方3つのコツ、AIへのプロンプト術、ヘルパー列との使い分け基準を押さえれば、どんなAI生成数式が来ても怖くありません。2026年はCOPILOT関数やAgent Modeなど、ExcelのAI機能がさらに加速する年です。新しい技術に振り回されるのではなく、基礎をしっかり理解した上で味方につける。それが「Excel×AI時代」を楽しむ一番の近道です。まずは今開いているExcelファイルの長い数式に、Alt+Enterで改行を入れるところから始めてみてください。きっと「なんだ、こんなシンプルなことだったのか」と思えるはずです。






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