ExcelのIF関数は、条件に応じて異なる結果を表示できる強力なツールです。しかし、複数の条件を組み合わせると、数式が複雑になりがちです。この記事では、IF関数を使って複数の条件を効率的に処理する方法を、初心者にもわかりやすく解説します。
IF関数の基本構文をおさらい
Excelのイメージ
まず、IF関数の基本的な構文を確認しましょう。
=IF(論理式, 真の場合, 偽の場合)
論理式: 条件を指定します（例: A1 > 10）。
真の場合: 条件が真（TRUE）のときに返す値。
偽の場合: 条件が偽（FALSE）のときに返す値。
例えば、セルA1の値が10より大きければ「合格」、それ以外は「不合格」と表示する場合、次のように入力します。
=IF(A1>10, "合格", "不合格")
複数の条件を組み合わせる方法
複数の条件を組み合わせることで、より柔軟な判定が可能になります。主に以下の方法があります。
AND関数を使う（すべての条件を満たす場合）
AND関数は、すべての条件が真である場合にTRUEを返します。IF関数と組み合わせることで、複数の条件を同時に判定できます。
例: セルA1が10より大きく、かつセルB1が20より小さい場合に「合格」、それ以外は「不合格」と表示する場合、次のように入力します。
=IF(AND(A1>10, B1<20), "合格", "不合格")
OR関数を使う（いずれかの条件を満たす場合）
OR関数は、いずれかの条件が真であればTRUEを返します。IF関数と組み合わせることで、いずれかの条件を満たす場合に特定の結果を返すことができます。
例: セルA1が10より大きい、またはセルB1が20より小さい場合に「合格」、それ以外は「不合格」と表示する場合、次のように入力します。
=IF(OR(A1>10, B1<20), "合格", "不合格")
NOT関数を使う（条件を否定する場合）
NOT関数は、条件が真であればFALSEを、偽であればTRUEを返します。IF関数と組み合わせることで、条件を否定して判定できます。
例: セルA1が10より大きくない場合に「合格」、それ以外は「不合格」と表示する場合、次のように入力します。
=IF(NOT(A1>10), "合格", "不合格")
複数の条件をネストする方法
複数の条件を順番に判定したい場合、IF関数を入れ子（ネスト）にすることができます。これにより、条件に応じて異なる結果を返すことができます。
例: セルA1の値が90以上なら「A」、80以上なら「B」、70以上なら「C」、それ以外は「D」と表示する場合、次のように入力します。
=IF(A1>=90, "A", IF(A1>=80, "B", IF(A1>=70, "C", "D")))
IFS関数を使う（複数の条件を簡潔に処理）
Excel 2019以降では、IFS関数を使用することで、複数の条件をより簡潔に処理できます。IFS関数は、条件と結果のペアを順番に指定し、最初に真となる条件の結果を返します。
例: セルA1の値が90以上なら「A」、80以上なら「B」、70以上なら「C」、それ以外は「D」と表示する場合、次のように入力します。
=IFS(A1>=90, "A", A1>=80, "B", A1>=70, "C", TRUE, "D")
このように、IFS関数を使用することで、ネストを深くせずに複数の条件を処理できます。
実務での活用例
実際の業務でIF関数を活用する場面をいくつか紹介します。
売上評価の自動判定
売上金額に応じて評価を自動で判定する場合、次のように入力します。
=IF(A1>=1000000, "優良", IF(A1>=500000, "良好", "要改善"))
これにより、売上金額が100万円以上なら「優良」、50万円以上なら「良好」、それ以外は「要改善」と表示されます。
出席率による評価
出席率に応じて評価を自動で判定する場合、次のように入力します。
=IF(AND(A1>=80, B1>=90), "合格", "不合格")
これにより、出席率が80%以上かつ出席回数が90%以上なら「合格」、それ以外は「不合格」と表示されます。
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まとめ
IF関数を活用することで、複数の条件に基づいた柔軟なデータ処理が可能になります。AND関数やOR関数、NOT関数を組み合わせることで、より複雑な条件にも対応できます。また、IFS関数を使用することで、ネストを深くせずに複数の条件を簡潔に処理できます。これらのテクニックを駆使して、業務の効率化を図りましょう。
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