ExcelのIF関数で「何もしない」を実現する方法と循環参照の回避法

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皆さん、Excelを使っていて「IF関数で条件に合わない場合、セルの値をそのままにしておきたい」と思ったことはありませんか?

例えば、ある条件が満たされたときだけセルの値を更新し、そうでない場合は元の値を保持したい場合です。

しかし、これを実現しようとすると、思わぬ「循環参照」というエラーに悩まされることがあります。

今日は、この問題を初心者の方にも分かりやすく解説し、解決策をご紹介します。

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循環参照とは?

まず、「循環参照」について簡単に説明しましょう。これは、セルが自分自身を直接または間接的に参照することで発生するエラーです。例えば、セルA1に「=A1+1」という数式を入力すると、A1は自分自身を参照しているため、Excelは無限ループに陥り、計算ができなくなります。このような状況を「循環参照」と呼びます。

IF関数で「何もしない」を実現する方法

では、本題のIF関数で条件に合わない場合にセルの値をそのまま保持する方法について考えてみましょう。通常、IF関数は以下のように使用します。

/* 数式 */
=IF(条件, 真の場合の値, 偽の場合の値)

例えば、セルA1とA2の値が等しい場合にのみセルB1の値を更新し、そうでない場合はB1の値をそのままにしたいとします。

このとき、以下のように書きたくなります。

/* 数式 */
=IF(A1=A2, 新しい値, B1)

しかし、これではセルB1が自分自身を参照しているため、循環参照が発生してしまいます。

解決策1:反復計算を利用する

この問題を解決する一つの方法として、「反復計算」を利用する方法があります。反復計算を有効にすることで、Excelは循環参照を許可し、指定した回数だけ計算を繰り返します。

手順は以下のとおりです。

  1. Excelのメニューから「ファイル」タブをクリックします。
  2. 「オプション」を選択し、「Excelのオプション」ダイアログを開きます。
  3. 左側のメニューから「数式」を選択します。
  4. 「計算オプション」セクション内の「反復計算を行う」にチェックを入れます。
  5. 「最大反復回数」を1に設定します。
  6. 「OK」をクリックして設定を保存します。

次に、セルB1に以下の数式を入力します。

/* 数式 */
=IF(A1=A2, 新しい値, B1)

これで、A1とA2が等しい場合にのみB1の値が更新され、そうでない場合はB1の値がそのまま保持されます。

注意点としては反復計算を有効にすると、他の計算にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、この設定を使用する際は十分に注意してください。

解決策2:マクロ(VBA)を使用する

もう一つの方法として、Excelのマクロ機能(VBA)を使用する方法があります。これにより、より柔軟にセルの値を制御できます。

手順は以下のとおりです。

  1. キーボードの「Alt」キーと「F11」キーを同時に押して、VBAエディターを開きます。
  2. 左側の「プロジェクト」ウィンドウで、対象のワークシートをダブルクリックします。
  3. コードウィンドウに以下のコードを入力します。
    /* VBAコード */
    Private Sub Worksheet_Change(ByVal Target As Range)
    If Not Intersect(Target, Me.Range("A1:A2")) Is Nothing Then
    If Me.Range("A1").Value = Me.Range("A2").Value Then
    Me.Range("B1").Value = 新しい値
    End If
    End If
    End Sub
  4. 「Ctrl」キーと「S」キーを同時に押して、コードを保存します。
  5. 「Alt」キーと「F11」キーを同時に押して、Excelに戻ります。

これで、セルA1またはA2の値が変更されたときに、両者の値が等しければB1の値が更新されます。

注意点は、マクロを使用するには、Excelのマクロ設定を有効にする必要があります。

また、マクロはExcelのセキュリティ設定によってはブロックされる場合がありますので、適切な設定を行ってください。

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