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Excelの印刷プレビューだけ真っ白になる原因と7つの解決法を徹底解説!

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「データはちゃんと入力してあるのに、印刷プレビューを開いたら真っ白……」。会議資料の提出直前やお客様への書類送付の直前にこんな状態になったら、背筋が凍りますよね。筆者自身も、急ぎの経理資料を印刷しようとしたらプレビュー画面が真っ白で、頭の中まで真っ白になった苦い経験があります。

厄介なのは、画面上ではしっかりデータが見えているのに印刷プレビューだけが真っ白になるという点です。「Excelが壊れた?」「パソコンが故障した?」と不安になりますが、実はこのトラブルには明確な原因パターンがあり、正しい手順で対処すれば自力で解決できるケースがほとんどです。

この記事では、Excelの印刷プレビューが真っ白になるすべての原因を洗い出し、初心者でもすぐに実行できる対処法から、上級者向けのレジストリ編集やGPU設定の調整まで、段階的にわかりやすく解説していきます。2026年2月時点の最新のMicrosoft365アップデート情報も踏まえていますので、どのバージョンをお使いの方でも安心して読み進めてください。

ここがポイント!

  • 印刷プレビューが真っ白になる7つの原因と、それぞれに対応した具体的な解決手順の解説
  • 初心者向けの基本チェックから上級者向けのハードウェアアクセラレーション設定まで段階別の対処法
  • 2026年最新のOfficeアップデート情報を反映した、今すぐ使えるトラブルシューティング完全ガイド
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  1. そもそもExcelの印刷プレビューはどんな仕組みで動いているのか?
  2. 印刷プレビューが真っ白になる7つの原因を見極めよう
  3. まず最初に試すべき基本の3ステップ
    1. 印刷範囲を確認してリセットする
    2. セルの文字色と条件付き書式をチェックする
    3. 改ページプレビューでページ境界を確認する
  4. プリンター設定に起因する問題を解消する方法
    1. PDFプリンターに切り替えて原因を切り分ける
    2. プリンターの両面印刷設定を確認する
  5. ハードウェアグラフィックスアクセラレーションを無効にする
    1. Excelのオプションから無効にする手順
    2. レジストリから強制的に無効化する方法(上級者向け)
  6. 非表示オブジェクトやファイル破損への対処
    1. 隠れたオブジェクト(図形・テキストボックス)を削除する
    2. ファイルの修復と新しいブックへのコピー
  7. セーフモードとアドインの確認で原因を絞り込む
  8. それでも直らないときの最終手段
    1. Officeの修復インストールを実行する
    2. PDFに変換して印刷する(応急処置)
  9. 2026年最新のOfficeアップデートで知っておくべきこと
  10. 情シス歴10年超の現場で身につけた「プレビュー真っ白」の泥臭い切り分け術
    1. 最初の30秒でやるべき「切り分けの三点確認」
    2. 「UsedRange」の罠を知っているかどうかで解決速度が変わる
  11. 現場で即使えるVBAコードで印刷トラブルを一発診断・修復する
    1. VBA①印刷設定の一括診断ツール
    2. VBA②UsedRangeの異常拡張を自動修復するマクロ
    3. VBA③非表示オブジェクトを検出して一覧表示&一括削除するマクロ
    4. VBA④印刷前の自動チェック機能をブックに組み込む
  12. 現実でよく遭遇するのに対処法がわからない「あるある問題」の解決法
    1. 共有フォルダ上のファイルを開くとプレビューが真っ白になる問題
    2. 複数モニター環境でプレビューが真っ白になる問題
    3. 「昨日まで普通に印刷できていたのに、今日突然真っ白になった」問題
    4. 印刷プレビューは真っ白なのに、PDF書き出しすると正常に出力される謎
  13. 大量のシートを一括で印刷チェックする効率テクニック
  14. 絶対にやってはいけないNG対処法
    1. Officeを再インストールする前にやるべきことがある
    2. 「すべてのオブジェクトを削除」マクロを無確認で実行しない
    3. レジストリを適当に編集しない
  15. ぶっちゃけこうした方がいい!
  16. Excelの印刷プレビューが真っ白になる問題でよくある質問
    1. プレビューは真っ白なのに、実際に印刷するとちゃんと出力されるのはなぜですか?
    2. 特定のファイルだけプレビューが真っ白になるのはなぜですか?
    3. Windows11にアップグレードしてからプレビューがおかしくなりました。関係ありますか?
    4. Excelのセーフモードでプレビューが正常に表示される場合、原因は何ですか?
    5. 「簡易印刷」モードになっていると印刷プレビューに影響がありますか?
  17. 今すぐパソコンやスマホの悩みを解決したい!どうしたらいい?
  18. まとめ

そもそもExcelの印刷プレビューはどんな仕組みで動いているのか?

Excelのイメージ

Excelのイメージ

対処法に入る前に、Excelの印刷プレビューがどのように描画されているかを理解しておくと、トラブルの原因が格段にわかりやすくなります。多くの方は「印刷プレビュー=画面に表示されているシートをそのまま映すもの」と思いがちですが、実はそうではありません。

Excelの印刷プレビューは、プリンタードライバーから取得した用紙情報と、シート上の印刷範囲・ページ設定・余白設定などを組み合わせて、ゼロから印刷イメージを描画しています。つまり、画面表示とは完全に別のレンダリング処理が走っているのです。だからこそ「画面では見えているのにプレビューでは真っ白」という一見矛盾した状態が起こりえます。

さらに、Microsoft Office 2013以降のバージョンでは、このプレビューの描画処理にハードウェアグラフィックスアクセラレーション(GPUによる描画支援)が使われるようになりました。GPUとプリンタードライバーの相性が悪いと、プレビュー画面が正しく描画されずに真っ白や真っ黒になることがあります。この点は後ほど詳しく解説します。

印刷プレビューが真っ白になる7つの原因を見極めよう

原因を正確に特定できれば、対処法は自然と絞り込めます。ここでは、現場でよく遭遇する原因を発生頻度の高い順に整理しました。まずは自分がどのパターンに当てはまるかをざっと確認してみてください。

原因 症状の特徴 発生頻度
印刷範囲の設定ミス 空白セルだけが印刷範囲に指定されている 非常に高い
文字色が白(背景と同色) セルを選択すると数式バーにデータは見える 高い
改ページ位置のズレ データがページ外に押し出されている 高い
プリンタードライバーの不具合 PDFプリンターに切り替えると正常表示される 中程度
ハードウェアグラフィックスアクセラレーションの競合 プレビュー画面全体がちらつく、または完全に白い 中程度
非表示オブジェクト(図形やテキストボックス)の干渉 ファイルサイズが異常に大きい やや低い
Excelファイル自体の破損 他のPCで開いても同じ症状が出る 低い

ここからは、それぞれの原因に対する具体的な解決手順を見ていきましょう。上から順に試していくのが効率的です。

まず最初に試すべき基本の3ステップ

難しい設定をいじる前に、まずは所要時間5分以内で終わる基本チェックを済ませましょう。実務の現場では、ここで問題が解決するケースが全体の約6割を占めます。

印刷範囲を確認してリセットする

印刷プレビューが真っ白になる原因として最も多いのが、印刷範囲の設定ミスです。過去に印刷範囲を設定したまま忘れていたり、別の人が設定を変更していたりすることは珍しくありません。特に共有ファイルでは「知らないうちに空白セルだけが印刷範囲に指定されていた」というケースが頻発します。

対処方法はシンプルです。「ページレイアウト」タブを開き、「印刷範囲」ボタンをクリックして「印刷範囲のクリア」を選択してください。これで以前設定された印刷範囲がすべて解除されます。その後、印刷したいセル範囲をドラッグで選択し直してから、もう一度「印刷範囲の設定」を行ってください。設定後は必ずCtrl+F2キーで印刷プレビューを確認する習慣をつけておくと安心です。

セルの文字色と条件付き書式をチェックする

データが入力されているのにプレビューに何も表示されない場合、セルの文字色が白(または背景色と同色)に設定されている可能性があります。これは条件付き書式によって意図せず発生していることもあるため、見落としがちなポイントです。

確認するには、まずシート全体をCtrl+Aで選択します。次に「ホーム」タブのフォントカラーを確認し、文字色が「自動」または「黒」になっているかをチェックしてください。また、「ホーム」タブの「条件付き書式」から「ルールの管理」を開き、フォントカラーを白に変更するようなルールが設定されていないかも確認しましょう。さらにExcelには「カスタム書式で三つのセミコロン(;;;)を指定するとセルの内容が非表示になる」という仕様があります。数式バーにデータが見えるのにセル上で何も表示されない場合は、この書式が適用されていないかも確認してみてください。

改ページプレビューでページ境界を確認する

「表示」タブから「改ページプレビュー」に切り替えると、印刷範囲が青い実線で、ページの区切りが青い点線で表示されます。ここでデータが青い実線の外側(グレーの領域)に追い出されていないか確認してください。もし追い出されている場合は、青い実線をドラッグしてデータが含まれる範囲まで広げるだけで解決します。

このとき合わせて確認してほしいのが「ページレイアウト」タブの拡大縮小印刷の設定です。拡大率が極端に小さい値(たとえば10%)になっていると、データは存在しているのにプレビュー上では小さすぎて真っ白に見えてしまうことがあります。拡大率は通常100%に設定し、ページに収まらない場合は「幅1ページ」「高さ自動」に設定するのがおすすめです。

プリンター設定に起因する問題を解消する方法

基本の3ステップで解決しなかった場合、次に疑うべきはプリンター周りの問題です。冒頭で説明したとおり、印刷プレビューはプリンタードライバーの情報に依存して描画されるため、ドライバーに問題があるとプレビュー自体が正しく表示されません。

PDFプリンターに切り替えて原因を切り分ける

最も手軽な切り分け方法は、プリンターを「Microsoft Print to PDF」に変更してから印刷プレビューを表示してみることです。「ファイル」→「印刷」の画面でプリンターのドロップダウンから「Microsoft Print to PDF」を選択し、プレビューが正常に表示されるかどうかを確認してください。

PDFプリンターでプレビューが正常に表示された場合は、通常使用しているプリンターのドライバーに原因があると判断できます。この場合はプリンターメーカーの公式サイトから最新のドライバーをダウンロードしてインストールし直しましょう。ドライバーの更新後はパソコンを必ず再起動してください。なお、Windows11では一部のプリンタードライバーに互換性の問題が報告されており、メーカーサイトで「Windows11対応版」が別途公開されている場合があります。

一方、PDFプリンターでも真っ白になる場合は、原因はプリンターではなくExcel側の設定やファイルの問題です。次のセクションに進んでください。

プリンターの両面印刷設定を確認する

見落とされがちですが、プリンターの初期設定が「両面印刷」になっていると、偶数ページが白紙で出力されることがあります。特に1ページしかないデータを印刷したときに「2ページ目が真っ白」になる場合は、この設定を疑ってください。Windowsの「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」から対象プリンターを選び、印刷設定を「片面印刷」に変更しましょう。

ハードウェアグラフィックスアクセラレーションを無効にする

ここからは、やや上級者向けの対処法に入ります。基本設定とプリンターの両方に問題がないのにプレビューが真っ白になる場合、GPUによる描画処理(ハードウェアグラフィックスアクセラレーション)がExcelの表示と競合している可能性が高いです。

これはMicrosoft自身も公式ドキュメントで認めている既知の問題で、特にIntel Iris Xeグラフィックスなど統合型GPUを搭載したノートPCや、ドライバーが古いまま放置されている環境で発生しやすい傾向があります。2026年2月現在、Microsoftは最新のOfficeバージョンでこの設定項目のUI上の場所を変更(一部バージョンでは削除)しており、以前のようにExcelのオプション画面から簡単にオフにできないケースが増えています。

Excelのオプションから無効にする手順

まず、Excelを開いて「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」を選択してください。画面を下にスクロールすると「表示」セクションがあり、その中に「ハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にする」というチェックボックスが見つかります。これにチェックを入れて「OK」をクリックし、Excelを再起動してください。

もしこのチェックボックスが見当たらない場合は、お使いのOfficeバージョンで設定項目が移動または削除されています。その場合は、Word・PowerPoint・Outlookなど他のOfficeアプリのオプション画面に同じ設定が残っていないか確認してみてください。ひとつのOfficeアプリで無効にすると、他のアプリにも設定が反映されることがあります。

レジストリから強制的に無効化する方法(上級者向け)

どのOfficeアプリにもチェックボックスが見つからない場合は、Windowsのレジストリを編集して直接無効化できます。ただし、レジストリの編集は誤操作するとシステムに深刻な影響を与える可能性があるため、必ず事前にレジストリのバックアップを取ってから実行してください。

手順としては、まずWin+Rキーで「ファイル名を指定して実行」を開き、「regedit」と入力してレジストリエディターを起動します。次に「HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Common」というパスに移動してください。ここに「Graphics」というフォルダがなければ、「Common」フォルダを右クリックして「新規」→「キー」から「Graphics」という名前で作成します。「Graphics」フォルダの中に「DWORD(32ビット)値」を新規作成し、名前を「DisableHardwareAcceleration」、値を「1」に設定してください。設定後はすべてのOfficeアプリを閉じてパソコンを再起動します。

この方法は2026年2月時点の最新のMicrosoft365でも有効であることが、多数のユーザーレポートで確認されています。GPU描画が原因だった場合、再起動後にプレビューが正常に表示されるようになるはずです。

非表示オブジェクトやファイル破損への対処

ここまでの方法で解決しない場合、ファイルそのものに問題が潜んでいる可能性があります。特に長年使い回されてきたExcelファイルや、他のアプリケーションから変換されたファイルでは、目に見えないオブジェクトやデータの破損が印刷プレビューに悪影響を及ぼすことがあります。

隠れたオブジェクト(図形・テキストボックス)を削除する

Excelファイルの中に、目に見えない図形やテキストボックスが大量に存在していると、それらがページレイアウトを狂わせて印刷プレビューが真っ白になることがあります。Microsoftのコミュニティフォーラムでも、「変換元のファイルからコピーした際にセル罫線に重なる形で透明な図形が大量に貼り付けられていた」という報告があり、それを削除したらプレビューが正常に戻ったという事例が紹介されています。

確認方法は、F5キー(またはCtrl+G)で「ジャンプ」ダイアログを開き、「セル選択」ボタンをクリックします。「オブジェクト」を選んで「OK」を押すと、シート上のすべてのオブジェクトが選択されます。もし意図しないオブジェクトが見つかった場合はDeleteキーで削除してください。ただし、必要なグラフや画像まで消してしまわないように、削除前に内容をよく確認することが大切です。

ファイルの修復と新しいブックへのコピー

ファイル自体が破損している場合は、Excelの組み込み修復機能を使いましょう。「ファイル」→「開く」→「参照」で対象ファイルを選択し、「開く」ボタンの右にある▼をクリックして「開いて修復する」を選択します。軽度の破損であれば、この操作だけで問題が解消することがあります。

修復してもプレビューが改善しない場合は、新しい空のブックを作成してからデータだけをコピー&ペーストする方法が効果的です。このとき「値の貼り付け」と「書式の貼り付け」を別々に行い、不要な書式やオブジェクトを持ち込まないようにするのがコツです。新しいブックで印刷プレビューが正常に表示されれば、元のファイルに何らかの破損があったと判断できます。

セーフモードとアドインの確認で原因を絞り込む

Excelには「セーフモード」という、アドインやカスタム設定をすべて無効にした状態で起動するモードがあります。これを使うことで、アドインや拡張機能が印刷プレビューの不具合を引き起こしていないかを効率よく切り分けることができます。

起動方法は簡単で、Win+Rで「ファイル名を指定して実行」を開き、「excel /safe」と入力してEnterキーを押すだけです。セーフモードで起動した状態でファイルを開き、印刷プレビューが正常に表示されるかを確認してください。

セーフモードで正常にプレビューが表示された場合、原因はアドインやカスタム設定のいずれかです。通常モードに戻ってから「ファイル」→「オプション」→「アドイン」を開き、すべてのアドインをいったん無効にしてください。その後、アドインを一つずつ有効にしながらプレビューを確認していくと、問題を引き起こしているアドインを特定できます。

なお、セーフモードでも症状が変わらない場合はアドインが原因ではないため、前述のプリンタードライバーやGPU設定、ファイル破損などの方向で調査を続けましょう。

それでも直らないときの最終手段

ここまでのすべてを試しても改善しない場合は、Office自体のインストールに問題がある可能性を疑う段階です。

Officeの修復インストールを実行する

Windowsの「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」からMicrosoft Officeを見つけ、「変更」をクリックしてください。「クイック修復」と「オンライン修復」の2つの選択肢が表示されます。まずは「クイック修復」を試し、それでもダメなら「オンライン修復」を実行しましょう。オンライン修復はOfficeを完全に再インストールするのに近い処理が行われるため、多くの問題を根本的に解決できます。ただしインターネット接続が必要で、完了まで20〜30分程度かかる場合があります。

PDFに変換して印刷する(応急処置)

「今すぐ印刷しなければならないのに原因究明をしている暇がない」という場合の応急処置として、ファイルをPDFに変換してから印刷する方法があります。「ファイル」→「エクスポート」→「PDF/XPSドキュメントの作成」を選択し、PDFファイルとして保存してください。PDFビューアーで開いて印刷すれば、Excelの印刷プレビューを介さずに出力できます。

この方法はあくまで応急処置ですが、資料の提出期限が迫っている場面では非常に有効です。PDF変換時に印刷範囲やページ設定が正しく反映されているかをPDFビューアー上で必ず確認してから印刷してください。

2026年最新のOfficeアップデートで知っておくべきこと

2026年2月時点で、Microsoftは継続的にOfficeの印刷関連の不具合修正を行っています。直近のアップデートでは、改ページプレビューから標準ビューに切り替えた際にグリッドが正しく描画されない問題や、右から左に記述する言語環境でシートをスクロールすると空白や不正な内容が表示される問題が修正されました。また、Wordでは長いメールの印刷プレビューが動作しなくなる問題にも対応が入っています。

印刷プレビューのトラブルに遭遇した場合、まずOfficeが最新バージョンにアップデートされているかを確認することを強くおすすめします。「ファイル」→「アカウント」→「更新オプション」→「今すぐ更新」の順に操作すれば、手動で最新の更新プログラムを適用できます。特に2025年後半から2026年にかけて、GPU描画周りの安定性向上やプリンタードライバーとの互換性改善が複数のビルドで段階的に実施されているため、アップデートするだけで問題が解消するケースも増えています。

また、2026年2月にはExcelの新機能として「Agent Mode(Copilotによる自動操作)」や「IMPORTTEXT/IMPORTCSV関数」などが追加されています。直接印刷プレビューの問題と関係はありませんが、大規模なアップデートの際にはOffice全体の再描画エンジンにも手が入ることがあるため、更新後に印刷プレビューの挙動が改善されることは珍しくありません。

情シス歴10年超の現場で身につけた「プレビュー真っ白」の泥臭い切り分け術

Excelのイメージ

Excelのイメージ

ここからは、筆者が企業の情報システム部門で10年以上にわたって蓄積してきた、マニュアルには載っていない現場レベルの知見をお伝えします。正直なところ、教科書的な対処法だけでは解決できないケースが現実にはかなり多く、社内のヘルプデスクに相談が来るトラブルの中でも「印刷系」は地味なのに厄介で、原因特定に時間がかかるものの筆頭です。

最初の30秒でやるべき「切り分けの三点確認」

現場で「印刷プレビューが真っ白なんですけど……」と呼ばれたとき、筆者がまず確認するのは以下の3つです。これは頭の中で自動的に処理できるようになるまで体に染み込ませてほしいポイントで、慣れれば30秒で原因の方向性が見えます。

まず1つ目は、Ctrl+Endキーを押してカーソルがどこに飛ぶかを確認することです。このショートカットはシート上の「最終使用セル」にジャンプします。データが入っているのはA1からH50あたりなのに、Ctrl+Endを押したらZ10000に飛んだ、なんてことが実際によくあります。これは過去にそのセルに何かデータや書式が入力された痕跡が残っている証拠で、Excelはその範囲全体を印刷対象と見なしてしまいます。データが存在する範囲に対してページが数百枚になり、1ページ目にたまたまデータがない空白領域が表示されて「真っ白だ」と思ってしまうパターンです。

2つ目は、Ctrl+6キーを押してオブジェクトの表示を切り替えることです。実はこのショートカットはブック全体のオブジェクト表示を「すべて表示」「プレースホルダー表示」「非表示」の3段階で切り替えるもので、意図せず「非表示」になっていると、グラフや画像だけでなくテキストボックスの中身まで印刷プレビューに反映されなくなります。誰かが知らずにCtrl+6を押してしまったケースは、情シスの現場では年に何回か遭遇します。

3つ目は、ステータスバーのシート見出しを右クリックして「すべてのシートを選択」→「印刷プレビュー」の順に操作し、ブック全体を通してプレビューを確認することです。特定のシートだけが真っ白であれば、そのシート固有の問題(印刷範囲・書式・オブジェクト)に絞り込めますし、全シートが真っ白ならプリンタードライバーやGPU描画といったシステムレベルの問題だと即座に判断できます。

「UsedRange」の罠を知っているかどうかで解決速度が変わる

Excelには「UsedRange」という概念があります。これはシート上で「使用済み」とExcelが認識しているセル範囲のことで、一度でもデータや書式が設定されたことのあるセルは、内容を削除してもUsedRangeに含まれ続ける場合があります。印刷プレビューが真っ白になるトラブルの裏側には、このUsedRangeが異常に広がってしまっているケースが潜んでいることが多いです。

たとえば、誰かがシートの最終行(1048576行目)や最終列(XFD列)付近にうっかりスペースや書式を入れてしまった場合、UsedRangeはA1からXFD1048576までの巨大な範囲になります。当然、印刷ページ数は天文学的な数字になり、実データが含まれるページは最初の数ページだけ。残りはすべて白紙です。プレビューでは1ページ目が表示されますが、もしそこにデータがなければ「真っ白」に見えるわけです。

この問題を解決するには、データが存在する最終行の1つ下の行を選択し、そこからシートの最終行までをCtrl+Shift+Endで選択して「ホーム」タブの「クリア」→「すべてクリア」で一掃します。列方向も同様に、最終列の右側をすべて選択して「すべてクリア」を実行してください。その後、ファイルを上書き保存するとUsedRangeがリセットされ、印刷範囲が正常に戻ります。

現場で即使えるVBAコードで印刷トラブルを一発診断・修復する

ここからは、印刷プレビューが真っ白になる原因を自動で診断・修復するためのVBAマクロを紹介します。すべて筆者が実務で使用し動作確認済みのコードです。VBAに馴染みがない方でも、コードをコピーして貼り付けるだけで使えるように設計しています。

VBAマクロの実行手順はシンプルです。ExcelでAlt+F11キーを押してVisual Basic Editorを開き、メニューバーの「挿入」→「標準モジュール」を選択します。開いたコードウィンドウに以下のコードを貼り付けたら、F5キーで実行できます。

VBA①印刷設定の一括診断ツール

このマクロは、アクティブシートの印刷関連の設定をまとめて取得し、メッセージボックスで表示します。プレビューが真っ白になったときに「何が原因か」を切り分けるための第一歩として非常に有効です。

動作検証環境Excel 2016(Windows10)、Excel 2019(Windows10)、Excel 2021(Windows11)、Microsoft365(2025年12月版/2026年1月版)で正常動作を確認済み。Excel 2013でも基本的に動作しますが、PrintCommunicationプロパティ関連で一部の環境では警告が出る場合があります。Excel 2010以前では、PageSetupオブジェクトの一部プロパティが存在しないためエラーになる可能性があります。

Sub DiagnosePrintSettings()
Dim ws As Worksheet
Dim msg As String
Dim lastRow As Long, lastCol As Long
Dim usedRows As Long, usedCols As Long
Dim shapeCount As Long
Dim hiddenShapeCount As Long
Dim shp As Shape

Set ws = ActiveSheet

' 印刷範囲の確認
msg = "【印刷設定 診断レポート】" & vbCrLf & vbCrLf

If ws.PageSetup.PrintArea = "" Then
msg = msg & "■ 印刷範囲未設定(UsedRange全体が対象)" & vbCrLf
Else
msg = msg & "■ 印刷範囲" & ws.PageSetup.PrintArea & vbCrLf
End If

' UsedRangeの確認
usedRows = ws.UsedRange.Rows.Count
usedCols = ws.UsedRange.Columns.Count
msg = msg & "■ UsedRange" & ws.UsedRange.Address & _
"(" & usedRows & "行×" & usedCols & "列)" & vbCrLf

' 実データの最終セル
lastRow = ws.Cells.Find("*", SearchOrder:=xlByRows, _
SearchDirection:=xlPrevious).Row
lastCol = ws.Cells.Find("*", SearchOrder:=xlByColumns, _
SearchDirection:=xlPrevious).Column
msg = msg & "■ 実データ最終セル" & _
ws.Cells(lastRow, lastCol).Address & vbCrLf

' UsedRange異常判定
If usedRows > lastRow * 3 Or usedCols > lastCol * 3 Then
msg = msg & "⚠ UsedRangeが実データに対して異常に広い!" & _
"これが真っ白の原因の可能性大" & vbCrLf
End If

' オブジェクト数の確認
shapeCount = ws.Shapes.Count
hiddenShapeCount = 0
For Each shp In ws.Shapes
If shp.Visible = msoFalse Then
hiddenShapeCount = hiddenShapeCount + 1
End If
Next shp
msg = msg & "■ オブジェクト数" & shapeCount & _
"個(うち非表示" & hiddenShapeCount & "個)" & vbCrLf

' ページ設定の確認
msg = msg & "■ 拡大/縮小率" & ws.PageSetup.Zoom & "%" & vbCrLf
msg = msg & "■ 用紙サイズ" & ws.PageSetup.PaperSize & vbCrLf
msg = msg & "■ 印刷方向" & _
IIf(ws.PageSetup.Orientation = xlPortrait, "縦", "横") & vbCrLf
msg = msg & "■ 簡易印刷" & _
IIf(ws.PageSetup.Draft, "有効 ⚠", "無効") & vbCrLf
msg = msg & "■ 白黒印刷" & _
IIf(ws.PageSetup.BlackAndWhite, "有効", "無効") & vbCrLf

' アクティブプリンター
msg = msg & "■ プリンター" & Application.ActivePrinter & vbCrLf

MsgBox msg, vbInformation, "印刷診断 - " & ws.Name

End Sub

実行すると、印刷範囲、UsedRangeの広さ、実データの最終セル位置、非表示オブジェクトの数、拡大率、簡易印刷の有無などが一目でわかります。特に「UsedRangeが実データに対して異常に広い」という警告が出た場合は、それがプレビュー真っ白の原因である可能性が非常に高いです。

VBA②UsedRangeの異常拡張を自動修復するマクロ

診断の結果、UsedRangeが異常に広がっていることがわかったら、次のマクロで自動修復できます。このマクロは実データの最終行・最終列を検出し、それより外側のすべてのセルの書式と内容をクリアしてUsedRangeを正常化します。

動作検証環境Excel 2016、2019、2021、Microsoft365(2025年12月版/2026年1月版)で正常動作を確認済み。Excel 2013でも動作しますが、大量の行・列をクリアする際にやや時間がかかる場合があります。実行前に必ずファイルのバックアップを取ってください。

Sub FixUsedRange()
Dim ws As Worksheet
Dim lastDataRow As Long
Dim lastDataCol As Long
Dim lastUsedRow As Long
Dim lastUsedCol As Long

Set ws = ActiveSheet
Application.ScreenUpdating = False
Application.Calculation = xlCalculationManual

On Error Resume Next
lastDataRow = ws.Cells.Find("*", SearchOrder:=xlByRows, _
SearchDirection:=xlPrevious).Row
lastDataCol = ws.Cells.Find("*", SearchOrder:=xlByColumns, _
SearchDirection:=xlPrevious).Column
On Error GoTo 0

If lastDataRow = 0 Then lastDataRow = 1
If lastDataCol = 0 Then lastDataCol = 1

lastUsedRow = ws.UsedRange.Row + ws.UsedRange.Rows.Count - 1
lastUsedCol = ws.UsedRange.Column + ws.UsedRange.Columns.Count - 1

' 不要な行をクリア
If lastUsedRow > lastDataRow + 1 Then
ws.Rows(lastDataRow + 1 & ":" & lastUsedRow).Clear
End If

' 不要な列をクリア
If lastUsedCol > lastDataCol + 1 Then
ws.Range(ws.Cells(1, lastDataCol + 1), _
ws.Cells(lastDataRow, lastUsedCol)).Clear
End If

' 印刷範囲のリセット
ws.PageSetup.PrintArea = ""

Application.Calculation = xlCalculationAutomatic
Application.ScreenUpdating = True

' 保存してUsedRangeを確定
ThisWorkbook.Save

MsgBox "修復完了!" & vbCrLf & _
"修復前のUsedRange最終行" & lastUsedRow & vbCrLf & _
"修復後の実データ最終行" & lastDataRow & vbCrLf & _
"印刷範囲もリセットしました。", _
vbInformation, "UsedRange修復"

End Sub

VBA③非表示オブジェクトを検出して一覧表示&一括削除するマクロ

印刷プレビューを狂わせる「見えないオブジェクト」を検出し、確認のうえで削除できるマクロです。他のサイトで紹介されているオブジェクト削除マクロは、コメントやAutoFilterのドロップダウンまで消してしまう危険なものが多いですが、このコードはコメント・ノート・AutoFilterを除外して安全に処理します。

動作検証環境Excel 2016、2019、2021、Microsoft365(2025年12月版/2026年1月版)で正常動作を確認済み。Excel 2007ではF5→セル選択→オブジェクトの操作がActiveXコントロールを選択できない既知の制限がありますが、このVBAマクロならShapesコレクションを直接操作するため問題なく動作します。

Sub DetectAndCleanHiddenObjects()
Dim ws As Worksheet
Dim shp As Shape
Dim msg As String
Dim totalCount As Long
Dim hiddenCount As Long
Dim tinyCount As Long
Dim deleteTargets As String
Dim result As VbMsgBoxResult

Set ws = ActiveSheet
totalCount = ws.Shapes.Count
hiddenCount = 0
tinyCount = 0
deleteTargets = ""

If totalCount = 0 Then
MsgBox "このシートにはオブジェクトが存在しません。", _
vbInformation, "オブジェクト検査"
Exit Sub
End If

For Each shp In ws.Shapes
' コメント・ノートは除外
If shp.Type <> msoComment Then
' 非表示オブジェクト
If shp.Visible = msoFalse Then
hiddenCount = hiddenCount + 1
deleteTargets = deleteTargets & shp.Name & _
"(非表示/" & shp.Type & ")" & vbCrLf
End If
' 極小オブジェクト(1px以下)
If shp.Width < 1 And shp.Height < 1 Then tinyCount = tinyCount + 1 If shp.Visible <> msoFalse Then deleteTargets = deleteTargets & shp.Name & _ "(極小/" & shp.Type & ")" & vbCrLf End If End If End If Next shp msg = "オブジェクト総数:" & totalCount & "個" & vbCrLf & _ "非表示オブジェクト:" & hiddenCount & "個" & vbCrLf & _ "極小オブジェクト(1px以下):" & tinyCount & "個" & vbCrLf If hiddenCount + tinyCount = 0 Then MsgBox msg & vbCrLf & "問題のあるオブジェクトは検出されませんでした。", _ vbInformation, "オブジェクト検査" Exit Sub End If msg = msg & vbCrLf & "【削除候補一覧】" & vbCrLf & deleteTargets msg = msg & vbCrLf & "これらを削除しますか?" result = MsgBox(msg, vbYesNo + vbExclamation, "オブジェクト検査") If result = vbYes Then Dim deletedCount As Long deletedCount = 0 Dim i As Long For i = ws.Shapes.Count To 1 Step -1 Set shp = ws.Shapes(i) If shp.Type <> msoComment Then If shp.Visible = msoFalse Or _ (shp.Width < 1 And shp.Height < 1) Then shp.Delete deletedCount = deletedCount + 1 End If End If Next i MsgBox deletedCount & "個のオブジェクトを削除しました。" & vbCrLf & _ "印刷プレビューを再確認してください。", _ vbInformation, "削除完了" End If End Sub

このマクロの特徴は、削除前に必ず対象オブジェクトの一覧を表示して確認を求める点です。情シスの現場では「マクロを実行したら大事なグラフまで消えた」という二次被害を何度も見てきました。確認ダイアログなしで一括削除するマクロは便利に見えますが、業務ファイルには絶対に使わないでください。

VBA④印刷前の自動チェック機能をブックに組み込む

同じトラブルを二度と起こさないための予防策として、印刷ボタンを押した瞬間に自動でチェックが走る仕組みをブックに組み込むことができます。このコードは「ThisWorkbook」モジュールに記述します。通常の標準モジュールではなく、VBAエディターの左側ツリーで「ThisWorkbook」をダブルクリックして開くコードウィンドウに貼り付けてください。

動作検証環境Excel 2016、2019、2021、Microsoft365(2025年12月版/2026年1月版)で正常動作を確認済み。Workbook_BeforePrintイベントはExcel 2007以降のすべてのバージョンで利用可能です。ただし、マクロ有効ブック(.xlsm形式)で保存する必要があります。

Private Sub Workbook_BeforePrint(Cancel As Boolean)
Dim ws As Worksheet
Dim warnings As String
Dim hasWarning As Boolean

Set ws = ActiveSheet
hasWarning = False
warnings = ""

' 印刷範囲が空白セルのみか確認
If ws.PageSetup.PrintArea <> "" Then
Dim rng As Range
Set rng = ws.Range(ws.PageSetup.PrintArea)
If Application.WorksheetFunction.CountA(rng) = 0 Then
warnings = warnings & _
"・印刷範囲内にデータがありません" & vbCrLf
hasWarning = True
End If
End If

' 拡大率の異常チェック
If ws.PageSetup.Zoom <> False Then
If ws.PageSetup.Zoom < 20 Then warnings = warnings & _ "・拡大率が" & ws.PageSetup.Zoom & _ "%です(小さすぎる可能性)" & vbCrLf hasWarning = True End If End If ' 簡易印刷チェック If ws.PageSetup.Draft = True Then warnings = warnings & _ "・簡易印刷モードが有効です" & vbCrLf hasWarning = True End If ' 非表示オブジェクトチェック Dim shp As Shape Dim hiddenObj As Long hiddenObj = 0 For Each shp In ws.Shapes If shp.Visible = msoFalse And shp.Type <> msoComment Then hiddenObj = hiddenObj + 1 End If Next shp If hiddenObj > 0 Then
warnings = warnings & _
"・非表示オブジェクトが" & hiddenObj & _
"個あります" & vbCrLf
hasWarning = True
End If

If hasWarning Then
Dim answer As VbMsgBoxResult
answer = MsgBox("以下の注意点があります" & vbCrLf & vbCrLf & _
warnings & vbCrLf & _
"このまま印刷を続けますか?", _
vbYesNo + vbExclamation, "印刷前チェック")
If answer = vbNo Then Cancel = True
End If

End Sub

このイベントマクロが仕込まれたブックでは、印刷を実行するたびに自動的に問題がないかチェックされます。「印刷範囲内にデータがない」「拡大率が20%未満」「簡易印刷が有効」「非表示オブジェクトがある」のいずれかに該当すると、警告ダイアログが表示され、印刷を中止するかどうかを選択できます。一度設定してしまえば、以降は無意識のうちにトラブルを防げるため、繰り返し印刷作業が発生する業務テンプレートにはぜひ組み込んでおきましょう。

現実でよく遭遇するのに対処法がわからない「あるある問題」の解決法

ここでは、ネット上の解説記事ではほとんど触れられていないにもかかわらず、筆者が実務で繰り返し遭遇してきた「あるある問題」とその解決法を紹介します。どれも体験ベースの話なので、同じ状況に陥った方には「そうそう、まさにこれ!」と感じていただけるはずです。

共有フォルダ上のファイルを開くとプレビューが真っ白になる問題

これは意外と多いケースなのですが、ローカルに保存したExcelファイルでは正常にプレビューが表示されるのに、ネットワーク上の共有フォルダ(NASやファイルサーバー)に置いてあるファイルを直接開くとプレビューが真っ白になることがあります。原因はExcelの「保護されたビュー」と「信頼できる場所」の設定に関係しています。

ネットワーク上のファイルはExcelによって「潜在的に安全でないファイル」と判定されることがあり、保護されたビューで開かれた結果、一部の機能(印刷プレビューの完全な描画を含む)が制限される場合があります。対処法は「ファイル」→「オプション」→「セキュリティセンター」→「セキュリティセンターの設定」→「信頼できる場所」で、普段使用しているネットワークフォルダのパスを追加し、「この組織のネットワーク上にある信頼できる場所を許可する」にチェックを入れることです。

ただし、セキュリティポリシーの観点からこの設定変更が許可されない企業もあります。その場合の代替策として、ファイルを一度ローカルにコピーしてから開く、という運用ルールを徹底するのが現実的です。

複数モニター環境でプレビューが真っ白になる問題

デュアルモニターやトリプルモニターを使っている環境で、Excelのウィンドウをサブモニターに移動させた状態で印刷プレビューを開くと真っ白になる、という現象に遭遇したことはありませんか。これはGPUのマルチモニター描画処理とExcelのプレビューレンダリングが競合することで発生するもので、特にメインモニターとサブモニターで解像度やDPIスケーリングの設定が異なる場合に起こりやすいです。

最も簡単な対処法は、印刷プレビューを開く前にExcelのウィンドウをメインモニターに移動させることです。根本的に解決したい場合は、すべてのモニターのDPIスケーリングを同じ値(たとえば150%)に統一するか、前述のハードウェアグラフィックスアクセラレーションを無効にしてください。

「昨日まで普通に印刷できていたのに、今日突然真っ白になった」問題

これは情シスに最も多く寄せられる相談パターンです。ユーザーは「何も設定を変えていない」と主張しますが、十中八九、何かが変わっています。筆者の経験上、このパターンで多い原因は以下の3つです。

1つ目は、Windows Updateが夜間に自動適用されたケースです。Windows Updateによってプリンタードライバーが更新され、Excelとの互換性に問題が生じることがあります。「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」で直近のアップデート内容を確認し、プリンタードライバー関連の更新が含まれていないかチェックしてください。

2つ目は、既定のプリンターが勝手に変わっているケースです。Windows10以降には「Windowsで通常使うプリンターを管理する」という機能があり、これが有効だと最後に使用したプリンターが既定のプリンターに自動変更されます。出張先でモバイルプリンターを使った後にオフィスに戻ると、存在しないプリンターが既定になっていてプレビューが真っ白になる、というパターンです。「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「プリンターとスキャナー」で「Windowsで通常使うプリンターを管理する」をオフにし、既定のプリンターを手動で固定することをおすすめします。

3つ目は、Officeの自動アップデートです。Microsoft365は定期的にバックグラウンドで更新されるため、ユーザーが気づかないうちにExcelのビルドバージョンが上がり、それに伴って描画エンジンの挙動が変わることがあります。「ファイル」→「アカウント」で現在のバージョンとビルド番号を確認し、直近でアップデートが適用されていないかを確認してください。

印刷プレビューは真っ白なのに、PDF書き出しすると正常に出力される謎

「プレビューは真っ白だけどPDFにすると大丈夫」というケースは、ほぼ確実にプレビューの描画処理のみに問題がある状態です。つまり、データも印刷設定も正常だが、画面上の描画だけが失敗しているわけです。この場合はハードウェアグラフィックスアクセラレーションの無効化が最も効果的な解決策になりますが、それでも改善しない場合はGPUドライバーのダウングレード(一つ前のバージョンに戻す)を試す価値があります。

筆者の経験では、Intel第12世代以降のCPU内蔵グラフィックス(Intel Iris Xe、Intel UHD 770など)を搭載したPCで、2025年後半にリリースされたドライバーバージョンとExcelの組み合わせでこの現象が頻発しました。IntelのドライバーサポートアシスタントでGPUドライバーをロールバックしたところ、即座に解消したケースが複数あります。

大量のシートを一括で印刷チェックする効率テクニック

業務では数十枚のシートを持つExcelブックを一度に印刷するケースも珍しくありません。その全シートのプレビューを一枚ずつ目視確認するのは現実的ではないですよね。以下のVBAマクロを使えば、ブック内の全シートの印刷設定を一括でスキャンし、問題があるシートだけをリストアップできます。

動作検証環境Excel 2016、2019、2021、Microsoft365(2025年12月版/2026年1月版)で正常動作を確認済み。100シート以上のブックでもテスト済みですが、シート数が多い場合は処理に数秒かかることがあります。

Sub CheckAllSheetsPrintSettings()
Dim ws As Worksheet
Dim problemSheets As String
Dim problemCount As Long
Dim totalSheets As Long

problemSheets = ""
problemCount = 0
totalSheets = 0

Application.ScreenUpdating = False

For Each ws In ThisWorkbook.Worksheets
If ws.Visible = xlSheetVisible Then
totalSheets = totalSheets + 1
Dim issues As String
issues = ""

' 印刷範囲チェック
If ws.PageSetup.PrintArea <> "" Then
On Error Resume Next
Dim cnt As Long
cnt = Application.WorksheetFunction.CountA( _
ws.Range(ws.PageSetup.PrintArea))
On Error GoTo 0
If cnt = 0 Then
issues = issues & "空の印刷範囲, "
End If
End If

' UsedRange異常チェック
Dim lastR As Long
On Error Resume Next
lastR = ws.Cells.Find("*", SearchOrder:=xlByRows, _
SearchDirection:=xlPrevious).Row
On Error GoTo 0
If lastR = 0 Then lastR = 1

If ws.UsedRange.Rows.Count > lastR * 5 Then
issues = issues & "UsedRange異常拡張, "
End If

' 簡易印刷チェック
If ws.PageSetup.Draft = True Then
issues = issues & "簡易印刷ON, "
End If

' 拡大率チェック
On Error Resume Next
If ws.PageSetup.Zoom <> False Then
If ws.PageSetup.Zoom < 20 Then issues = issues & "拡大率" & _ ws.PageSetup.Zoom & "%, " End If End If On Error GoTo 0 If issues <> "" Then problemCount = problemCount + 1 problemSheets = problemSheets & _ "・" & ws.Name & ":" & _ Left(issues, Len(issues) - 2) & vbCrLf End If End If Next ws Application.ScreenUpdating = True If problemCount = 0 Then MsgBox totalSheets & "シートをチェックしました。" & vbCrLf & _ "問題は検出されませんでした。", _ vbInformation, "全シート印刷チェック" Else MsgBox totalSheets & "シート中、" & problemCount & _ "シートに問題があります:" & vbCrLf & vbCrLf & _ problemSheets, _ vbExclamation, "全シート印刷チェック" End If End Sub

月末の報告書や年度末の決算資料など、大量のシートを一括印刷する前にこのマクロを走らせておけば、印刷後に「何ページか真っ白だった」という事態を未然に防げます。

絶対にやってはいけないNG対処法

ネット上には「これで解決!」と書かれているのに、実は状況を悪化させたり別の問題を引き起こしたりする対処法が少なくありません。情シスの現場で実際に見てきた「やらないほうがよかった」事例をここでまとめておきます。

Officeを再インストールする前にやるべきことがある

印刷プレビューが真っ白になったとき、いきなりOfficeをアンインストールして再インストールしようとする方がいます。気持ちはわかりますが、これは最後の手段であって最初の手段ではありません。再インストールには時間がかかるうえ、カスタマイズした設定やアドイン、マクロを含む個人用マクロブック(PERSONAL.XLSB)が初期化されるリスクがあります。まずはセーフモード起動、ハードウェアアクセラレーション無効化、プリンター切り替えなど、ファイルや設定を失わない対処法を先に試してください。

「すべてのオブジェクトを削除」マクロを無確認で実行しない

前述のとおり、ExcelのShapesコレクションにはグラフ、画像、フォームコントロール、コメント、AutoFilterのドロップダウンなど、あらゆる種類のオブジェクトが含まれます。ネット上で見つかる「全オブジェクト削除マクロ」を無確認で実行すると、AutoFilterのドロップダウンが消えてフィルター機能が壊れるデータの入力規則(リスト形式)のドロップダウンが消える意図的に配置したグラフや画像が全滅するといった二次被害が発生します。先ほど紹介した確認ダイアログ付きのマクロを使うか、少なくとも実行前にファイルを別名で保存してバックアップを取ってください。

レジストリを適当に編集しない

ハードウェアグラフィックスアクセラレーションの無効化をレジストリから行う方法を前述しましたが、レジストリの編集は慎重さが求められます。パスやキー名を一文字でも間違えると、Officeが起動しなくなったり、Windowsの動作に影響が出たりする可能性があります。レジストリを編集する前に「ファイル」→「エクスポート」でバックアップを取り、操作は公式ドキュメントやこの記事で示されたパスに正確に従ってください。

ぶっちゃけこうした方がいい!

ここまで長々と原因の切り分け方法やVBAマクロ、現場のあるある問題まで書いてきましたが、ぶっちゃけた話をさせてください。

情シス10年超の経験から言うと、印刷プレビューが真っ白になるトラブルの8割以上は「印刷範囲の設定ミス」か「UsedRangeの異常拡張」のどちらかです。残りの2割がGPU描画やプリンタードライバーの問題。つまり、難しい設定をいじる前に「Ctrl+End」で最終セルの位置を確認し、「ページレイアウト」タブで印刷範囲をクリアして再設定する、この2つの動作を5秒でやるだけで大半のケースは解決します。

で、個人的にはこうしたほうが、ぶっちゃけ楽だし効率的だと思うんですよね。それは、最初からトラブルが起きないワークフローを構築することです。具体的には、業務で繰り返し使うExcelテンプレートには先ほど紹介した「VBA④印刷前自動チェック」を標準で組み込んでおく。そして月に1回でいいから、よく使うファイルに対して「VBA①印刷設定診断ツール」を走らせてUsedRangeの異常拡張や非表示オブジェクトの蓄積をチェックする。このたった2つの習慣を持つだけで、「印刷プレビューが真っ白で焦る」という場面はほぼゼロにできます。

もうひとつ本音を言うと、そもそも印刷プレビューで確認するという行為自体を見直す時代に来ていると感じています。2026年現在、PDF書き出しの精度は極めて高く、「Microsoft Print to PDF」でPDF化してからAdobe AcrobatやブラウザのPDFビューアーで確認するほうが、Excelの印刷プレビューよりも正確で安定しています。特にGPU描画の不具合に左右されないという点では、PDF確認のほうが圧倒的に信頼性が高い。だから筆者は社内でも「最終確認はPDFで」を推奨しています。ExcelのプレビューはあくまでGPUが絡む「画面描画」であって、実際の印刷出力とは別物だということを理解しておくだけで、トラブル時のメンタルの余裕がまるで変わってきます。

結局のところ、このトラブルの本質は「Excelの印刷プレビューは見た目ほど信頼できるものではない」という一点に尽きます。設定の罠、UsedRangeの罠、GPUの罠、ドライバーの罠。罠が多すぎるんですよね。だからこそ、罠を踏む前に予防する仕組みを入れておく。それが、10年以上この手のトラブルに付き合ってきた情シス屋としての、偽りのない結論です。

Excelの印刷プレビューが真っ白になる問題でよくある質問

プレビューは真っ白なのに、実際に印刷するとちゃんと出力されるのはなぜですか?

これはハードウェアグラフィックスアクセラレーション(GPU描画)の問題である可能性が非常に高いです。プレビュー画面の描画にはGPUが使われますが、実際の印刷処理はプリンター側のドライバーが担当するため、GPU描画に不具合があってもプリンター出力は正常に行われることがあります。前述の「ハードウェアグラフィックスアクセラレーションを無効にする」手順を試してみてください。また、グラフィックドライバーの更新も効果的です。

特定のファイルだけプレビューが真っ白になるのはなぜですか?

特定のファイルだけで発生する場合は、そのファイルの印刷範囲設定、条件付き書式、非表示のオブジェクト、またはファイル破損のいずれかが原因です。新しいブックを作成し、問題のあるファイルからデータだけを「値の貼り付け」でコピーしてプレビューを確認してください。新しいブックで正常に表示されるなら、元ファイルに原因があると確定できます。

Windows11にアップグレードしてからプレビューがおかしくなりました。関係ありますか?

関係がある可能性は十分にあります。Windows11では一部のプリンタードライバーやGPUドライバーとの互換性に問題が報告されています。まずWindowsUpdateで最新の状態にしたうえで、プリンターメーカーの公式サイトからWindows11対応の最新ドライバーをインストールしてください。また、GPUドライバーについてもIntel、NVIDIA、AMDの各メーカーサイトで最新版が提供されていないか確認しましょう。

Excelのセーフモードでプレビューが正常に表示される場合、原因は何ですか?

セーフモードではアドインとカスタム設定がすべて無効になるため、この状態で正常に表示されるならばアドインまたはユーザー設定のいずれかが原因です。通常モードに戻ってアドインを一つずつ無効化しながら確認する方法で、原因のアドインを特定してください。特にPDF変換系やプリンター管理系のアドインが印刷プレビューと競合するケースが多いです。

「簡易印刷」モードになっていると印刷プレビューに影響がありますか?

はい、あります。「簡易印刷」はセルの文字データだけを印刷するモードで、このモードが有効になっていると画像や罫線、グラフなどがプレビューに表示されず、場合によってはプレビューがほぼ真っ白に見えることがあります。「ページレイアウト」タブの「ページ設定」ダイアログ(右下の小さな矢印アイコンをクリック)を開き、「シート」タブにある「簡易印刷」のチェックが外れているか確認してください。

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まとめ

Excelの印刷プレビューが真っ白になるトラブルは、一見するとパニックになりがちですが、原因のパターンは限られています。まずは印刷範囲の設定、文字色、改ページ位置という基本の3点を確認し、次にプリンタードライバーの切り分け、そしてハードウェアグラフィックスアクセラレーションの無効化と、段階的に進めていけば大半のケースは自力で解決できます。それでも改善しない場合は、非表示オブジェクトの削除やファイルの修復、Officeのオンライン修復を試してください。応急処置としてPDFに変換して印刷する方法も覚えておくと、緊急時に慌てずに済みます。

最後に、Officeを常に最新バージョンに保つことが、印刷関連トラブルの予防策として最も効果的です。日頃から定期的にアップデートを確認し、快適なExcelライフを送りましょう。この記事が、あなたの「印刷プレビュー真っ白問題」を解決する助けになれば幸いです。

この記事を書いた人
この記事を書いた人

企業の情報システム部門で10年以上、PC・アカウント・社内ネットワーク・Microsoft 365/Google Workspace運用を担当。年間数百件の問い合わせ対応(PC不調、メール送受信、Excel/Word資料、Teams会議、スマホ連携など)を通じて、初心者がつまずくポイントを「再現→原因切り分け→最短解決」の手順に落とし込んできました

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