Excelを使っていて、「特定の条件に合うデータだけを抽出したい」と思ったことはありませんか？そんなときに便利なのが、Microsoft 365やExcel 2021以降で使える「FILTER関数」です。今回は、このFILTER関数を使って、複数の条件を指定してデータを抽出する方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。
目次
Excelのイメージ
FILTER関数とは？
スピル機能で複数の結果を一度に表示
FILTER関数は、指定した条件に合うデータを抽出するための関数です。通常のフィルター機能と異なり、複数の条件を指定しても、結果を一度に隣接するセルに表示することができます。この機能を「スピル（Spill）」と呼び、複数の結果を自動的に展開してくれるため、手間を省くことができます。
FILTER関数の基本構文
基本の使い方
FILTER関数の基本的な構文は以下の通りです。
excel
=FILTER(範囲, 条件, [空の場合])
– 範囲抽出したいデータの範囲を指定します。
– 条件そのデータからどのような条件に合致するものを抽出するのかを定義します。
– 空の場合条件に合致するデータがない場合に表示する値を指定します。省略すると「#CALC!」エラーが表示されます。
複数条件を指定してデータを抽出する方法
AND条件（かつ）での絞り込み
複数の条件をAND条件で指定する場合、条件式を掛け算（*）でつなげます。例えば、「営業部に所属し、かつ給与が500万円以上の社員」を抽出する場合、以下のように記述します。
excel
=FILTER(B10, (="営業部") * (B2:B10>=5000000))
この式では、営業部に所属しているかつ給与が500万円以上の社員のみが抽出されます。
OR条件（または）での絞り込み
複数の条件をOR条件で指定する場合、条件式を足し算（+）でつなげます。例えば、「営業部またはマーケティング部に所属する社員」を抽出する場合、以下のように記述します。
excel
=FILTER(B10, (="営業部") + (="マーケティング部"))
この式では、営業部またはマーケティング部に所属する社員が抽出されます。
スピル結果を一部だけ表示する方法
最初の1行だけを表示
スピル結果の中から最初の1行だけを表示したい場合、INDEX関数を組み合わせて使用します。以下のように記述します。
excel
=INDEX(FILTER(B10, ="営業部"), 1)
この式では、「営業部」に所属する最初の社員のデータが表示されます。
特定の列のみを表示
スピル結果の中から特定の列のみを表示したい場合、CHOOSECOLS関数を使用します。例えば、1列目と5列目だけを表示する場合、以下のように記述します。
excel
=CHOOSECOLS(FILTER(E10, ="営業部"), 1, 5)
この式では、「営業部」に所属するデータの中から、1列目と5列目のデータのみが表示されます。
よくある質問や疑問
Q1: FILTER関数で条件に合うデータがない場合、どうなりますか？
FILTER関数の第3引数に「空の場合」を指定していない場合、条件に合うデータがないと「#CALC!」エラーが表示されます。これを避けるために、第3引数に「””」を指定して空白を表示させることができます。
Q2: スピル結果が隣接するセルに表示されない場合、どうすればよいですか？
スピル結果が表示されない場合、スピル先のセルが他のデータで埋まっている可能性があります。スピル先のセルが空いていることを確認してください。
Q3: 複数の条件を組み合わせる際、AND条件とOR条件をどのように使い分ければよいですか？
AND条件は、すべての条件を満たすデータを抽出する際に使用し、OR条件は、いずれかの条件を満たすデータを抽出する際に使用します。状況に応じて使い分けてください。
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まとめ
今回は、ExcelのFILTER関数を使って、複数の条件を指定してデータを抽出する方法を解説しました。スピル機能を活用することで、複数の結果を一度に表示でき、作業の効率化が図れます。ぜひ、日々の業務で活用してみてください。
他にも疑問やお悩み事があれば、お気軽にLINEからお声掛けください。
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