デジタル技術の進化が日常を彩る現代社会。しかし、身体の不自由さから、そのメリットを十分に享受できない人々が存在します。ジンズが2025年2月に発売した「JINS ASSIST」は、この課題に革命的な解答を提示しました。頭の小さな動きだけでPCを自在に操作できるこのメガネ型デバイスは、これまでデジタル世界との接点に困難を感じていた方々に新たな可能性をもたらします。全身麻痺の方が手紙を書き、車いすの方がプレゼン資料を作成する——かつて「できなかった」ことが「できる」に変わる瞬間を…。
それではいってみましょー。
「JINS ASSIST」とは
デジタル技術が私たちの生活に深く浸透する現代社会。しかし、身体の不自由さからデジタルデバイスを思うように操作できない人々が存在します。この「デジタルデバイド(情報格差)」という社会課題に、株式会社ジンズが革新的な解決策を提案しました。
2025年2月26日、株式会社ジンズは手を使わずに頭の小さな動きだけでパソコンを直感的に操作できるメガネ型デバイス「JINS ASSIST(ジンズ アシスト)」を発売しました。価格は15,000円(税込)で、JINSオンラインショップとデジタル障害者手帳「ミライロID」内のオンラインストア「ミライロストア」で購入可能です。
このデバイスは、障害のある方やそのご家族からの切実な声に応えて開発されました。「デジタルデバイスを使って、家族ともっと自由にコミュニケーションをとりたい」というニーズが原点となっています。
JINS ASSISTの画期的な特徴と機能性
簡単セットアップで誰でも使いこなせる設計
JINS ASSISTの本体はわずか4gという軽量設計。メガネのテンプルにアタッチメントで装着し、付属のケーブルでPCと接続するだけで使用できます。有線式のため、充電切れや接続トラブルの心配がありません。重要なのは、JINSのメガネに限らず、ほぼすべてのメガネに取り付け可能な点です。
セットアップもシンプルで、メガネの左右どちらかのテンプルにアタッチメントを装着し、USB-Cポートに接続するだけ。3〜5秒程度で起動します。
直感的な操作性と長時間使用を可能にする工夫
JINS ASSISTの基本操作は驚くほどシンプルです。
- うなずくとカーソルが動き始めます。
- 頭を動かしてカーソルを目的の場所に移動させます。
- 移動を止めると操作選択コマンドが表示され、割り当てられた頭の動きで操作を実行できます。
頭の小さな動きでカーソル操作が可能なため、長時間使用しても疲労感を抑えられるのが特長です。補助ソフトを使用すれば、カーソル移動速度やクリック操作の感度調整、ショートカットキーやスクロール、頻繁に使うキー入力などを自分好みにカスタマイズできるみたいですね。
開発の背景には、障害のある方の声を実際に反映して、自社内開発したソフトでコストも抑えているというかなり消費者に寄り添って開発を進められたとのことです。
JINS ASSISTが実現する新たな可能性と社会的意義
デジタルデバイド解消への貢献
ITの急速な進展により、日常生活のあらゆる場面でデジタルデバイスの使用が当たり前になっている一方で、利用できる人とできない人の間に生じる「デジタルデバイド」が深刻な社会課題となっています。JINS ASSISTは、身体の不自由さからデジタルデバイスの操作に困難を感じていた人々に、新たな可能性を提供します。
株式会社ミライロの代表取締役社長・垣内俊哉氏は次のようにコメントしています。
JINS ASSISTは、障害のある方の強力なサポートとなることを確信しています。既存のツールは多くが情報伝達機能にとどまっていましたが、JINS ASSISTはパワーポイントの作成なども可能で、障害があってもクリエイティブな作業を行うことができる画期的なツールです。また、リモートワークやSNSを通じて、仕事や日常生活で社会との接点を持ち、孤立感を減らす手助けにもなります。
引用元:PR TIMES「あなたの今日が、よくなることを。デジタルデバイスを操るメガネ「JINS ASSIST」2月26日(水)発売」
引用元:PR TIMES「あなたの今日が、よくなることを。デジタルデバイスを操るメガネ「JINS ASSIST」2月26日(水)発売」の記事内には、実際に使用された方の声も掲載されているので興味がある方は内容をチェックすることをお勧めします。
製品仕様と対応環境
商品名 | JINS ASSIST(ジンズ アシスト) |
---|---|
価格 | 15,000円(税込) |
発売日 | 2025年2月26日(水) |
販売場所 | JINSオンラインショップ、ミライロストア(数量限定) |
対応OS | Windows 10以降(x64, ARM64)、macOS 13以降(Apple silicon, intel) |
対応ポート | USB-Cポート |
質量 | 約13g(本体 4g、ケーブル 9g) |
材質 | プラスチック(本体)、シリコン(アタッチメント部分) |
メガネのテンプルのサイズ・形状によっては装着できない場合があります。厚さが0.8mm以下または4mm以上、縦幅が2mm以下、断面形状が円形または平面部分がない場合は装着できませんので注意が必要です。詳細は公式サイトをご確認ください。
よくある質問
よくある質問というよりは、メガネ族である私個人が疑問に思った点を独自に調べたので、ご参考までに。
JINS ASSISTは充電が必要ですか?
いいえ、JINS ASSISTは有線式のため充電は不要です。PCのUSB-Cポートに接続するだけで使用できます。接続が切れる心配もなく、長時間の安定した使用が可能です。
自分のメガネに取り付けられますか?
ほぼすべてのメガネに取り付け可能ですが、テンプルのサイズや形状によっては装着できない場合があります。厚さ0.8mm以下または4mm以上、縦幅2mm以下、円形断面または平面部分がないテンプルには取り付けられませんので、ご注意ください。
補助ソフトは必須ですか?
補助ソフトは必須ではありません。JINS ASSISTの接続だけでも基本的なマウス操作は可能です。ただし、補助ソフトを使用することで、コマンド表示やカスタマイズ、チュートリアルなどより便利な機能を利用できます。
障害がない人でも使用できますか?
はい、障害の有無にかかわらず、手を使わずにPCを操作したい方であれば誰でも使用できます。長時間のPC作業で手や腕に負担がかかる方や、マルチタスク時の補助ツールとしても活用できます。
まとめ
JINS ASSISTは、単なるデジタルデバイス操作ツールを超えた社会的意義を持つ製品です。身体の不自由さからデジタル社会への参加に困難を感じていた方々に、新たな可能性を提供します。
このデバイスが提供するのは、「できる」という体験と自信です。樹希さんや本間さんのように、一つひとつの「できる」が増えていくことで、使用者の可能性は無限に広がります。
また、JINSが障害のある方々の声に耳を傾け、彼らと共に開発を進めた姿勢も重要です。ユーザーの実際のニーズを反映した製品開発は、真の意味でのバリアフリー社会の実現に欠かせません。
JINS ASSISTの登場は、テクノロジーの進化がもたらす社会変革の一例です。誰もがデジタル社会に参加し、その恩恵を享受できる未来へ向けた、重要な一歩と言えるでしょう。
コメント