大学教員の7割がExcelの「VLOOKUP」関数を使えないって話題になっているってよ。
あんなに偉そうに教鞭とっているのにVLOOKUPごときも知らないの？って感じた方もいらっしゃったと思います。
しかし、この数字が本当に意味するものは何でしょうか？
表面的なITスキルvs真の学術能力
「ExcelのVLOOKUP関数が使えない」という事実は、一見すると大学教員のIT能力の低さを示しているように見えます。しかし、ここで立ち止まって考えてみましょう。
学問の本質とは何か？
ノーベル賞受賞者の中にも、コンピューターを使わない研究者がいます。例えば、2016年のノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典博士は、顕微鏡を主な研究ツールとしていました。
専門性とITスキルの関係
文学、哲学、芸術など、人文科学の分野では、深い洞察力や創造性がより重要です。これらの能力は必ずしもITスキルと直結しません。
研究のデジタル化と人間の役割
AI研究の第一人者である東京大学の松尾豊教授は、「人間にしかできない創造的な仕事の重要性が増している」と指摘しています。
PowerPointとWordの高習熟度が示す真の強み
実は、日本人ってPowerPointとWordが使える人って多いんですよ。
PowerPointとWordの習熟度が高いという結果は、実は日本の大学教員の隠れた強みを示しています。
- 世界に通用するプレゼンテーション能力：日本の研究者の国際学会での発表は高く評価されています。2019年の調査では、日本人研究者の英語プレゼンテーションの質が過去10年で大幅に向上したことが報告されています。
- 論文作成能力の高さ：日本の論文の質は世界トップクラス。2020年のネイチャー・インデックスでは、日本は論文の質で世界4位にランクインしています。
ITリテラシーの真の課題とは
この調査結果は、単なるITスキルの問題ではなく、日本の高等教育システム全体の課題を浮き彫りにしています。
大学のデジタル化の遅れ
文部科学省の2023年の報告によると、日本の大学のデジタル化率は先進国の中で最下位です。これは個々の教員の問題というよりも、システムの問題と言えるでしょう。
研究と教育のバランス
多くの大学教員は、研究と教育の両立に苦心しています。ITスキル向上のための時間確保が難しいのが現状です。
日本の高等教育はどこへ向かうべきか
この調査結果を踏まえ、日本の高等教育の未来について考えてみましょう。
- 専門性とITスキルの融合：各分野の専門知識とITスキルを効果的に組み合わせた新しい教育・研究モデルの構築が必要です。
- 産学連携の強化：企業との連携を通じて、最新のIT技術を大学教育に取り入れる取り組みが求められます。
- グローバル競争力の強化：ITスキルを含む総合的な能力向上により、日本の大学の国際競争力を高める必要があります。
数字の裏に隠れた日本の学術界の真の姿
この調査結果は、一見すると日本の大学教員のIT能力の低さを示しているように見えます。しかし、実際にはそれ以上に複雑で奥深い日本の学術界の現状を反映しています。
VLOOKUPが使えないことは確かに課題かもしれません。しかし、それ以上に重要なのは、日本の研究者たちが持つ深い専門知識、独創的な思考力、そして世界に通用するプレゼンテーション能力です。
今後は、これらの強みを活かしつつ、ITスキルを効果的に取り入れることで、日本の高等教育はさらなる高みを目指すことができるでしょう。
私たちに必要なのは、単純なITスキルの向上だけでなく、日本の学術界の真の強みを理解し、それを最大限に活かす方法を見出すことなのです。
そして、読者の皆さんにお聞きしたいと思います。あなたは、大学教育に何を期待しますか？技術的なスキルでしょうか、それとも深い洞察力と創造性でしょうか？この問いについて、ぜひ考えてみてください。
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