先に結論です。Premiere Pro でリップル削除がグレーになって押せないとき、まず疑うのはトラックの鍵マークではなく「同期ロック」です。当サイトの実機で起きた症状は、V2 と V3 の同期ロックを外した瞬間にグレーが解除され、黒い文字になって押せるようになりました。
この記事は、実際に編集中のプロジェクトでリップル削除が押せなくなり、その場で原因を切り分けて直したときの記録です。何が起きていたのか、なぜ止まるのか、どこを押せば直るのかを、撮影した画面と一緒に順番に説明します。
検証に使ったのは Adobe Premiere 2026(バージョン 26.3.2)を入れた Windows 11 の1台です。以下で「当サイトの実機では」と書いた部分は、すべてこの1台で実際に操作して確かめた結果です。

まず起きていた症状を確認する
タイムラインにできた空白(クリップとクリップの間にできた、何も無いところ)を選んで右クリックすると、メニューの中に「リップル削除」という項目はちゃんと出てきます。ところが、その文字だけが薄いグレーになっていて、クリックしても何も起きません。
クリップのほうを選んで、画面上部の「編集」メニューを開いても同じでした。同じメニューの中にある「カット」「コピー」「消去」は黒い文字で普通に押せる状態なのに、リップル削除だけがグレーのままです。

ここで多くの方が「Premiere が壊れたのかな」「バージョンが悪いのかな」と考えて再起動を試すのですが、当サイトの実機では再起動とは無関係でした。押せない理由は、タイムラインの状態そのものにありました。
メニューの項目がグレーになるというのは、Premiere 側が「その項目は今の状況では実行できません」と判断している状態です。項目が消えているわけではなく、押せないだけ、という見え方をします。逆に言えば、Premiere は今の状況を把握したうえで意図的に止めているので、状況のほうを変えれば黒く戻ります。何かが壊れているわけではない、というのが最初に押さえておきたい点です。
当サイトも最初は「クリップの選び方を間違えたのかな」と思い、空白を選び直したり、クリップのほうを選んでから編集メニューを開いたりしました。ですが結果はどちらも同じでグレーのままでした。トラックの鍵マークも見ましたが、すべて開いた状態で、閉じているものはありませんでした。つまり、よく言われている原因のどれにも当てはまらなかったわけです。
- 右クリックメニューにも編集メニューにも「リップル削除」の項目自体は出ている
- その項目だけがグレーで、同じメニューの他の項目は黒くて押せる
この2つが当てはまるなら、この記事で説明する原因と同じ可能性が高いです。項目そのものが出てこない場合や、メニュー全体が反応しない場合は別の話になります。
リップル削除が何をする操作なのかを先に押さえる
原因の話に入る前に、リップル削除が何をしているのかを整理します。ここが分かっていないと、あとの説明が頭に入ってきません。
リップル削除は、「空白を消して、後ろにあるものを前に詰める」操作です。単に空白を消すだけではありません。空白がなくなった分だけ、その後ろにあるクリップがまとめて左へ動きます。すべてのトラックが一緒に詰まれば、動画全体の長さもその分だけ短くなります。
似た名前の「消去」と比べると分かりやすいです。消去は選んだところを消すだけで、後ろのクリップはその場に残ります。だから空白はそのまま空白として残ります。リップル削除は、消したあとに後ろを引き寄せるところまでやってくれます。編集中によく使う操作のひとつです。
この違いは、当サイトの実機で押せなかったときの見え方にもそのまま出ていました。編集メニューを開くと「カット」「コピー」「消去」は黒い文字で押せる状態なのに、「リップル削除」だけがグレーでした。消去は後ろを動かさないので実行できて、リップル削除は後ろを動かすので実行できない。この差が、そのままメニューの色の差になっていたことになります。ここに気づけると、原因が「後ろを動かすこと」に関係していると当たりをつけられます。
もうひとつ整理しておくと、リップル削除は空白を消すためだけの機能ではありません。クリップを選んで実行すれば、そのクリップを消したうえで後ろを詰めてくれます。いらない場面をどんどん削って動画を短くしていく作業では、この操作を繰り返すことになります。だからこそ、押せなくなると作業がまるごと止まってしまいます。
そして、この「後ろを引き寄せる」という部分が、今回の押せない問題に直結しています。
同期ロックというスイッチが押せない原因だった
タイムラインの左側には、V1・V2・V3 やオーディオトラックの名前が縦に並んでいる場所があります。ここをトラックヘッダーと呼びます。この中に、同期ロックというスイッチがあります。
同期ロックは、ひとことで言うと「このトラックも一緒に詰めますか」を決めるスイッチです。有効にしておくと、どこか1つのトラックで詰める操作をしたときに、他のトラックも同じだけ一緒に動いてくれます。映像とテロップの位置がずれないようにするための仕組みです。
当サイトの実機では、V2 に調整レイヤー、V3 にテロップの素材が乗っていました。この2つのトラックは、問題になっている空白と同じ横位置にも、空きなくクリップが並んでいる状態でした。そして、V2 と V3 の同期ロックが両方とも有効になっていました。

この状態で Premiere に何が起きているかを、順番に考えてみます。
V1 の空白を詰めようとすると、同期ロックが有効な V2 と V3 も一緒に詰めなければいけません。ところが V2 と V3 は、V1 の空白と同じ横位置にもクリップがぎっしり並んでいて、詰めるための空きがありません。空きが無いトラックを一緒に詰めることはできません。できない以上、Premiere は「一緒に詰められないので、この操作は実行できません」と判断して、メニューをグレーにして止めます。
これが、当サイトの実機で起きていたことの中身です。壊れていたわけでも、設定が消えていたわけでもなく、Premiere としては筋の通った動きをしていたことになります。
ここで勘違いしやすいのが、クリップの本数です。当サイトの V2 と V3 には切れ目が2か所あり、クリップは3本に分かれていました。それでも止まりました。切れ目があっても、クリップ同士がぴったり隣り合っていれば、そこには空きがまったくないからです。実際に測ってみると、V2 と V3 はタイムラインの 99.9% がクリップで埋まっていました。
ここが分かると、同じ症状が別の場面で出たときにも自分で判断できます。押せないときに探すのは「長くつながったクリップ」ではありません。見るのはクリップの本数ではなく、空白と同じ横位置に空きがあるかどうかです。当サイトの場合、その空きが無かったのが調整レイヤーとテロップ素材のトラックでした。
どのトラックの同期ロックを外せばいいのかを見分ける
トラックがいくつもあると、どれを外せばいいのか迷います。見分け方は難しくありません。
- 詰めたい空白がタイムラインのどのあたりにあるかを確認します
- その空白の左端と右端に、縦の線を引いたつもりで上から下までのトラックを目で追います
- その縦の線にはさまれた範囲に、空きがあるトラックと、空きなくクリップが並んでいるトラックを見分けます
- 空きなく並んでいるトラックの同期ロックが有効(斜線が入っていない状態)なら、それが止めている原因の候補です
大事なのは3つめです。クリップが何本に分かれているかは関係ありません。切れ目があっても、クリップ同士がくっついていれば空きはゼロです。見るのはクリップの本数ではなく、空きがあるかどうかです。
当サイトの実機では、この見方で V2 と V3 が該当しました。V2 には全体にかけている調整レイヤー、V3 にはテロップの素材が乗っていて、どちらも空白と同じ横位置がクリップで埋まっていました。切れ目自体は2か所あってクリップは3本に分かれていたのですが、それでも空きはありませんでした。
もうひとつ気をつけたいのは、同期ロックが有効なだけでは止まらない、という点です。当サイトのタイムラインには V4 から V6 もありましたが、V4 と V6 はほとんど何も乗っていない空のトラックでした。空なら詰める対象がないので、止める理由になりません。V5 にはクリップがありましたが、その位置は空白の内側にすっぽり収まっていて、空白の左端や右端をはみ出していませんでした。この場合も、詰めるための余地があるので止まりません。
だから、V4・V5・V6 の同期ロックが有効なままでも、リップル削除は押せるようになりました。止まる条件は「同期ロックが有効」と「空白と同じ横位置に空きが無い」の2つが揃ったときです。片方だけでは止まりません。トラックヘッダーの画面を見て「斜線が入っていないトラックがまだあるのに押せた」と感じたら、この2つ目の条件を思い出してください。
候補が複数あるときは、思い当たるトラックをまとめて外してしまってもかまいません。当サイトも V2 と V3 の両方を外しました。あとで戻したくなったら、同じアイコンをもう一度押せば有効に戻ります。
同期ロックを外して押せる状態に戻す
直し方そのものは簡単です。じゃまをしているトラックの同期ロックを外すだけです。
- タイムラインの左側にあるトラックヘッダーを見ます
- 空白と同じ横位置に空きが無いトラック(当サイトの実機では V2 と V3)を探します
- そのトラックの同期ロックのアイコンをクリックします
- アイコンに斜線が入ったかどうかを確認します
見分け方はアイコンの斜線です。斜線が入っていない状態が有効、斜線が入った状態が無効です。ここは押すたびに切り替わるので、押したあとに必ず目で確認してください。

当サイトの実機では、V3 と V2 の2つを外しました。外した瞬間、それまでグレーだったリップル削除の文字が黒く変わりました。同じ位置から同じ手順でメニューを開いた比較が下の画面です。

黒くなればもう押せます。そのまま実行すると、狙いどおり空白が詰まり、後ろにあったクリップがまとめて左へ移動しました。実行前と実行後を並べたのが下の画面です。

この画面には、水色の V1 だけでなく、紫の帯で表示されている V2 の調整レイヤーの行も入れてあります。上下を見比べると、V1 の空白だけが詰まっていて、紫の帯は同じ位置のまま動いていません。これが、同期ロックを外したトラックは一緒に詰まらない、ということの証拠です。
なお、実行したあとに Ctrl + Z を押したところ、空白が元どおりに戻ることも確認しています。うまくいくか不安な場合は、一度実行してみて、気に入らなければ取り消せば大丈夫です。
同期ロックを外すと何が変わるのかを知っておく
ここは飛ばさずに読んでほしいところです。同期ロックを外すというのは、「そのトラックは一緒に詰めなくていい」と Premiere に伝えることです。つまり、外したトラックの中身は、リップル削除をしても動きません。その場に残ります。ひとつ前の画面で、紫の帯(V2 の調整レイヤー)が実行の前後で同じ位置にあったのが、まさにこれです。
この性質が問題にならない場合と、問題になる場合があります。
問題にならないのは、動画の最初から最後までずっと同じようにかかっているものです。当サイトの実機で外した V2 の調整レイヤーは、全体に色味の補正をかけるためのもので、特定の場面に紐づいていません。全体にかかっているものは、位置がずれるという概念がそもそもないので、動かなくても困りません。
問題になるのは、特定の場面に合わせて置いてあるものです。たとえば「ここでこの人がしゃべっているから、この位置にこのテロップ」というように、映像の中身と場所が結びついているテロップです。同期ロックを外したまま前の空白を詰めると、映像だけが左へ動いて、テロップのほうはその場に残る形になります。結果として、テロップが出るタイミングが後ろにずれます。なお当サイトは、実行前後の画面で確認したのが V2 の調整レイヤーの行までで、V3 のテロップ素材が動かなかったところまでは画面に収めていません。
ですので、外すときは「このトラックに乗っているものは、場面と結びついているか」を一度考えてください。結びついているなら、詰めたあとにテロップの位置を直す作業が発生します。
もうひとつ、先に知っておくと戸惑わずに済むことがあります。この方法で空白を詰めても、動画全体の長さは短くなりません。詰まるのは映像と音声のトラックだけで、同期ロックを外したトラックは元の長さのまま右端に残るからです。ひとつ前の図でも、下の段は映像だけが左へ寄って、紫の帯は右端まで伸びたままになっています。全体の尺まで縮めたいときは、詰めたあとに、余った分のテロップや調整レイヤーの右端をドラッグして短くしてください。
もし場面と結びついたテロップがあるトラックを外して詰めてしまい、あとからずれに気づいた場合でも、慌てる必要はありません。取り消しで戻せます。当サイトの実機でも、リップル削除を実行したあとに取り消しを押して、空白がある状態に完全に戻ることを確認しています。戻してからテロップを別のやり方で処理するか、ずれた分だけ手で動かすかを選べば大丈夫です。
作業の順番として楽なのは、テロップを入れる前にカットの詰めを終わらせてしまうことです。映像の長さが決まったあとにテロップを乗せれば、そもそも位置がずれる場面が来ません。すでにテロップまで作り込んでしまっている場合は、どこまで詰めるのかを決めてから、一気に処理して最後に位置を直すほうが混乱しません。
なお、ずれたテロップを直そうとしたときに、そもそも選択の枠が出てこなくて動かせない、という別の症状にぶつかることがあります。当サイトはこれも同じ Premiere 2026(26.3.2)の実機で確かめていて、Premiere Proでテロップの枠が表示されない原因と直し方にまとめています。枠が見えないまま作業しようとして手が止まったら、そちらも見てみてください。
取り消しを押したあとは斜線が残っているかを見る
当サイトの実機で見つけた、少しやっかいな挙動があります。同期ロックのアイコンをクリックする操作も、Premiere の取り消し履歴に1手として積まれます。
取り消しは、直前の1手を戻す機能です。ですので、リップル削除を実行したあとに1回押せば、戻るのはリップル削除のほうです。当サイトの実機でも、リップル削除が実行された回では、実行前・実行後・取り消し後の3つの画面すべてで V2 と V3 のアイコンに斜線が残ったままでした。同期ロックは戻っていません。
問題になるのは、リップル削除が実行されなかったときです。リップル削除が実行されていない状態で取り消しを押すと、その前にやった操作、つまり同期ロックの切り替えが取り消されることがあります。当サイトの実機で実際にこれが起き、外したはずの V2 の同期ロックが有効の状態に戻っていました。
この状況は思ったより起こりやすいです。キーを押したのにリップル削除が実行されていないと、多くの方は「今のは失敗した」と思って取り消しを押します。ところが取り消すべきものが無いので、その1手前にさかのぼって同期ロックの切り替えが戻ります。画面の中で変わるのはトラックヘッダーの小さなアイコンだけなので、戻ったことに気づきません。
対策は簡単で、取り消しを押したあとにもう一度トラックヘッダーを見て、斜線が入ったままかどうかを確認するだけです。「さっき直したはずなのにまた押せない」と感じたら、まずここを見てください。斜線が消えていたら、それが原因です。もう一度押して斜線を入れれば、また黒く戻ります。
あわせて書いておくと、当サイトでは同じ手順を繰り返しても、キーを押してリップル削除が実行されなかった回がありました。押しても何も起きないときは、キーの割り当てを疑う前に、タイムラインの中で狙ったところがきちんと選ばれているかを見直してみてください。
ショートカットキーが効かないときに調べる場所
ここまでの説明はメニューから実行する前提でした。ショートカットキーを押しても反応しない、という形でつまずく方もいます。
当サイトの実機を調べたところ、Premiere のキーボードショートカットの設定画面で、プリセットが「カスタム」になっていました。プリセットを選ぶ場所を開くと「Adobe Premiere Pro 初期設定」「Avid Media Composer 5」「Final Cut Pro 7.0」「カスタム」が並んでいて、チェックが入っていたのはカスタムでした。

そしてリップル削除に割り当てられていたのは F キー単独でした。それが分かるのが次の画面です。検索した結果はツリー表示になっていて、「編集(E)」の下に「リップル削除(T)」という行があり、その右側のショートカット欄が F になっていました。

この環境では Shift + Delete は割り当てられていませんでした。ですので、他のサイトに書いてあるショートカットをそのまま押しても、当然ながら何も起きません。
ここで大事なのは、どのキーが正解かを覚えることではありません。割り当てはバージョンや環境やプリセットで変わるので、自分の画面で調べるのが確実です。調べ方は次のとおりです。
- 画面上部の「編集」メニューから「キーボードショートカット」を開きます(
Ctrl+Alt+Kでも開きます) - 検索欄に「リップル」と入力します
- リップル削除の行を見て、右側に表示されているキーを確認します
この画面で何も表示されていなければ、その環境ではリップル削除にキーが割り当てられていないということです。その場合はメニューから実行するか、自分で好きなキーを割り当てれば解決します。
プリセットが「カスタム」になっていると、選択肢に並んでいる他のプリセットとは違うキーが割り当てられている可能性があります。確かめる場所は2つです。まずキーボードショートカットの設定画面でプリセット欄が何になっているかを見て、そのうえで検索欄から割り当てを確認するのが確実です。
ここで注意したいのは、押せないのがショートカットの問題なのか、同期ロックの問題なのかを取り違えないことです。見分け方は簡単で、メニューから開いてみればわかります。メニューのリップル削除がグレーなら、キーの問題ではありません。何を押しても実行できない状態なので、この記事の前半にある同期ロックの話に戻ってください。逆にメニューでは黒くて押せるのにキーだけ効かない場合は、割り当ての問題です。
参考までに、一般に出回っている情報を並べておきます。Shift + Delete でリップル削除ができると説明しているサイトが複数あります。一方で、Windows は Alt + Delete、Mac は option + Delete と説明している記事もあります。どちらのサイトも「これが初期設定です」とは書いておらず、そのキーでできると説明しているだけです。当サイトも Alt + Delete が実際に効く環境を確かめていないため、どちらが正しいという言い方はしません。上の手順で自分の環境を見るのが一番速いです。
テロップの赤枠・青枠も出なくなっている方へ
リップル削除だけでなく、テロップの赤枠や青枠も出なくなっているなら、原因は別にあります。「変換の直接操作」がオフになっているだけで、2分で戻せます
それでも押せないときに見るところ
当サイトで実際に直った原因は同期ロックでしたが、他の原因を挙げている記事もあります。同じ症状で困っている方の役に立つので、中立に紹介します。
どりストレージ:マニアクスの記事では、リップル削除ができない原因として3つが挙げられています。削除したいクリップが乗っているトラックにロックがかかっている場合、他のトラックに空きが無い場合、そして空白やトランジションだけを選んでいる場合、という整理です。同期ロックについては触れられていません。
このうちトラックのロックというのは、同期ロックとは別のスイッチで、トラックヘッダーに鍵のマークで表示されるものです。かかっているとそのトラックを編集できなくなります。ただし当サイトの実機では、鍵マークはすべて開いた状態だったので、この原因は再現していません。押せない状態が続くなら、鍵マークが閉じていないかも合わせて見てください。
選んでいる対象を見直すのも有効です。空白そのものを選ぶのか、クリップを選ぶのかで、実行できる操作は変わります。当サイトの実機でも、空白を右クリックした場合と、クリップを選んで編集メニューを開いた場合の両方でグレーになることを確認しました。逆に言えば、どちらの選び方をしていても、同期ロックが原因なら同じように止まります。ここは切り分けに使える情報です。選び方を変えても症状が変わらないなら、選択の問題ではないと判断できます。
他のトラックに空きが無い、という説明も、今回の話とつながっています。詰めるためには空きが必要で、空きが無ければ詰められません。当サイトが実機で確かめたのは、その空きが無い状態を作っていたのが「空白と同じ横位置に空きなく並んだクリップ」であり、そのトラックも一緒に詰める対象にするかどうかを決めていたのが同期ロックだった、という組み合わせでした。同期ロックを外せば一緒に詰めなくなるので、空きの有無を問われなくなります。
紹介した記事にも書かれているように、原因は1つではありません。ですので、鍵マークを見て、選び方を見直して、それでも直らないときに同期ロックを見る、という順番で確認していけば、どこかで当たります。当サイトの場合は最後の同期ロックが答えでした。
検証に使った環境
この記事の内容は、次の環境で実際に操作して確かめたものです。
| ソフト | Adobe Premiere 2026 バージョン 26.3.2(ファイルバージョン 26.3.2.2) |
| OS | Windows 11 Home ビルド 26200 |
| 表示言語 | 日本語(ja-JP) |
| 状況 | 実際に編集していた プロジェクトで発生した症状を その場で切り分けて解消 |
確かめられなかったこと
正直に書いておきます。次の点は当サイトでは確認できていません。ここに書いていないことまで保証する記事ではありません。
- トラックの鍵マークが原因で押せなくなるケースは再現していません(当サイトの環境では鍵はすべて開いていました)。また Mac での動作も確認していません(検証機は Windows 11 です)
Alt+Deleteが実際に効く環境を確認していません(当サイトの環境はFキーでした)。プリセットを「Adobe Premiere Pro 初期設定」に切り替えて割り当てを確かめることもしていません。Premiere の 25 以前など、他のバージョンでの挙動も確認していません- 実行前後の画面に収めたのは V1 と V2 の行までで、V3 のテロップ素材が動かなかったことは確認していません
よくある質問
同期ロックとトラックのロックは違うものですか
違うものです。トラックのロックは鍵のマークで、かかっているとそのトラックを編集できなくなります。同期ロックは、詰める操作をしたときに他のトラックも一緒に動かすかどうかを決めるスイッチです。当サイトの実機で押せない原因になっていたのは後者のほうでした
同期ロックを外したままにしておいて大丈夫ですか
外したトラックは詰める操作で動かなくなります。全体にかかっている調整レイヤーのようなものなら困りませんが、場面に合わせて置いたテロップなら、詰めたあとに位置がずれます。作業内容に合わせて判断してください
外したはずの同期ロックがまた有効になっています
同期ロックの切り替えも取り消し履歴に1手として積まれます。リップル削除が実行されていない状態で Ctrl + Z を押すと、その前の同期ロックの切り替えが取り消されることがあります。当サイトの実機でも V2 が有効に戻っていました。なお、リップル削除が実行された回では、取り消しを1回押しても斜線は残ったままでした
リップル削除のショートカットは何キーですか
環境によって違います。Shift + Delete でできると説明するサイトがある一方、Alt + Delete と説明する記事もあります。当サイトの環境ではプリセットがカスタムで F キー単独でした。「編集」から「キーボードショートカット」を開き、検索欄に「リップル」と入れて自分の割り当てを見るのが確実です
実行したら後ろのクリップが全部動いてしまいました
それがリップル削除の本来の動きです。空白を消して、後ろにあるものを前に詰めるので、後ろのクリップはまとめて左へ移動します。動かしたくない場合は「消去」を使うと、空白を残したまま消せます
間違えて実行してしまいました
Ctrl + Z で元に戻せます。当サイトの実機でも、実行後に取り消しを押して空白が元どおりになることを確認しています
どのトラックの同期ロックを外せばいいのか分かりません
詰めたい空白の左端と右端に縦の線を引いたつもりで上から下まで見て、その範囲に空きが無いトラックを探してください。クリップが何本に分かれているかは関係ありません。当サイトの実機では、それが調整レイヤーの V2 とテロップ素材の V3 でした
再起動すれば直りますか
当サイトの実機では、再起動は関係ありませんでした。押せない理由はタイムラインの状態にあったので、状態を変えないかぎり何度起動し直しても同じです
プリセットが「カスタム」になっていました
キーボードショートカットの設定画面で、プリセットを選ぶ場所にチェックが入っている項目です。当サイトの環境もカスタムで、リップル削除には F キーが割り当てられていました。他のプリセットとは違うキーになっている可能性があるので、検索欄で自分の割り当てを確認してください
メニューは黒いのにキーだけ効きません
その場合は割り当ての問題です。「編集」から「キーボードショートカット」を開いて「リップル」で検索し、どのキーになっているかを見てください。何も表示されなければ、その環境では割り当てが無い状態です
まとめ
リップル削除がグレーで押せないとき、当サイトの実機で原因になっていたのは同期ロックでした。空白と同じ横位置に空きが無いトラックの同期ロックが有効だと、そのトラックを一緒に詰めることができないため、Premiere は操作そのものを止めます。クリップが何本に分かれているかは関係ありません。当サイトの V2 と V3 も3本に分かれていましたが、空きが無かったので止まりました。
直し方は、そのトラックの同期ロックのアイコンをクリックして斜線を入れるだけです。当サイトでは V2 と V3 を外した瞬間にグレーが解除され、実行したら空白が詰まって後ろのクリップが左へ移動しました。リップル削除が実行されていない状態で取り消しを押すと、同期ロックの切り替えのほうが戻ってしまう点だけ、覚えておいてください。
ショートカットが効かない場合は、キーの正解を探すより、「編集」から「キーボードショートカット」を開いて「リップル」で検索し、自分の環境の割り当てを見るほうが速いです。当サイトの環境では F キー単独でした。ショートカットについて書かれている情報は複数あって食い違いもあるので、自分の画面を見るのが一番確実です。
まとめると、確認する順番は「鍵マークが閉じていないか」「選んでいる対象は合っているか」「空白と同じ横位置に空きが無いトラックの同期ロックが有効になっていないか」の3つです。当サイトの実機ではこの3つ目が原因で、外した瞬間に押せるようになりました。同じところでつまずいたときは、この順番で見てみてください。
タイムラインの構造が絡む症状は、文章だけだと自分の画面と見比べにくいところがあります。グレーになっているメニューの画面や、トラックヘッダーの並びをそのまま写真で送っていただければ、どのトラックの同期ロックがじゃまをしているのか、それとも別の原因なのかを一緒に確認します。編集の途中で手が止まっているときほど、遠慮なくどうぞ。
出典・引用サイト
- 【Premiere Pro】リップル削除のやり方|できない原因と解決方法(どりストレージ:マニアクス)
- Premiere Proでカットの間を詰める方法(リップル削除)(はせがわ写真・動画ラボ)
- シーケンス内のクリップを削除する(fu-non)
最終確認日 2026年8月11日/記事作成 uri uri



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