Linuxシステムで定期的にコマンドを実行したいと思ったことがありませんか？特に、システム管理やサーバーの運用においては、定期実行は欠かせない機能です。しかし、従来のcronコマンドだけでは満足できない、あるいは新しいシステム環境でcronが使えない、というシチュエーションもあるかもしれません。そんな時に役立つのが、Linuxの強力なツールである「systemd.timer」です。本記事では、1分おきのコマンド実行を実現するための設定方法と、初心者でも簡単に理解できるようにシンプルかつ実用的なポイントを紹介します。
systemd.timerとは？ cronとの違い
Linuxのイメージ
Linuxシステムで定期的にコマンドを実行する方法として、cronが長らく主流でした。しかし、Amazon Linux 2023をはじめとする新しいディストリビューションでは、デフォルトでsystemd.timerが利用されています。systemd.timerは、cronに代わる強力なツールであり、時間やイベントに基づいてコマンドをスケジュールできます。
cronとの最大の違いは、systemd.timerが単なるコマンド実行だけでなく、システムの起動や停止など、さまざまなタイミングで処理をトリガーできる点です。これにより、より柔軟で効率的なシステム管理が可能になります。
Linuxコマンド1分おきの実行設定方法
Linuxシステムで1分おきにコマンドを実行する方法は、非常に簡単です。systemd.timerを使用すれば、以下の手順で設定が完了します。
- スクリプトの準備: 実行したいコマンドを含むスクリプトファイルを作成します。例えば、”hello.sh”というシンプルなスクリプトを作成して、実行する内容を記載します。
- サービスファイル(.service)の作成:
/etc/systemd/system/ディレクトリに、スクリプトを実行するためのサービスファイルを作成します。ファイル名は”hello.service”とし、
セクションで実行コマンドを指定します。
- タイマーファイル(.timer)の作成: 次に、同じディレクトリにタイマー設定ファイル（”hello.timer”）を作成します。このファイルに1分おきに実行する設定を記述します。たとえば、
OnCalendarオプションを使用して、毎分実行するように設定します。
作成した2つのファイルは、systemdが自動的に連携させ、指定したタイミングでコマンドを実行します。
systemd.timerの基本設定項目
systemd.timerを設定する上で、いくつか重要な設定項目があります。これらを理解しておくことで、より効率的に定期実行処理を行うことができます。
OnCalendarで定期実行をスケジュール
OnCalendarオプションを使用して、実行する日時や間隔を設定します。例えば、1分おきに実行したい場合は、次のように記述します
OnCalendar=*-*-* *:*:00
この設定で、毎分の0秒にコマンドが実行されます。
AccuracySecで精度を調整
AccuracySec
を使うと、実行の精度を調整できます。デフォルトでは1分単位の精度が設定されているため、1分未満の精度でスケジュールを設定する場合には、このオプションを活用する必要があります。たとえば、100ミリ秒精度でスケジュールしたい場合は、次のように設定します
AccuracySec=100ms
Unitで関連するサービスを指定
タイマーは、実行するサービス（.serviceファイル）を指定する必要があります。デフォルトでは、タイマーファイルと同名のサービスファイルが自動的に関連付けられますが、異なるファイル名を使用したい場合は、
Unit
オプションで指定することもできます。
実行中のタイマーの確認方法
作成したsystemd.timerが正しく動作しているか確認するためには、以下のコマンドを使用します。
- systemctl statusコマンドで、タイマーの状態を確認します。
- systemctl list-timersで、現在設定されているタイマーの一覧を表示できます。
- journalctl -uで、サービスのログを確認し、実行結果やエラーメッセージを確認します。
これらのコマンドを活用することで、実行結果やタイマーの動作状況を簡単に確認できます。
linux コマンド 1分おきに関する疑問解決
Q1. cronを使わずに1分おきにコマンドを実行したい理由は？
A1. cronは、古くから使われている定期実行ツールですが、systemd.timerは、システム全体のサービス管理と統合されており、より柔軟で強力なスケジュール管理が可能です。また、systemd.timerでは、タイマー設定を他のシステムイベントや状態に連動させることもでき、cronでは実現できない高い柔軟性を提供します。
Q2. systemd.timerで指定できる最小の間隔は1分ですか？
A2. デフォルトでは1分単位の精度となっていますが、
AccuracySec
を設定することで、1分未満の間隔での実行も可能です。ただし、精度を下げることでリソースの消費が増えるため、用途に応じて調整が必要です。
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まとめ
Linuxシステムで定期的にコマンドを実行する方法として、systemd.timerは非常に強力で柔軟なツールです。特に、1分おきの実行を実現したい場合には、systemd.timerを使うことでシンプルに実行可能です。cronの代わりにsystemd.timerを使用することで、システム全体の管理が一元化され、より効率的な運用が可能になります。これからは、systemd.timerを活用して、Linuxシステムのスケジュール管理を一歩進めていきましょう。
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