突然ですが、Excelで作業していると「ここに新しい行を挿入したいのに、毎回右クリックで操作するのは面倒だな…」と思ったことはありませんか？
特に数百行、数千行のデータを扱うときには、行の挿入や増加を自動化できるかどうかが作業効率を大きく左右します。そこで役立つのがVBAを使った行の挿入（増やす）方法です。この記事では、単純なコードの紹介にとどまらず、知らないと損する裏技や実務で役立つ応用テクニックまで徹底的に解説します。
基本を押さえる！ExcelVBAで行を増やす仕組み
Excelのイメージ
まずは行を挿入する基本コードから理解しましょう。VBAでは、RowsプロパティとInsertメソッドを組み合わせることで、新しい行を追加できます。
単一行の挿入
例えば「3行目に1行追加したい」ときは、次のように書きます。
Rows("3:3").Insert
これで3行目に新しい空白行が差し込まれ、既存のデータは下にずれていきます。
複数行の挿入
「一度に3行増やしたい」という場合は、範囲を指定します。
Rows("3:5").Insert
この場合、3～5行目の3行分が新たに追加されます。直感的でわかりやすいですよね。
可変的に行を増やす！変数活用のコツ
実務では「毎回同じ行数を追加する」とは限りません。例えばユーザーの操作やデータ量に応じて動的に行を増やしたい場合、変数を使うのが有効です。
変数で行数を指定
以下のコードは、ユーザーが入力した数値に応じて行を増やす例です。
Dim lastRow As Long
lastRow = InputBox("挿入したい行番号を入力してください")
Rows("2:" & lastRow).Insert
このように「文字列結合（&）」を使うことで、柔軟に範囲を制御できます。
実務で差がつく！便利な応用テクニック
単純に行を増やすだけでなく、現場では「条件付きで行を増やしたい」「書式を維持して挿入したい」といったニーズがあります。以下でよく使う応用例を紹介します。
書式ごとコピーして挿入
通常のInsertでは行のスタイルや罫線が失われることがあります。その場合はCopyOriginを指定します。
Rows("3:3").Insert CopyOrigin:=xlFormatFromLeftOrAbove
これにより直前の行の書式をそのまま引き継げます。
条件付きで行を増やす
例えば「セルに特定の文字があれば、その行の下に新しい行を追加する」コードも可能です。
Dim i As Long
For i = 1 To 100
If Cells(i, 1).Value = "挿入条件" Then
Rows(i + 1).Insert
End If
Next i
このように応用すれば、単なる「行を増やす」以上の処理を自動化できます。
表で理解！RowsとInsertの違いと注意点
混乱しやすいRowsとInsertの関係を整理しましょう。
| コード例 | 動作内容 |
|---|---|
| Rows(“3:3”).Insert | 3行目に1行挿入する |
| Rows(“3:5”).Insert | 3行目から5行目まで3行挿入する |
| Rows(“2:” & lastRow).Insert | 変数で指定した行まで動的に挿入する |
このように「どの行を対象にするか」によって動作が変わる点が大切です。
excel行を増やすVBAに関する疑問解決
列を増やす方法は行と同じ？
はい、基本は同じでColumnsを使います。
例
Columns("B:B").Insert
と書けばB列の前に新しい列が追加されます。
Ctrl+Shift+=で行挿入できるのに、なぜVBAを使うの？
手作業だと数回なら問題ありませんが、大量のデータ処理では効率性と再現性が求められます。VBAなら一度コードを書けば何百回でも同じ操作を自動で実行できます。
既存の数式や参照が崩れないか心配です
Insertを使えば自動でセル参照もシフトされます。ただし、絶対参照（$記号付き）は変わらないため、場合によっては修正が必要です。
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まとめ
Excelの作業効率を劇的に高めるカギは行を自在に増やせるVBAテクニックです。
基本的なRowsとInsertの組み合わせから、変数を使った柔軟な挿入、さらに条件付き処理や書式保持まで押さえることで、単なる自動化を超えて「実務で役立つ魔法のスキル」になります。
今すぐ一度、自分のExcelで実行してみてください。きっと「もう手作業には戻れない」と実感できるはずです。
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