Excelを使っていると、同じ計算を何度も繰り返したり、複雑な数式に悩まされたりすることがありますよね。そんなときに便利なのが、Excelの新しい関数「LET関数」です。今回は、LET関数の基本から実践的な使い方まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
LET関数とは？
Excelのイメージ
LET関数は、Excelの数式内で「変数」を定義し、その変数を使って計算を行うことができる関数です。例えば、同じ計算を何度も繰り返す場合、その計算を変数にして一度だけ計算し、後はその変数を使うことで、数式を簡潔にすることができます。
基本構文
LET関数の基本的な構文は以下の通りです
=LET(変数1, 値1, 変数2, 値2, ..., 計算式)
上記の内容に何を入れればいいねん！って思いますよね？
まず変数1, 変数2,には「定義する変数の名前（なんでもOK）」で値1, 値2,には「それぞれの変数に割り当てる値や計算式（数字や＋や-）」を入力してください。
最後に、計算式には「定義した変数を使って最終的に計算する式」を入力します。
この説明は、ちょっとわかりにくいけど「こんなもんだ！」っで、いったん飲み込んでください。
具体的にやってみたほうがわかりやすいので、次で具体例だしながら説明しますね。
具体例！3科目の平均点と評価
例えば、以下のような表があるとします。
| 名前 | 国語 | 数学 | 英語 |
|---|---|---|---|
| 太郎 | 80 | 75 | 70 |
この場合、3科目の平均点を計算し、その結果に基づいて評価を付けるという課題があります。評価の基準は以下の通りです
- 平均点が40点未満D
- 40点以上50点未満C
- 50点以上70点未満B
- 70点以上A
従来の方法では、以下のような複雑なIF関数を使用していました
=IF((B2+C2+D2)/3<40,"D",IF((B2+C2+D2)/3<50,"C",IF((B2+C2+D2)/3<70,"B","A")))
この数式では、平均点の計算「(B2+C2+D2)/3」が3回も繰り返されており、読みにくく、修正も困難です。
ここでLET関数を使用すると、以下のようにすっきりとした数式になります：
=LET(平均点, (B2+C2+D2)/3, IF(平均点<40,"D",IF(平均点<50,"C",IF(平均点<70,"B","A"))))
この数式では、「平均点」という変数に平均点の計算を割り当て、その変数を使って条件分岐を行っています。これにより、以下のメリットが得られます。
- 平均点の計算が1回で済むため、処理速度が向上する
- 数式が読みやすくなり、理解や修正が容易になる
- 平均点の計算方法を変更する場合、1箇所を修正するだけで済む
LET関数のメリット
LET関数を使うことで、以下のようなメリットがあります
- 数式の簡潔化同じ計算を何度も繰り返す必要がなくなり、数式がすっきりとします。
- 計算速度の向上同じ計算を一度だけ行うため、処理速度が向上します。
- 数式の可読性の向上変数名を使うことで、数式の意味が明確になり、理解しやすくなります。
- メンテナンスの容易さ計算方法を変更する場合、変数の定義を修正するだけで済むため、後からの修正が容易です。
LET関数の活用シーン
LET関数は、特に以下のような場面で活用できます
- 複雑な計算式の簡素化複雑な計算式を分割し、各部分に意味のある名前を付けることで、数式を理解しやすくします。
- 同じ計算の繰り返し同じ計算を何度も行う場合、その計算を変数にして一度だけ計算し、後はその変数を使うことで、数式を簡潔にします。
- 計算の再利用一度計算した結果を変数にしておくことで、後の計算でその結果を再利用することができます。
よくある質問や疑問
LET関数はどのバージョンのExcelで使えますか？
LET関数は、Excel 2021以降のバージョンやMicrosoft 365のExcelで使用できます。これらのバージョンでは、LET関数を利用することができます。
LET関数を使うと、どのような場面で効果がありますか？
LET関数は、特に以下のような場面で効果があります
- 同じ計算を何度も繰り返す場合計算を一度だけ行い、その結果を変数として再利用することで、数式を簡潔にできます。
- 複雑な計算式を整理したい場合計算式を分割し、各部分に意味のある名前を付けることで、数式を理解しやすくします。
- 計算の再利用が必要な場合一度計算した結果を変数にしておくことで、後の計算でその結果を再利用することができます。
LET関数を使う際の注意点はありますか？
LET関数を使用する際の注意点は以下の通りです
- 変数名の命名規則変数名は、英字で始める必要があります。セル番地やExcelの関数名と重複しないように注意してください。
- 変数のスコープLET関数内で定義した変数は、そのLET関数内でのみ有効です。別のセルや関数では使用できません。
- 計算式の構造LET関数の最後の引数は、計算式でなければなりません。変数の定義だけではなく、最終的な計算を行う必要があります。
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まとめ
LET関数は、Excelでの計算をより効率的に、そして理解しやすくするための強力なツールです。特に、同じ計算を何度も行う場合や、複雑な計算式を整理したい場合に効果を発揮します。ぜひ、LET関数を活用して、より快適なExcelライフを送ってください。
他にも疑問やお悩み事があれば、お気軽にLINEからお声掛けください。
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